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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 33-13

フェイト「……まーた、あのお嬢様がからんでるのか。いい加減、うんざりだな」

レク「最近、毎日、誰かといさかい起こしてるからなぁ」

 

 女の子同士のケンカが中で始まっているのか。

 入りずらい。

二人はドアの前で立ちすくんだ。

 

アン「4時間目までちゃんとあったのよ!! 落とすハズがないわ、コレだけは忘れたり落としたりしないようにいつも気をつけてるんだから!!」

メイディア「でも現にッ……」

 

 落ちていたではないか。

 

アン「どうせ中身を見て笑っていたんでしょ!! ヒドイっ!!」

 

 怒りと羞恥で浮いた涙を袖で拭う。

 

メイディア「中なんて見ておりませんわ」

アン「でもリク君たちに見せようとしてた!! 私、知ってるんだから!!」


▽つづきはこちら

一方的な言いように腹を立てたメイディアも応戦して声を荒げる

 

メイディア「持ち主かどうか確認しただけです!!」

アン「私を笑い者にしようとして!! ……最低!!」

メイディア「だったら、見られて困る小説だったら、持ち歩かなければいいでしょう!!」

 

 小説!!

 今、メイディアは何と言った?

 たちまち色を失ったアンの唇が何かを言いたげにわなわなと震えた。

 小説だ。

 小説。

 彼女はコレが小説であることを知っている。

 やっぱり見たんじゃないか!

 カッと全身の血が逆流したような気がした。

 名前を置き換えて、赤裸々に綴った恋心。

聖域を土足で踏み込まれ、残酷に踏みにじられた気持ちになって、アンは激高した。

 

アン「どうしてっ!! どうしてアレが小説だって知っているの!!?」

メイディア「それはあの子たちが……」

 

 メイディアをからかおうとした女の子たちが開いて、恋愛小説だと騒ぎ立てたからである。

 けれど言い分を聞く間もなく、アンつかみ掛かってきた。

 ものすごい音がして、入るのをためらっていたレクとフェイトが飛び込んだ。

 続いて授業のために入って来ようとした生徒たちをレクが止める。

 

レク「ちょっとごめん。待って。今、取り込み中だから」

学徒たち「おいおい、何だよ」

    「入れてくれよ」

レク「頼む、すぐだから」

 

 無理に押して締め出す。

 振り返ってみると、アンにどつかれたメイディアが壁に背を打ち付けてむせているところだった。

 

フェイト「やめろ」

アン「離して!! 離してよっ!!」

 

 フェイトに腕をつかまれて、もがくアンの形相は怒りに支配されていつものおとなしい印象は一欠けらも見当たらなくなっている。

 

アン「貴族様は何をしても許されると思っているんでしょ!? バッカじゃないのッ!? 他人の物も勝手に持ち出しても自分は許されるとでも思っているのね!! 手癖が悪いのはどっちよ!! 私っ……入所した時からずっとずっと嫌な子だと思っていたんだから!! 出て行きなさいよ!! 養成所はアンタなんか、来るトコじゃないのよっ!! 皆、皆、そう思っているんだから!! 裏ではみーんなアンタの悪口言ってるわ!! アンタは養成所一の嫌われ者よ、わかってんのっ!?」

 

 今まで鬱積していたものが怒涛のごとく膨れ上がっては口をついて流れ出た

 

フェイト「よせったら」

 

 完全に興奮しきっているアンを捕まえておくのは一苦労だが、それよりもこんなおとなしそうな娘が怒りを露わに口汚く相手を罵っている姿が耐えがたかった。

 

レク「メイディ、何があったんだ?」

 

 尻餅をついているメイディアに手を差し伸べる。

 

メイディア「……知りません」

 

 手を拒否して、自分で立ち上がるとスカートについた埃を払った。

 それから靴音高らかにアンに近寄ると、その手からまた赤いノートを取り上げる。

 

レク「メイディ!!」

メイディア「そんなに汚して欲しかったのなら、望どおりにしてあげる!!」

 

 勢いよくノートを開き、両ページにまとめて手をかけた。

 

アン「何をするのっ!? やめてっ!!」

フェイト「おいっ!?」

 

 ビッ!!

 

 半分に破いて床に叩きつける。

 

メイディア「どう? これでよろしいのでしょ。ご満足かしら?」

 

 さらに上から踵で踏み付ける。

 

アン「ああ……」 力無く、ひざを折る。

フェイト「…………………………」

メイディア「良かったわね!! これでお望み通り!! 心置きなく泣いたり恨んだりできますでしょ!! “まぁ、皆さん、お聞きになって!! なんてメイディアは残酷な女の子でしょう!!”ってね!!」

 

 金色の巻き毛を払って見下した視線を浴びせると、口元に小指を立てた手をあてがって、高笑い。

 

メイディア「……では、ごきげんよう? 大事な物なら、もう二度と手放さないことね、“可哀想なアン”!!」

 

 捨て台詞を残して教室から姿を消した。

 

フェイト「………………………………」 唖然。

アン「………………………………」 呆然。

レク『あっちゃ~……』 額に片手をあてて、顔を歪める

フェイト「な……」

    「なんて女だ」

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●Thanks Comments

本当になんて女だ…!

フェイトじゃないけど、そう出たか~…っていうカンジ…。
自らイバラの道を選択して踏み込んでいっちゃいましたよ(苦笑)
アンの罵りっぷりがすごく楽しかった(鬼畜…?)
後で誤解がとけた時の事を考えてしまって、メイディが常に悪い訳じゃないのよ~とメイディの味方をしたい今。

From 【ぱんだ】2008.04.26 11:05編集

……と、思っていただけて光栄です(笑)

ヒロイン失格なイキオイで突っ走っております、メイディア嬢。
……スタートからずっとだけど;

From 【ゼロ】2008.04.26 12:53編集

ヒロイン失格だけど

後からしっかりノート破っちゃったこと後悔してみたりするのが
可愛いかったりもするw
バカなコほど、かわいい心理なのか…。

リクはメイディがノートの持ち主探しをしていたのを知っている
ので、アンの誤解が早く解けないかなぁ…っていうか、シラーの
登場により、余計に複雑にこじれていきそうな方向に…!

From 【ぱんだ】2008.04.27 12:24編集

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