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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 29-18

フェイト「おい~……」

レク「もしかして何かあったかな?」

 

 耳をすませば、剣撃が聞こえるではないか。

戦闘が始まっていたのだ。

 

レク「戦闘が起こってる! 急ごう!」

フェイト「ああ。だが、立てるか、……えと……?」

レク「ステラだったよね、クロエの友達の。肩を貸すから……立てる?」

ステラ「うん、なんとか。ありがと」


▽つづきはこちら

ステラのわきの下に自分の腕を通して引っ張り上げ、

 

レク「フェイトも反対側を」

フェイト「……待て。向こうは戦闘中だ。連れて行く気か?」

レク「そ、そっか。そうだな……敵を無視してこっちに来るようにレイオットたちを呼ぼう。うん、それがいい

 

 自分で問答して勝手に納得するとレク声を張り上げた。

 

レク「ケガ人を保護! ケガ人を保護! 敵は捨て置いて、こっちに集合!!」

ステラ「皆ともはぐれたけど、大丈夫かしら……」

レク「心配ないよ。ともかく、クロエが来たら白魔法で治療してもらおう」

フェイト「まったく。霧の中を動き回るからこんなことに……」

レク「ケガ人を責めるなよ」

フェイト「ウチのダレスのことも言ってるんだ。お前のところのチームもな。そっちは大かた、ロドル辺りが言い出したんだろうが」

レク「……う」 図星。

フェイト「だからこんなことになる

「………………優勝、しなきゃいけなかったんだがな」 肩で息をつく。

ステラ「優勝? 1位になっても賞なんかつかないでしょ?」

フェイト「俺たちにはな」

 

 言って、メイディアの言葉を思い浮かべた。

 

フェイト「いたんだ。一人。優勝しないと困る奴が」

 

 だから、急いでいたのに。

 

フェイト『ま、どうせ賞は口説く権利だけで、その後は知らないけど』

 

 赤毛の王子様とやらが彼女を受け入れるのかどうかは、試験とは関係ないにしても、少なくともメイディアはそのでいる。

他人の希望をわざわざ潰す必要もない。

 態度も素っ気なければ、言葉にもしないフェイトだから、メイディアの望みを叶えてやろうという

心づもりが彼にあったことは誰も知らない。

 応援する義理はなかったし、しているつもりもないが、邪魔立てする気もまたなかった。

 彼はそういう人間だ。

 

レク・ステラ「優勝しないと困る人?」

フェイト「いい。気にするな。こっちの話だ」

 

 会話を区切って、しばらく待ったが相手からの反応が返ってこない。

 

レク「……おかしいな。聞こえないのか。ちょっと行って来る」

フェイト「今度こそ、ロープを」

レク「OK」

 

 そんなに遠くまで移動したワケではない。

霧の中でも方角さえ間違えていなければ、たどりつく。

レクは周囲に気を配りながら手探りで進んでいった。

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