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レイディ・メイディ 29-17
2008.04.02 |Category …レイメイ 29話
クロエ「!?」
ドコォッ!!
クロエ「ほぎゃっ!?」
クロエの顔面にナツメの回し蹴りがクリーンヒット。
クロエ「おがっ!?」
見えていなかったのだが、実はすぐ側にあった木の幹に激突。
幹に体を預けて、くにゃりと力無く体を折る。
……ぽてっ。
その後、一瞬遅れて鳥の糞がクロエのいた場所に落ちた。
▽つづきはこちら
レイオット「…………………………」
とっさに剣の柄に手をかけたが、そのまま静止。
クレス「………………………………」
ナツメの横顔に視線を流す。
氷鎖女『あやややっ』
それを受けて、冷や汗タラリ。
痛みに悶絶していたクロエが1テンポ遅れで抗議の声を上げた。
クロエ「いぃったぁ~! ヒドイじゃない、ナツメ……ッ! むむっ?」
落ちた鳥の糞を発見。
クロエ「ハッ! 幻術に続く第2の罠だったのね!? ありがとう、ナツメ!」
手を握って、上下に振り回す。
氷鎖女「……それほどでも……ウフフ。アハ……ハハ……」 アセアセ。目が泳いでいる。
レイオット・クレス「だっ、だまされてるよ、クロエ!!」
氷鎖女『妙だな。今、確かに気配が―……来た!』
今度こそ本物の殺気を感じてナツメはクロエの手を振りほとき、素早く短刀を引き抜いた。
氷鎖女「……敵の、お出まし」
クロエ「エッ!?」
クロエ、レイオットも剣を構え、クレスはレクとフェイトのロープを引っ張って異変を知らせた。
レイオット「戻って! 敵よ!」
クレス「こんなときに! 容赦ないんだから!」 杖を握り締める。
陣形をとる4人。
敵は霧の中から突然現れた。
声の主を探しに行ったレクとフェイトは、他の班のステラを発見していた。
どうもチームメイトとはぐれたらしく、一人で倒れ込んでいる。
レク「大丈夫!?」
ステラ「……よかった、人だぁ」
泥だらけの顔でほっと緊張をゆるめた。
フェイト「どうした?」
ステラ「すっごい強い敵がいて……私たちじゃ敵わないからって逃げたんだけど……」
試験用に設置された敵兵士に見立てた土人形たちは、ある程度の範囲から出たりはしない。
自分たちのレベルで敵いそうもなければ、逃走も加能だ。
出会う敵、全て避けて進むこともできるワケだが、それをやると成績に響くため、受験者たちは出来る限りは倒していく。
倒せば倒すほどポイントが加算されるのも知っているからだ。
けれどゴールに間に合わなくては元も子もない。
それである程度は見切りをつけて無視する方法をとるのが通常であった。
彼女の班は敵の強さに力量が見合わないと判断して撤退したにもかかわらず、奴らはずっと追ってきたのだという。
ステラは足を滑らせて落ちて、先程まで気を失っていたらしい。
立ち上がろうとしたら足が痛んで動けないでいた。
敵の姿はもうなかったが、このままでは一人取り残されてしまうと助けを求めていたのである。
フェイト「見つけたな」
レク「うん、良かった」
レイオットたちに知らせようとロープを引っ張るが反応がない。
レク「あれ?」
いくら引いても無反応なので、念のためにロープをたぐりよせてみると、案の定。
先端が手元に来てしまった。
つまり、向こうで端を手放したということになる。