HOME ≫ Entry no.361 「レイディ・メイディ 29-11」 ≫ [368] [367] [366] [365] [364] [361] [360] [359] [358] [357] [356]
レイディ・メイディ 29-11
2008.03.31 |Category …レイメイ 29話
メイディア「くらえっ! 究極魔法☆風の便りと甘い吐息、星の瞳のシルエットっ!」
たった今考案しました的・意味不明な必殺技の名前を叫んでナツメの足を放す。
氷鎖女「にゃあぁぁぁーっ!!!???」
叫び空しく、敵中に人間爆弾。
……で、現在に至る。
まさかの物理攻撃を食らって倒れたリクに微塵の情けもない魔法が降り注ぐ。
▽つづきはこちら
リク「あーらら……」
守る盾もなくなったというのに妙に冷静な自分がいる。
策など何も講じていないのだから、これは死か良くても大怪我は免れまい。
敵は本気で倒そうとしてきている。
薔薇の騎士団候補の試験はずいぶんと過酷なものだとのんきに思った。
レク「ダメだ、間に合わないっ! リクッ!!」
レイオット「キャアッ!」
駆け寄ろうとする二人だが、相手の剣士がそれを許さない。
集中砲火。
クレス「ナツメが逃げてなかったらどーすんだよっ!?」
頭を抱えて講義する。
メイディア「平気。起き上がるの見えたもの。ワタクシだってナツメもろともやっちゃおうなんて無茶しません♪」
クレス「やっとるわっ!!」
爆破魔法の爆風で霧が一部晴れて敵が姿を現した。
無傷だ。
メイディア「そんな馬鹿なっ!? 無敵!?」
側にはナツメもいる。
クレス「危ない、戻って来い、ナツメ!!」
氷鎖女「……ね、ごっ…………メイディアとクレス、でしょ」
ナツメは敵……に見えていたが、実は学徒だったリクをひじでつついた。
リク「本当だ。じゃあ、あっちの剣士2体は…………うん、フェイトとクロエか」
レクとレイオットの前に立ちはだかる二人を見つめた。
リク「同士討ちの罠だったのか。へぇ。途中から何だか変だとは思っていたけど」
術が解けてみれば、今の今まで土くれの兵士に見えていた敵が、見慣れた姿を取り戻す。
リク「これが幻術…………かけられたことなかったから、術中にあったのも気がつかなかったよ」
氷鎖女「…………気が、ついていたら……、……ハマッてなかったということになるけど……」
リク「そっか、そうだよねぇ。あはは」
まだ気がついていないメイディアとクレスは、ナツメに向かってそこをどけだの戻れだのと騒いでいる。
リク「ところで、今守ってくれたのって君だよね? 少なくとも俺は魔法を唱える余裕がなかった」
ナツメはその質問に答えずにお互いの味方の手を引かせようと提案した。
レク「なぁんだ。フェイトだったのかぁ~。どーりで強いと思ったんだ」
状況を飲み込んでレクが笑い飛ばした。
フェイト「ふん……」
『コイツ…………練習の時と実戦じゃ全然違うじゃないか』
訓練ではまだ一度も後れを取ったことのない相手に、この戦いでは苦戦を強いられっぱなしだったことに些かプライドが傷ついてしまった。
同時にレクの成長を認め、格下ではなく同等の好敵手としての位置づけをし、闘争心に火が点いたのも確かだ。
レクの成長が目覚しかったというより、普段は眠っているのかもしれない戦いの感性が目覚めたのかもしれない。
訓練では今後もどうかわからないが、実戦では怖い相手になりそうである。