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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 29-10

クレス「やはりあの魔術師をやるには剣士の力を借りないとダメなのか」

 

 そうするには相手の剣士を何とかフェイトやクロエから引き離さなければならない。

 そのために魔法を打てば、やはりあのマジシャンがこちらの攻撃を無効にする。

 数はこちらの方が多いのに、残念ながら力は均衡していた。

 

メイディア「ナツメ! いらっしゃいな。ねぇ、ワタクシによい考えがございますの」

 

 思い立ったように、手招き。

 

氷鎖女「?」


▽つづきはこちら

メイディア「相手の防御壁のエネルギーは、物理的攻撃を跳ね返す程のものではございません。クレスが魔法の攻撃を仕掛け、相手がそれを相殺するためにまた放つ。さもなければ再びあの結界で阻むでしょう。その間に…………いえ。それに重ねて我々は物理的攻撃を加えることにします。よろしい?」

クレス「馬鹿な。君が剣士役を務めると? 接近戦の経験は?」

メイディア「接近なんかしません。さあ、撃って!」

 

 言うなり、メイディアは腰を落としてナツメの足首をつかんだ。

 

氷鎖女「…………エ?」

 

 仕方なく、彼女の案を信じて渾身の魔法を放つクレス。

杖の先端から、氷の嵐が敵を目がけて突き進む。

 

 

 敵からの魔法が再びリクを襲った。氷の嵐が彼を目がけて突き進んでくる。

 同じことだと、もう一度防御壁を張る。

 

リク「んっ!?」

 

 目の前で氷の魔法は作り出した魔力の壁に阻まれて四散した。

直後、異変に気づいたときには遅かった。

 魔法の光が消滅するかしないかのうちに続けさまに撃たれたのか、正体不明の大きな物体が視界を占領する。

これも魔法壁が防いでくれると思う…………間もなく、リクの体は「く」の字に曲がって衝撃に吹き飛ばされていた。

 

リク「うっわ!?

 

 地面に背中を激しく強打。

 そして、何故か腹の上に重力が……

 

リク「うっ、いたた…………って…………誰?!」

 

 仰向けにひっくり返ったまま、苦しみながらも首を起こしてみれば、自分の上に大荷物。

 

 

メイディア「ホーッホッホッホッ! 敵が倒れましたわ! やりました♪ 今よ、クレス!! 敵は体勢を立て直してはいませんっ! すぐに魔法は唱えられないでしょう! これで魔法使いは倒したも同然よ!」

 

 容赦なく、倒れた敵に向かって攻撃魔法の嵐をお見舞いする。

 

クレス「ぅおいっ! ナツメ投げんなーっ!!!!」 ガッビーンッ!?

 

 なんと、敵…………リク=フリーデルスが受けた衝撃は、魔法による攻撃ではなく、人間を砲弾とした物理攻撃だったのである。

 

メイディア「早く、クレス、早くぅっ♪」

 

 ねだるように可愛くクレスの服を引っ張るメイディアだが、やっていることが外道の外道。

恐ろしい女だ。

 

クレス「わーっ! ナツメーッ!! ナツメが死ぬーっ!!」

メイディア「大丈夫。ちゃんと魔力を弾く魔法を彼女にかけてあります。それに彼女、とっても身軽なんですもの。まるでネコかネズミみたいにね」

クレス「それって剣や楯にかける魔法じゃないかーっ!!!」

 

 ……事が起こる分前。

 メイディアは一人で戦闘にうまく加われず、右往左往しているように見えるナツメを呼び付け、「良い案がある」と主に前線の剣士を守るために使用される、魔力での攻撃を無効化する魔法をかけた。

 これは当然、生身の人間にかけるというよりは剣や楯、そして鎧にかけて対魔法防具とするのが目的のものだ。

 そんなモノをナツメ自身にかけると、メイディアは彼女の足を両腕に挟み、こともあろうかぶんぐる勢いづけて回転し始めたのだった。

 ナツメは氷鎖女だ。

攻撃に手をこまねくマネはしても、わざわざ攻撃に自ら当たったりはしない。

いくらなんでも避けられるものを避けないでワザとケガするまではするわけもない。

 それがメイディアの目にはすばらしく映ってしまったのである。

この子なら、ぶん投げても大丈夫だという勝手な結論にたどり着き、とんでもない暴挙に発展。

 ナツメの両足を両脇に挟んで回転始めるメイディア。

 ぐるん、ぐるんっ☆

 

氷鎖女「待てっ! 待て、ごーるでんっ! 貴様……っ!!」

 

 遠心力が増してゆく。

 ここで秒読み5秒前。

 5,4,3,2,1……

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