HOME ≫ Entry no.356 「レイディ・メイディ 29-8」 ≫ [361] [360] [359] [358] [357] [356] [355] [354] [353] [352] [351]
レイディ・メイディ 29-8
2008.03.30 |Category …レイメイ 29話
ちょうど同じ頃、S班も最後の難関というべき強敵に出くわしていた。
こちらの発見が遅れたか、氷のナイフが嵐となっていきなり襲いかかってきたのだ。
リクはすぐさま、跳ね返す結界で攻撃を防ぎ、自分の魔力も上乗せしてやった。
だがそれは先頭にいた剣士の手前で白魔法による結界に遮られる。
後もう少しで白魔法の結界を砕けるかというところで勢いは消されてしまった。
リク「手ごわいね、今度の敵は」
レク「そうみたいだ。敵の位置もわかりずらい、足場も悪いぞ、気をつけよう」
レイオット「いくわよ! フォローをお願い」
レク「俺も一緒に行くよ」
リク「今度の相手は魔法を跳ね返す防御を持っていると見ていいかもね。下手に仕掛けるより剣士をまず先に皆でやろう」
▽つづきはこちら
霧の中にまぎれて影が向かってきた。
剣と剣がぶつかって金属特有の音を鳴らす。
レイオットは相手の剣と組み合ったが、力の押し合いに応じることはせず、スルリとかかる圧力をそらして、スピードを緩めず切っ先を相手の喉に突き付けた。
敵は首をよじってそれをかわし、軸足を強く踏み込んで懐に入り込んできた。
レイオット「……うっ! 早い!」
レク「!」
レクが間を割って入り、敵に体当たりを食らわせた。
危機一髪だ。
相手が木の幹に激突したので、チャンスを見逃す事なく剣を突き出すが、避けられて間合いを取られてしまう。
勢い余って木に突き刺さった剣を力任せに引き抜いて、次の一撃を放つレク。
押して押されて、激しいの攻防戦。
先程、危うく倒され損なったレイオットも体勢を立て直して参戦し、敵をあっと言う間に追い詰めた。
1体1体を確実に仕留める。
これが彼らのチームワーク。
幸いなことにこの1体はやたらと強いが、もう1体の剣士らしき敵の動きは鈍く、相手にするまでもない。
襲ってくればすぐに切り捨てることができるだろう。
レク「もう一押しだ!」
レイオット「ええ!」
先頭の敵さえやってしまえばあとは楽だと思っていたが、助っ人に別の1体が参入して来た。
先程、白魔術を使ったと思われる単体だ。
背中合わせになって剣を構える敵2体。
すると彼ら2人を狙った魔法がリクたちの方から放たれ、周囲を囲っていたレクたちはタイミングよく輪を広げる。
やっつけた! 3人は思ったが、敵もそう甘くはない。
中央2体に届く前に敵側の援護射撃がリクの魔法を相殺してしまった。
レイオット「リクの魔法が返されるなんてっ!」
返されても怯むことなくリクは次々と魔法を繰り出す。
それを相手の魔法が粉砕してゆく。今までにない、恐るべき相手だ。
運よく天才リク、赤薔薇随一の実力者・レイオットと続き、以下4名も中から上位に食い込む実力者がそろったパーティーでこれまで危機という危機に直面したことが正直なかった。
山の中で迷ってしまい、時間のロスは大幅にしてしまったものの、敵に関しては余力を残して勝利していた。
ところが今回はそうもいかないようだ。
霧の中でパーティーが半分に分かれてしまったのだから、戦闘力の低下も仕方のないことだったが、それにしても敵が強い。
リク「!?」
敵が突然、こちらの魔法を防ぐのを中断した。どういうことだろう。