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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 29-18

フェイト「おい~……」

レク「もしかして何かあったかな?」

 

 耳をすませば、剣撃が聞こえるではないか。

戦闘が始まっていたのだ。

 

レク「戦闘が起こってる! 急ごう!」

フェイト「ああ。だが、立てるか、……えと……?」

レク「ステラだったよね、クロエの友達の。肩を貸すから……立てる?」

ステラ「うん、なんとか。ありがと」

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レイディ・メイディ 29-17

クロエ「!?」

 

 ドコォッ

 

クロエ「ほぎゃっ!?」

 

 クロエの顔面にナツメの回し蹴りがクリーンヒット。

 

クロエ「おがっ!?

 

 見えていなかったのだが、実はすぐ側にあった木の幹に激突。

 幹に体を預けて、くにゃりと力無く体を折る。

 ……ぽてっ。

 その後、一瞬遅れて鳥の糞がクロエのいた場所に落ちた。

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レイディ・メイディ 29-16

メイディア「あーあ、ワタクシの人生がかかっている重大な試験なのに」

 

 再び肩を落とす。

 

リク「人生? それはまた大それた試験だね」

 

 優勝などというのは成績になかったと思うけれど、まぁ、要するに1位ということだろう。

 

メイディア「ワタクシが優勝の際には、ミハイル先生と婚約できるのですけど、優勝できなかったら、そのお話しはなかったことになってしまうの」

リク「ああ、あの話か。……本気?」

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レイディ・メイディ 29-15

青薔薇教官「私はここは学徒たちに任せても良いかと思うのですがね。不測の事態にどう対応するのか。彼らの真の力を見るチャンスではありませんか」

赤薔薇教官「それは面白い、やらせてみるか」

 

 いかにも武人といった強面の教官が、呵々と豪胆に笑って賛同した。

 

白教官「前回のこともある。……危険では?」

赤教官「なぁに。そのために氷鎖女殿がついておるのであろうが」

 

 それについてはいささか不安があるとレヴィアスが画面に映っている少女・ナツメを指さし示した。

 

レヴィアス「失礼ですが、氷鎖女殿は見たところ、まだほんの小娘ではありませんか。若いとは聞いていたが、あれほどとは……。あれではウチの生徒の方がいくぶん使えると思いますがね」

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レイディ・メイディ 29-14

 ついでにクレスはここまで来たら、1位も夢じゃなかったのにと無念を吐き捨てた。

 残されたメイディアは居所無さげに立ち尽くしていたが、やがてあきらめて足を踏み出した。

 

メイディア「行けばいいんでしょ、行けば!」

氷鎖女「行けとは言ってない……わ

メイディア「貴女がそうでも、同じことです。これで優勝を逃してダーリンのお嫁さんになれなかったら、あの人たちのせいなんだからっ! 責任持ってもらわないと。……行きますよ、ナツメ」

氷鎖女「……はい」

 

 小さく含み笑いをして、一番後ろから着いてゆく。

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レイディ・メイディ 29-13

 それからもう一つ。

気になることがある。

 ナツメとかいう赤薔薇専攻らしい女の子だ。

 なぜあんなにもリクは初対面の子に興味を持ったのか?

 ひっかかれて嫌いになっていればいいのだけれど。

 アンは朝から晩まで、リクのことを考えていた。

 彼に恋する沢山の中から特別と思ってもらうにはどうしたらいいのだろう。

 彼は優しいけれど、それは自分だけに向けられるものではなくて、どんな人間にも同じように優しいのだ。

 あの根性曲がりの冷酷な貴族娘に対してだって、残酷極まりない悪魔の申し子のようなクレス=ローレンシアに対してだって向けられる柔らかな好意は変わりなく。

 それどころかメイディアにクレス……それからナツメのような変わり者にリクの方から依っていっているような気さえする。

 ここでいう「変わり者」とはアン定義で、リクに好意を寄せない者ということだ。

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レイディ・メイディ 29-12

レイオット「でも良かった。このままじゃ相打ちになっていたかもね」

メイディア「ワタクシが投げたおかげで、リクとナツメが顔を合わせたから、わかったことです。感謝なさい」

 

 図々しく胸を張る。

 

クロエ「スゴイ、メイディ!」

 

 簡単にだまされて拍手するクロエ。

 

クレス「んなワケあるかっ!」

 

 二人に忙しくツッコミを入れてから、クレスはナツメを気遣う言葉をかけた。

 

クレス「ちょっと! 平気なワケ?」

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