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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 29-11

メイディア「くらえっ! 究極魔法☆風の便りと甘い吐息、星の瞳のシルエットっ!」

 

 たった今考案しました的・意味不明な必殺技の名前を叫んでナツメの足を放す。

 

氷鎖女「にゃあぁぁぁーっ!!!???」

 

 叫び空しく、敵中に人間爆弾

 ……で、現在に至る。

 まさかの物理攻撃を食らって倒れたリクに微塵の情けもない魔法が降り注ぐ。

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レイディ・メイディ 29-10

クレス「やはりあの魔術師をやるには剣士の力を借りないとダメなのか」

 

 そうするには相手の剣士を何とかフェイトやクロエから引き離さなければならない。

 そのために魔法を打てば、やはりあのマジシャンがこちらの攻撃を無効にする。

 数はこちらの方が多いのに、残念ながら力は均衡していた。

 

メイディア「ナツメ! いらっしゃいな。ねぇ、ワタクシによい考えがございますの」

 

 思い立ったように、手招き。

 

氷鎖女「?」

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レイディ・メイディ 29-9

リク「目標を変えたのか」

 

 思ったとおり、2つの魔法が同時にこちらに向かってきた。

 

リク「やはり」

『これは…………、まともに受けたらシールドが破壊される』

 

 手早く魔法の盾を張り、リクはレクとレイオットを信じて、その表面にわざと魔力ムラを作って攻撃魔法を四方八方に飛び散らせた。

 戦術的に狙ったのではなく、滑らせて力を殺がないことには受けられそうもなかったのである。

それほど相手からの魔法攻撃は強力だった。

 敵のマジシャンは当然のようにこれを防ぎ、剣士の方も片方は白魔術を操る剣士だ。

結界は十八番とばかりに防いでしまう。

 味方の剣士2人は上手いこと、敵の白魔術師が張る結界の後ろに逃れてくれた。

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レイディ・メイディ 29-8

 ちょうど同じ頃、班も最後の難関というべき強敵に出くわしていた。

 こちらの発見が遅れたか、氷のナイフが嵐となっていきなり襲いかかってきたのだ

 リクはすぐさま、跳ね返す結界で攻撃を防ぎ、自分の魔力も上乗せしてやった。

 だがそれは先頭にいた剣士の手前で白魔法による結界に遮られる。

 後もう少しで白魔法の結界を砕けるかというところで勢いは消されてしまった。

 

リク「手ごわいね、今度の敵は」

レク「そうみたいだ敵の位置もわかりずらい、足場も悪いぞ、気をつけよう

レイオット「いくわよ! フォローをお願い」

レク「俺も一緒に行くよ」

リク「今度の相手は魔法を跳ね返す防御を持っていると見ていいかもね。下手に仕掛けるより剣士をまず先に皆でやろう」

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レイディ・メイディ 29-7

 ナツメの動きは鈍く、とても充てにできそうもない。

 

フェイト「くそ、どうする?」

クロエ「フェイト、今行くわ!」

 

 2体に挟まれたフェイトを助けるため、クロエが戦いの中に身を投じる。

 背中合わせになって互いの後ろを守って立つ。

 すると彼ら2人を狙った魔法が敵から放たれ、周囲を囲っていた敵の剣士たちはタイミングよく後ろに下がる。

 味方2人に届く前にクレスのは魔法がそれを相殺すると、敵の剣士たちはすぐに攻撃に転じてきた。

申し合わせたような、キレイなチームワークだ。

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レイディ・メイディ 29-6

メイディア「それについては先程、謝罪致しましたでしょ! 貴方こそ、男のクセに小さいことをいつまでも」

フェイト「俺を巻き込んだかどうかじゃない。視界が悪いのをナメてコケたんだろって言ってるんだ」

メイディア「ふーんっだ」

 

すねるメイディアを無視して、フェイト「ダレス! そこで待ってろ、勝手に進むな。皆と合流だ」

 

 指示を飛ばすフェイトの袖をナツメが引いた。

 

フェイト「?」

ナツメ「ダレスは……放っておこ」

フェイト「は?」

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レイディ・メイディ 29-5

 目に見えた、強さという効果がある魔法ばかりを習って、人様に役立つ薬に興味が持てなかったクレス。

 育ての親である祖母を失うことによって、永遠に手に入らなくなったと思っていた薬草で作った塗り薬は身近な人間が持っていた。

 どうやって作ったのか、薬をわけてもらえないか。

 何度も言い出そうと思ったけれど、それはできなかった。

 ばぁばに覚えておきなさいと耳にタコができるほど言われていたのに、そうしなかった後ろめたさがあったからだ。

これを簡単に手に入れてはいけないような気がして、一言、頼むことができずにいたのである。

 そうでなくとも他人に頭を下げるのが大の苦手ときている彼だから尚更だ。

 現在は、誘われたのに“乗ってやる”という建前をとった形で、保健医・ミハイルの元で本格的な薬剤の勉強をしている。

 これでばぁばの薬が手に入るならいいのだ。

 ばぁばの言ったようにちゃんと自分で覚えて手に入るのなら。

 よそから安易に完成品を受け取ってはならない。

 少なくともクレスはそう心に決めていた。

 独りよがりの決まり事でも、きっとその方がばぁばも喜んでくれる気がする。

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