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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 28-9

レヴィアス「陛下が呼んだ客人なのは知っています。しかし、それがどうして養成所に」

 

 場違いだと言わんばかりの口ぶりで疑問を投げかける。

それは確かに誰もが思っていたことだ

 疑問にニケが答える。

 

ニケ「陛下は異国の文化、技術や知識にも興味あるから」

 

 そういうニケも興味はある。魔法を扱う人間に多い探求心が刺激されてうずく。

 

ナーダ「それなら手元に置くんじゃないの?」

ヴァルト「飼っとくために実績あげさせたかったのかもしれんな」

レヴィアス「飼っておく?」


▽つづきはこちら

ナーダ「ああ、それなら納得。停めておくには地位をあげるのが一番だけど、何の実績もない外国人にそう易々やれないものね」

赤薔薇教官「……ナルホド」

 

 実績をあげさせるといっても、戦争がなくなったこの平和なローゼリッタではそうそう手柄などたてられるハズもない。

 それなら薔薇の騎士を育てさせるのが一番の近道かも知れない。

……が、それにしても。

それにしても、だ。

 国が誇る薔薇の騎士の卵を外国人の手にゆだねてしまうのはいかがなものだろう。

 確かに身元がはっきりしていて、能力の長けた者がいるならば、招いて講師をしてもらうのは良いことだ。

 実際にニケも薔薇の騎士ではないのにここにいる。

豊富な知識とこれまで数々の古代魔法を復活させてきた偉業を認められてのことだ。

 たが、彼もローゼリッタの人間である。決して流れ者の外国人ではない。

 

ニケ「一介の芸術家のどこに力があると陛下が知ったのかは気になるけどね」

ヴァルト「何だか知らないが、今のところ問題ないんだからいいんじゃないか?」

 

 初めのうちは一番難色を示していたヴァルトだったが、今では逆に全く気にしていない様子。

 彼は実績さえ出せば、ちゃんと認めてそれ以降は難癖をつけることがない。

そういう性格だ。

 

ヴァルト「芸術のことはよく知らんがな」

 

 芸術家は変人が多いというのは聞く話だが。などと付け加える。

 

レヴィアス「だとしても不審者対策で教官を一人つけるはいいが、氷鎖女殿では心配ではありませんか?」

ナーダ「なに? チビだから?」

レヴィアス「そうでなく……つまり、彼が黒幕の可能性も……」

ナーダ「うーん、それはないと思うけど……」

 

 最後の出発の班に、黒幕かも知れない氷鎖女が紛れている。

 往生際悪く、「無理!」と一生懸命ジェスチャーを送ってくる彼は、あまりに哀れで笑いを誘った。

 

ニケ「うん……なさそうだね……」

レイヴィアス「………………」

ヴァルト「ところで、さっきから何を踊っているんだ、あの男は。ふざけているのか?」

ニケ「……踊ってんじゃなくて、合図送ってんだと思うよ……」

 

 ヴァルトの空気の読めなさもある意味スゴイ。

 

ナーダ「心配ないわよ。ただの人形オタクのアホなんだから」

 

 言い切って、ナーダは監視室に戻ろうときびすを返した。

 他の教官たちもラストのチームが出発したのを見届けて、それに習う。

 裏切り者~!という氷鎖女の視線を背中に感じながら。

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