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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 28-12

フェイト「だったら態度、改めたら? 貴族全部がそうだと思われたくはないんでね」

メイディア「……っ!」

クロエ「ちょっと! どうして毎回そうなのっ!? 仲良く行こうよ」

 

 クロエが二人の間に割って入った。

 

クロエ「ね、クレスからも何とか言って!」

クレス「……ケンカしに来たの? ピクニックじゃないってんなら、そういう痴話ゲンカもどうにかした方がいいんじゃない?」

 

 先程チクリとやられたのを根にもって、クレスは自分のためにイヤミを返してやった。

 メイディアに関してはフェイトと同意見だったが、どちらの味方につくと言われたら、なんと、彼はメイディア側だ。

 傍から見たら驚くべきことに、クレスはメイディアが嫌いではない。


▽つづきはこちら

 普段は鼻持ちならない女と感じているものの、入学してしばらくたったときに偶然見てしまった一人隠れて泣く彼女の姿に同情したせいもあるかもしれなかった。

 やっぱり女の子なんだからあんまりひどいことを言ってはいけないんだ。

元のところは性質の穏やかな少年クレスは思っていた。

 クレスの言葉にフェイトは反論せずにうなづくと「そういうワケだ」と言ってメイディアの手を放した。

 ダレスはいやらしい笑みを浮かべて立っているだけ。

 氷鎖女は受験者一、まとまりがない班だと思って見ている。

 

ダレス「なぁ、知ってるか? アイツ、本当はお嬢様じゃないからよ、地位の高い奴とさっさと結婚しちまおうって腹なんだぜ?」

 

 こっそりと新しいチームメイト・ナツメに耳打ちする。

 しかしナツメは答えることもせず、まるでそこにダレスなど存在しないかのように振る舞って先に歩きだしてしまう。

 無視されたダレスは当然、面白くなさそうだ。

 

ダレス「ちぇー。このメンバーはお堅くていけねーよなぁ」

 

 つまらないと一人ぼやく。

 

メイディア「むぅ~っ。どうしてあの人はいつも意地が悪いのでしょう! 最低っ!」

クロエ「でも一理はあるよ、メイディ~。フェイトだってホントは心配してああ言ってくれてるんだよ?」

メイディア「“売女”だって?」

 

 ギロリと睨みつける。

 

クロエ「そ、それは言い過ぎだけど、でももう4人目だよねぇ?」

メイディア「何かいけないの? 断られてもしつこくしている方がいいと? だったらガーネット様に戻ろうかしら?」

クロエ「それはダメ! お兄ちゃんは私のだからっ!」

メイディア「ごらんなさいよぅ」

クレス「まぁ、いいんじゃない? 要は優勝すればいいんだからさ」

メイディア「うん、よくぞ言ってくれました、クレス! そうです。優勝してミハイル先生と挙式ですわっ」

 

 気分を持ち直してやる気満々のメイディアの背を眺めて、

 

氷鎖女『すまぬ。ミチ……ミハイル殿』

 

 こっそりと心にもなく謝ってみたりした。

 遠足気分もそこまでで、年老いた大木に仕掛けられた魔法の印が彼らの気配に反応すると、根元から土くれが盛り上がり、兵士の形を成して用意された敵が現れた。

 瞬時に高まる緊迫感。

 剣士二人が構えて、魔法使い二人が呪文の詠唱に入る。

 白魔術師であるにかかわらず、クロエも自前の剣を鞘から引き抜いた。

 彼女は騎士の家系の出身であり、青薔薇正騎士の兄を持つ。

自らも幼い頃からき込まれた剣を操るのだった。

 

クレス「今度はやらかすなよな、メイディア」

メイディア「ワタクシ、同じ轍は二度踏みませんの」

 

 土くれの兵士が次々と姿を整えてゆく。

 

クレス「上等っ!」

 

 叫ぶのと同時にクレスの杖から無数の氷のナイフが放たれる。

 それを合図に剣士たちが地を蹴った。

 

フェイト「クロエ、魔術師の守りは任せた!」

クロエ「任された!」

 

 素早く小気味よい返事が響く。

 

フェイト「1体に3人つく!」

ダレス「確実に1体ずつやってこうってんだな、OKだ」

フェイト「魔術師は他の敵の足止めを」

クレス「言われなくてもっ!」

 

 今回はフェイトの指示によって、各々が自分の役割を分担始める。

 前回、散々だったメイディアも学んだらしく、大きな魔法は使うつもりがないようだった。

 フェイトとダレスは互いに円を描くように1体の敵に一撃を刻んでゆく。

 その間に彼らに襲いかかろうとする敵の行く手をクレスのアイスストームが阻む。

 メイディアは魔力弾を地面すれすれに走らせて、敵の足元を爆破してゆく。

 ナツメは……

 

氷鎖女『さて、どうしたものか』

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