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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 28-14

 薔薇の騎士団に継ぐ国内2番目の軍事力を持ち、魔物が攻めてくるのに絶好の山間に公国を構えている勇猛な女王の臣下だ。

 

ダンラック「私も薔薇の騎士団の卵たちを見てみたくなりましてな」

 

 数人の懐刀を従えて教官室の椅子に腰を落ち着けた。

 木製の粗末な椅子が重量に耐えて苦痛な悲鳴を上げる。

 

ニケ「養成所は外からの干渉は………………」

ダンラック「ホホホ。それはご心配なくぅ~。陛下から許可をいただいておりますのでねぇ~」

 

 暑くもないのに額の汗を拭っている様子にナーダは密かに眉をひそめた。

 脂肪ダルマは趣味じゃない。


▽つづきはこちら

ダンラック「私は陛下へのお目通りの帰りでしてねぇ。せっかくだから見学していこうと思ったワケですー……」

 

 見学と言いつつ顔はナーダに向けられている。

 ねっとりとからみついてくる熱視線に悪寒を感じずにはいられない。

 

ダンラック「おやおや。これは美しい、薔薇の騎士ですね。女性の赤薔薇とは珍しい。どうですかな? 今夜辺り、私めと二人で食事というのは?」

ナーダ「……………………」

 

 視界を遮るようにしてヴァルトが一歩進み出る。

 

ヴァルト「申し訳ございませんが、現在は試験の最中でして。試験官室は関係者以外立ち入り禁止となっております。……お引き取りを」

ダンラック「陛下からの許可があるのですよ」

ヴァルト「では目的以外のことをなさらないで下さい。我々は試験官ですので、この公務を妨害されるというのであれば……」

ダンラック「わーかった、わかった。わかりましたよ、まったく」

ダンラックの付き人「中隊長ごときが閣下に無礼な口を!」

ダンラック「良い。そこの中隊長の言うとおりである」

ヴァルト「ご理解いただき、ありがとうございます」 再び敬礼。

ダンラック「すみませんねぇ。無理を言って」

 

 それにはもう答えず、教官たちはそれぞれまた壁に映し出される映像に目を向ける。

 普段は軽口が飛び出すところだが、お偉いさんの手前上、私語は慎んで真剣に点数を増減していく。

 しばらくするとダンラックはアイビーに耳打ちしてきた。

 

ダンラック「私の可愛い子猫ちゃんはどの娘だね?」

アイビー「? 子猫?」

ダンラック「メイディア=エマリィ=シャトーという私のフィアンセです。金髪の美少女というから……アレですかね」

 

 画面に一瞬大きく映ったシラーを指さす。

 

ダンラック「胸の大きさといい、揺れといい、実にいい!」

アイビー「いえ、それならあっちの……」

ダンラック「んん?」

 画面の中のメイディア「オーッホッホッホッ! ワタクシに逆らうからこんなことになる…………ッへぶあっ!?」

 

 1体倒して勝ち誇っているところに、土くれの兵士が飛び込んで来て腕を振り、メイディアはきりもみ状に飛んで顔面着地していた。

 突き上げられたお尻。

スカートがめくれ上がって、色気のないカボチャパンツが丸出しだ。

 

 画面の中のクレス「油断してんなよっ!!」

 同じく、画面の中のクロエ「きゃあ、メイディッ!」

 

 画面の中の氷鎖女は薄情にも笑い出しそうになって口を抑え、小刻みに震えていた。

 

ダンラック「………………………………」

 

 やがてメイディアがゆっくりと起き上がり、鼻血を袖でふき取る。

 

メイディア「100倍返しですっ!!」

フェイト「……終わったよ……」

メイディア「なぬぅっ!? ムッキャーッ!!」

ダンラック「…………………………………………美少女?」

アイビー「……一応、そう呼んでも差し支えない程度には」

ダンラック「……ふぅん。まぁいいでしょう。薔薇の騎士になろうとその身一つで飛び込んだというからにはとんだおてんばさんだとは知っていましたからねぇ。……おや? あのとなりの女の子はなんというのでしょう?」

 

 クロエを指し示す。

 

アイビー「ええと……誰だったかな?」

 

 少し考えたが、話題の人物というワケではなかったので、アイビーの覚えにはなかった。

 知らないと降参する。

 温和に見えたダンラックの瞳に一瞬だけ鋭さが走ったが、すぐに元通り。

あっさりと「そうですか」と引き下がった。

 

ダンラック「して、あの黒髪は? ……よく顔が見えませんね」

 

 ナツメとなっている氷鎖女を示す。

アイビー「さあ、あれも覚えがありませんね」

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