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レイディ・メイディ 22-3
2008.02.09 |Category …レイメイ 21-23話
告白を受けていた少年……ならぬ、少女・レイオットは、目の前の少女と静々と立ち去ろうとするメイディアとを見比べた。
レイオット「まっ……待ってメイディ……!!」
彼女の心を一瞬にして奪ったのは、ステキなトカゲとヘビの存在だった。
薔薇騎士レンジャーゴッコがしたい!!
レンジャーゴッコにかかせない存在!!
それは悪役をやってくれる相手だった。
薔薇騎士レンジャーファンクラブは会長のレイオットと副会長メイディアの二人。
会員大々々々々々々……募集しているのだが、ちぃ~っとも同士が現れないのだ。
……当たり前と言えばそれまでだけれども。
それで二人しかいないとなると、ゴッコ遊びをするにはどちらかが悪役を演じなければならないのだが、二人が二人とも正義の味方役を譲らないという大人げのなさ!!
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順番? ジャンケン?
……そんなものは通用しない。
常にヒーロー役をやりたいのが彼女たちレイオット&メイディなのであるッ!!
で、必然的に必要になる悪役。それはある日はカマキリ怪人であり、ある時はトカゲ・キラーでまたあるときはザリガニータ……だったり色々だ。
もちろん、本当にやっつけたりはしない。
こちらにまったく興味のない悪役俳優(!!?)たちが思い思いの方向へ逃げていってしまうと、なりきりレンジャー2人は勝ったつもりになってキメポーズをするだけだ。
この行動が楽しいのかどうか、周りからではとても理解し難い。
んが、創造力をフルに使ってマイワールドを作り上げれば、ただのザリガニは立派な怪人になってくれるのだ。
その遊びの相方が両手に悪役俳優たちをつれていたのを見て、レイオットは心の中で叫んだ。
本日、薔薇騎士レンジャーショウ、2本立て !!?
今すぐ行きたい!! 参加したい!!
あせる気持ちが言わせた台詞が、
レイオット「まっ……待ってメイディ……!!」
少女「!!」
レイオットの複雑な……本っ当に常人の理解範囲から遥か彼方まで飛び出した複雑な心境(しかも理解したくない)をわからない少女はそれだけで自分の恋が破れたのだと悟った。
麗しのレイお姉様は、あのメイディア嬢が好きなのだ。
自分と二人きりでこの薔薇の園にいることを目撃されて、少なくとも彼女はあわてている。
レイオット「あ~……行っちゃった……」 ぼそ……
『薔薇騎士レンジャーゴッコしたかったのに……。いや、でも今はそれ所じゃないわね』
ちょっとくらい待っててくれてもいいのに、という不満を打ち消して少女に向き直る。
レイオット「ごめんなさい……私 ……」
少女「レイ様………………言わないで下さい。私、わかりましたから……レイ様の気持ち」
レイオット「えっ!? あ、アレはっ」
『嫌だ、私ったら!! このコは勇気を振り絞って気持ちを伝えてくれたのに、私ときたらレンジャーゴッコのことばっかり!! あまつさえレンジャー好きを見破られるなんて!!!』
少女「もう何もおっしゃらないで……」
『レイ様は……メイディア嬢がお好きなんだ !!』
レイオット「ごめん……君を傷つけるつもりじゃなかった……。でも……許されることじゃないわね」
『相手が告白してきてるのにレンジャーゴッコなんて……!!』
少女「お気になさらないで下さい。私、大丈夫ですから。さよならっ」
レイオット「あっ!!?」
少女『さよなら、私の青春!! さよなら、私の好きな人!! さよなら、麗しのレイオット様……!!』
涙を散らして、走り去る少女。
レイオット「……ただ言いたかっただけで、私の返事はいらなかったのかしら……??」
いると言われてもお付き合いはとてもできそうにないが。
薔薇の園では、かみ合っていない展開に陥り、一方的に置き去りにされたレイオットが立ちほうけていた。