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レイディ・メイディ 18-18
2008.01.07 |Category …レイメイ 18話
贈られたプレゼントやドレスをまとめて火を放ち、屋敷のてっぺんに登ってわめき散らした夜のことだ。
年の終わりを祝うパーティーには一緒にいてくれると前々から約束していたのに、父も母も別々の用件が入り、出掛けることになったあの日のこと。
雪が降っていて寒くて、けれど彼女は部屋着のまま裸足で屋根に上がった。
降りて来なさいと叫ぶ両親。
しかし彼女は家にいてくれないなら降りないと仕事で時間のない父と母を引き留めようとしていた。
あのとき、父がため息をついて「じゃあ勝手にしなさい。メイディの気が済むまでずっとそこにいたらいい。けれどお父様は行くからね。お仕事の方がお前のワガママに付き合っているより大事なのだから」そう言い残して馬車に乗り込んで行ってしまった。
▽つづきはこちら
母も一応は「貴女に万一のことがあったら困るから言っているのですからね」とフォローはしたものの、後のことは使用人に任せて彼女もまた馬車に乗り込んだ。
その後、メイディアは屋根の上で遠のく2つの馬車の明かりが見えなくなるまで見つめ続けていた。
頭や肩に雪が積もっても気にはならなかった。
それよりも自分は呆れられて見捨てられたんだと悲しくなったものだ。
ちょうど現在の気持ちとよく似ている。
大好きな両親の時と心の痛みは比較にならなかったけれど。
翌日から、言われた通りおとなしく、最後尾をトボトボとうつむいて歩く。
敵が出ても結界以外の魔法は禁止。それも自分を守るときだけに限られる。
あとはぼんやり観戦を決め込むのみだ。
皮肉なことに彼女がおとなしくなってから、スムーズに事が運ぶ。
それは周囲はもちろん、彼女自身にもわかってさらに自分が足を引っ張っていた事実を今更ながら実感するしかなかった。
観察をしていてわかったことだが、戦闘中はクロエが全体を後方から見て状況を把握しており、それを受けてフェイトが前線の者たちに的確な指示を飛ばす。
セルゲイとダレスは指示に従い、見事な連携プレイを見せつけ、残ったクレスは一人誰の指図も受けずに魔法を繰り出すが、これはこれでメイディアの勉強になった。
……基本中の基本なのだが、こういった狭い場所、足場の悪い場所では広範囲にわたる魔法は避け、敵1体を狙いすました一撃必殺の魔法を選ぶべきなのだ。
甲斐甲斐しく手当や回復魔法をかけたクロエに自然と人望は集まり、戦闘の空気をつかむ能力に長け、また白魔術師ながらにピンチとあらば剣もとれる勇敢な少女に信頼も高まっていく。
クレスは人間的にはホメられたものではないものの、実力は皆が認めるところであり、頼れる存在だということを見せつけ、フェイトは指揮官クロエの言葉を形にする有能な右腕としての役割を自然とこなすようになっていた。
そこにメイディアの入る隙はどこにもない。
いくら机の上の勉強ができても、理論がわかっていても、個人戦で勝利を収めても、実戦で役立たないのでは仕方がないのだということを改めて思い知らされた。
剣を扱い、白魔法を駆使し、男共を自然な形で押し付けがましくもなく従わせるクロエはいかにも格好良く、普段の成績が平凡で目立たないのが不思議なくらいだった。
おまけに優しい性格で、本当におとなしくなってしまったメイディアを気遣う態度がよく見てとれた。
クロエ「少し……アレかな……言い過ぎちゃったのかな。ここのところ返事はするけど自分から口を開かないし……」
フェイト「いじけてるんだろ」
●Thanks Comments
遅ればせながら今年もヨロシクね☆
おかえりメイちゃん☆
箱君もシリアスな和モノで面白かったです!
京次、ヒサンな目にあったのに救われないのかしら…。
お焔が、絶対ツンデレなんですよ(すんません!!)成り行きで夫婦になったものの、響の事、絶対スキな筈なんですよ!(キャ☆)
冷たい態度の中に、愛が見え隠れ…(照)
みゆき殿はテラ恐ろしいオナゴです…ガクガクブルブル。災いあれ~!(>ω<)
ヨロシコ。
感想、ありまとうでした。
あんまりいみわかんなかったでしょう、すまんこってす。
箱君、本編はギャグ満載でしたけどね; 相変わらずの作風だから。
アレはツンデレなの?! そうだったのか……
違ったのか~
物語の全体像は見えなくても別に良いのです、妄想要素がちらほら蒔かれていればw
本編、ギャグ満載なんだ!?
そっちにオドロキ☆