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レイディ・メイディ 18―19
2008.01.08 |Category …レイメイ 18話
クレス「お前のせいじゃん」
ちょっと可哀想になってきたクレスが反発する。
フェイト「俺は本当のことを言ったまでだ。他人に言うより前にお前はどうなんだ」
クレス「う……」
確かにクレスも腹を立てていたので彼女に対して何か言った記憶はある。
クレス「けど、何もすんなとは言ってナイからね!! バカにバカって言っただけだ」
フェイト「同じだろ」
クレス「同じじゃない」
クロエ「やめてよ、二人とも。でも……そうね、クレスの言うのがもしかしたら合ってるのかも……。おとなしくしててって言ったから気にして静かにしてるのかもしれないし……何か頼み事してみようか?」
フェイト「ご機嫌とりまでいちいち必要なのか」
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クロエ「フェイト……どうしてそんなに意地の悪いこと言うの?」
フェイト「俺は別に意地悪で言ってるんじゃない。ただ、彼女を仲間として扱うなら、そういう甘やかせは違うだろって言いたい。彼女は自分でなんとかする術を覚えるべきだ。誰かが声をかけてくれる、何かをしてくれる、フォローしてくれる、守ってくれると思っている以上、薔薇の騎士を目指すのはおこがましい」
クロエ「正論ね。でも、それだけじゃないでしょ、人間は」
クレス「クロエ……」
クロエ「だって、お兄ちゃんの上官のジャックさんなんか欠点の中に長所があるようなナイようなカンジの人だけど、ちゃんと小隊長してるんだから世の中不思議だって兄ちゃん言ってたもん。迷惑大王で部下が後始末に走り回ってるけど、意外と慕われてるっぽいんだから。私も大好きよ。面白いし!!」
自信満々に言い放つ。
フェイト「……………………」
クレス「えーっ……と……。ク、クロエ?」
『フォロー……なの? それって……。ねぇ、フォロー?!!』 びくーんっ!!?
クロエ「どう?」
フェイト「どうって……何が言いたいのかさっぱりわからないんだけど……」
クロエ「要するにちょっとくらいアレでも仲間同士でフォローし合えば団欒仲良し家族ってことよ」
フェイト「ハァ?」
クロエ「“ハァ?”じゃないの!!」
険悪になりかけた場を引き取って、
セルゲイ「や、でもさ、そんなに深刻になることもないと思うんだよ。ホラ、そろそろ疲れのピークだし、それで口数が少ないだけだと思うんだけど……どうかな?」
ダレス「ああ、それはあるかもな。そうでなくともお嬢様は体力がないだろうし、疲れて歩けないおんぶして~とかって、しゃがみこまないだけでもいいんじゃねーの? てっきりそうくるかと思ってたけどな」
フェイト「……それはあるな。今のところは自分で歩いてる。その辺は評価してやってもいいけど」
本当ならそれが当たり前で、褒める所でもないのだが……と思ったが、それは言わなかった。
フェイトとて、別に悪く言いたいワケではない。
彼女の甘えが許せないだけだ。
屋敷の中でワガママ言っている分には一向にかまわないが、彼女は誉れ高き薔薇の騎士を目指しているのだから。
チーム全体に迷惑をかけて、気を使わせているのならいない方がマシだ。
本人にとってもその方がよほど気楽なハズだ。
何を思ってこの養成所に来たかは知らないが。