HOME ≫ Entry no.189 「レイディ・メイディ 18―20」 ≫ [194] [193] [192] [191] [190] [189] [188] [187] [186] [185] [184]
レイディ・メイディ 18―20
2008.01.09 |Category …レイメイ 18話
メイディア『何だって言うの。この距離なんだから、少し離れているけど聞こえないとでも思っているのかしら』
クロエの優しさやなぐさめはメイディアの反抗心を誘発した。
彼女が自分を見下して言っているのではなく、純粋に心配してくれているのだということは重々承知していたが、素直に受け入れることはできなかった。
受け入れてしまえば、すがったことになる。
それで機嫌が直って良かったと皆が胸をなでおろす様子など見たくなかった。
自分はそんなことをされなくても平気なのだとアピールしているのである。
だが、これも裏目として現れてしまい、せっかくクロエやセルゲイが和解を求めてきているのに突っぱねるメイディアは心が狭くて高慢なお子様にしか見られなかった。
逆に歩み寄ったのに冷たくされてしまったクロエの方が周囲になぐさめられる結果になっていたが、それでもメイディアは依然として態度を改めない。
そんな中でクレスだけはメイディアの気持ちもわからなくはないと密かに思うのであった。
彼も一匹狼タイプでそれでいて寂しがりな部分も持ち合わせている。
つっぱねていても本当は自分を理解して欲しいと心の奥底では願う。
なのに、つまらないプライドが邪魔して素直になれないところも少し似ていた。
▽つづきはこちら
とうとう頂上に到達したG班はナンバープレートを手に入れることに成功。
残りはわずかで一同、一安心である。
しかしこれで喜んではいられない。
ナンバーを手に入れてまだ半分。折り返し地点に立ったに過ぎない。
スタートダッシュで大幅に遅れをとった彼らだから、高得点を望むなら行きの倍は速く進まねばならなかった。
行きは幸いにも雨に降られずに済んだものの、帰りもそうだとは限らない。
しかもナンバーを取れなかったチームや取れないだろうとすでに予想しているチームが途中、横取りをしようと襲って来ないとも言い切れない。
クロエ「目的の半分は達成ね。ここから先はいかに速く安全にゴールまでたどり着くかだけど……ここで一つ提案があるの」
全員がクロエを注目する。
クロエ「たった数日だけど、今まで色々あったじゃない? 初めてのチーム戦だし、皆が皆気心知れた友達というワケじゃなかったでしょ。でもここまで来れた。後一息だから、チーム一致団結しない? ホラ、メイディアもフェイトも私も……ここのところぎこちなかったし。そういうの全部ナシにしましょうって」
メイディア「ワタクシは別にケンカした覚えはございませんから、改まってナニということはございません。ええ、何も」
フェイト「同じくだ。俺も別にケンカした覚えはないし、ぎこちないつもりもなかった」
クロエ「エエッ!!? そうなのっ!!? 気にしてたのって私だけ!!?」 ガーン!!?
セルゲイ「いや、そんなことないって。いいと思うよ。仲良く行こう」
クロエ「だよね、だよねっ!!? よかったぁ~。じゃあ、友情のエイエイオーをやろっ」
セルゲイ「え……いや……それはちょっと……」
クロエ「そんなぁ、嫌なの?」
セルゲイが返答に困っていると、
クレス「恥ずかしいから嫌だよ、そんなの。バカみたいだもん」
クロエ「じゃあ“ホイホイホー”は?」
クレス「言葉をかえてもダメ。何が友情だ。バカ言ってないで先に行くよ」
クロエ「なーんでぇ~? クレスったら照れ屋さんなんだから」
クレス「うるさい」
クロエ「あ、皆も……待ってよ」
友情のエイエイオーはあっさり却下されてしまう。
チーム団結を誓う良い方法だと思ったのに……。クロエはガッコリした。