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人形館の殺人 著:綾辻行人
2013.09.24 |Category …映画・小説・漫画等の紹介・感想
ここのところ、ハズレ引きまくりのゼロですが、久々にワクテカしながら読んだものもあるんです!(笑)
ミステリ好きならほとんどの人が読んでいるのではないかという大御所・綾辻さんの本。
超今更ながら読んでみました。
館シリーズは順番があるようなんですが、それすら知らなかったので(笑)古本で目に付いた物をそのまま読んでしまいました。
順番に読んだ方がいいとレビュー見ると皆さん、おっしゃっているのですが、このラストはちょっと……ゲフンゲフン……だったので、コレを先に読んじゃって良かったなと。
他のを読んでファンになってしまって、期待満々に読んでいたらここまで楽しめなかった可能性も?
自分としては素直に面白かったですけどね。
先入観なく読めたのが良かったと思う。
館シリーズは全部読んでみようかな♪
久しぶりに楽しみです☆
しかし! ブックオフ覗いてみたら、中古のクセして高い!!
しかもむか~しに出たやつなのにぃ。シクシクシクシク。
1990年代に発行された本なのになんで450円もすんねん!!(爆)
簡単にあらすじ。
身体の弱い主人公の想一は、芸術家であった父が亡くなり、その遺産を受け継ぐことになる。
早くに母と死に別れ、叔母夫婦に預けられて育った想一は父が自殺だったと聞かされても何の感慨も持てなかった。
養父だった叔父も前に亡くなっており、「お母さん」と呼ぶ叔母と二人、父が遺した屋敷に移り住むことになったのである。
屋敷は母屋が日本のお屋敷となっていて、廊下でつながった先が洋館になっている。
洋館はアパートとして部屋を貸しており、古くからこの家に仕えていた老夫婦が大家として世話をしていた。
母屋と洋館の両方にあちこちマネキン人形が設置されている。
そのマネキンたちはそれぞれ身体の一部が欠けており、不気味。
顔はどれものっぺらぼう。
それらは父の作品であり、何故のっぺらぼうなのか、何故一部欠けているのか、何を想って作ったのか全くわからないシロモノ。
遺言としてそれらをその位置から動かしてはならないと戒めている。
一体、何の意味があるのだろうか。
不気味に思いながらも生活していくうちに慣れて、気にならなくなってくる。
父がアトリエとして使っていた土蔵を想一も同じくアトリエとして選んだ。
彼もまた絵を生業とした芸術家であった。
ただし、出来た作品を売るでもなくただただ自分のためだけに書いているので、画家といったところで自称に過ぎない。
そんな彼のアトリエである日、事件が起こる。
父が作ったであろうマネキンたちがそのアトリエにはまだ沢山遺されていた。
さすがに気味が悪い。が、捨てるに捨てられず、端っこに寄せて布をかけておいのだ。
その中の1体が殺されていた……!?
血のような赤を塗りたくられた人形が椅子に座らせられていたのだ。
実際に人間が殺されたわけではないが、実に不快なイタズラである。
一体、誰が何のためにこんなことを!?
「お母さん」がこんなことをするわけがない。
すると洋館に部屋を借りている住民の中の誰かの仕業だろうか。
想一はアトリエの鍵を新しくして、洋館と行き来できる廊下も封鎖してしまった。
これで一安心と思いきや、今度は別の嫌がらせが……!
ポストに割れたガラスの破片、玄関の前に毎日、大き目の石が置かれる。
ガラスは明らかな悪意が見えるが、お母さんが発見した石はどうだろう?
ガラスは何も考えずにポストに手を入れた想一が怪我をしてしまったが、石を置いて何か危害を加えられるということもない。
こちらは小学生のイタズラだろうか?
不審に思っていると差出人不明の脅迫状が届いた。
「思い出せ」と想一に何かを迫る言葉を投げかけてくる。
思い出せ、とは何か?
それがこの嫌がらせと関係しているに違いなかったが、心当たりはない。
嫌がらせは回を重ねていくごとに悪化していき、自転車のブレーキが切られているのに気づかず乗って危うく事故になりかける。
玄関前の石はなくなったが、代わりに頭をつぶされた猫の死体が置いてある。
そして第二の人形殺害事件が起こった。
アトリエの鍵を替え、廊下も行き来できないように鍵をかけてしまい、母屋を自由に出入りできるのはお母さんと自分だけだ。
しかもアトリエの鍵は自分しか持っていない。
なのに端に寄せておいたはずの沢山の人形が中央に引っ張り出され、以前と同じように血のような赤で染められていたのだ。
一体、誰が、何のつもりで……!?
……というようなカンジで進んでいきます。
以下、超ネタバレなのでこれから読もうかなという人は、絶対に読まないで下さいw
▽つづきはこちら
同時進行でときどきまた被害者が出て、連続殺人となっていきます。
この辺がミスリードというかそんなカンジなんでしょうね。
主人公の想一が可哀想なんですよ。
芸術家で変わり者だった父からは見向いてもらえず、叔母夫婦の下で育つのですが、二人には子供がいなかったので超可愛がってもらえているんです。
でもそれには裏があって、本当のお子さんは幼い頃に死んでしまっていて、叔母は想一に自分の息子の生まれ変わりなんだと言って可愛がっているんですよ。
オイオイ……代わりかよ。そりゃねーべさ? そう思ってても本人に言っちゃダメ! とか思いましたよ。可哀想にのぅ。
嫌がらせが続き、密室での人形殺人?事件が起こり、その都度送られてくる脅迫文。
これに追い詰められていくワケですが、見事に皆が怪しいんですよねー(笑)
洋館の住人たちも主人公を助けてくれる旧友もヒロインとして登場した女子大生も。
皆それぞれ怪しい。
我は最初に犯人かなと思ったのが結局正解だったんですけど、いや、まさかそれは反則じゃね? とその案をすぐポイして別の容疑者にアイツかな? コイツかな? と目を向けてしまいました。
途中でやっぱり最初に疑ったヤツかな? と何度もそこに戻ってしまうのですが、イヤイヤ、それはズルイでそwwってなってしまって……の繰り返しでした。
そして最後のどんでん返しで、ガヒーン!?
エエッ!? いいの? それ、いいのっ!?
目が点になっちゃいました(笑)
何ていうんだろう?
例えるなら、夢オチ。
や、夢オチじゃないですよ? さすがに(笑)
だけどミステリとしては、それに匹敵する反則ワザ?というか……
それでこの作品は他の館シリーズに比べて皆さんの評価が分かれるところみたいなのです。
でも自分は別に嫌ではありませんでした。
これはこれでこういう話だったんだな、と素直に受け入れることが出来たので十分楽しかった。
最初に言った、この作品から読んでよかったとはこれが理由です。
夢オチに対しても反感持ってないですしね(笑)
なのでこんなオチでもいいじゃんって。
十分、ミスリードで振り回されましたしね。
結果的に最初に犯人当てたことにはなるけど、それをポイしているワケですから、見事にだまされたってことで。
「ハァ?! ナニソレ!? ズルイじゃん!! ムカーッ! 読まなきゃ良かった! 時間と労力返してよ!!」てなことには全然ならなかったです。
まぁ、オチの説明でちょっと想像してウケちゃったけどねwww
うん、それでもいい。
主人公の想一と旧友・架場が好きでしたね、登場人物の中で。
再登場して欲しいなぁ。
久しぶりに読書が楽しめて本当に良かった。
前の2冊が挫折してしまったので、だいぶ読書する意欲が低下していたんですけど。
あっ、個人的な趣味でちょっと残念だったのは、「人形館」の人形がマネキンだったこと(笑)
読む前のイメージでは、勝手に日本人形とかフランス人形とかを想像していたものでw
……とか何とかノロノロ書いている間にもう一冊読み終わりました。
熱が上がったり下がったりで寝ているので、読書が進みます。
いいんだか悪いんだか=3