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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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紅白イメージ2

本当はイメージイラストしたかったけど、ブログにどうやって載せたらいいかわかんないので文字だけで(^_^;)
紅白で顔だけだけど描いたおかげで少しリハビリできたかも。
イラリク描こうとしたら久々過ぎてなかなか調子でなかったから、こっちを先にリハビリ気分でやろうと思ったのがよかったみ

たいだ。
少し良くなった気が(^-^)

[ヒューゴとライディス]
 あれは6年前。
 俺がまだ20歳だった頃の話だ。
 初陣は15だったから、戦歴は5年。
 それなりの武勲も立てて、この若さにしては群を抜いていた。
 だが、配属されたところが悪かった。
 何の功績もないが、ランカスター縁の世間知らずがそのとき、我らの軍を指揮していた。
 兵隊人形の玩具でしか戦争をしたことのない奴がな。
 これがまた、机上の空論ばかりを振りかざす困ったちゃんでな。
 そんな作戦ダメだっつーのに推し進めやがる。
 実際に戦うのは俺らなワケ。
 だから、そこでだけうなずいておいて、実戦ではこっちでテキトーに臨機応変してりゃー良かったの。
 ところが、俺もまだ若かったし(今でも若いけどね)、真面目で血気盛んだったから、それは現実的に無理だと指摘しちゃっ

たりしたワケ。
 そしたらまー、やたらと嫌われちゃってね。
 年齢も近かったから、元々ちょっと気に食わなかったんじゃない?
 ほら、俺、ちょっと話題の青年騎士だったから。
 それはさておき。
 まぁ、お偉いさんに逆らうと死期が早まるワケだ。
 戦場の最前線に毎回、ホイホイ送り込まれてしまうんだわ、これが。
 どんなクズでも偉い人に逆らっちゃダメだってこった。


▽つづきはこちら


 俺もすぐに後悔するときが来た。
 戦場の斬り込み隊長に任命されたことじゃない。
 それは名誉だと思っていた。
 チャンスだってな。
 けど、やっぱり指揮が悪い。
 方針がコロコロ変わるわ、矛盾しているわ、命令が行き違うわ、決断は遅いわ、攻め時を逃すわ、包囲すればすむのにやらな

いわ。
 要するにシロウトなんだよ、シロウト!
 そのお陰で勝てる戦も勝てやしない。
 当然、敗戦さ。
 ヨークとの戦いにおいて今後、重要な意味を持つ領土だったんだが、浮き足立った状態じゃどうにもならん。
 撤退を余儀なくされた俺たちが引いてくると、案の定、奴はカンカンだった。
 お前の采配が悪いんだよって言葉は一応飲み込んで、俺たちは申し訳ありませんと頭を垂れるしかなかった。
 何でもかんでも目下の者に責任を押し付けるこの大将のご機嫌をとるのは容易じゃない。
 下の者はいつも戦々恐々としていなければならなかった。

「この役立たずがっ!! お前を任命した私の采配が間違っていたわ! このっ、このっ!」

 跪く俺の頭上に肩に腹に、ヒステリックな蹴りの嵐が見舞われた。
 いつものことだ。

「そろそろその辺でよろしいのではありませんか?」

 奴の副官として傍に控えていた若造・・・とはいえ、これまた俺と代わらぬ年頃の青年が、そっと助け舟を出してくれた。
 彼の名はライディス=オースティン。
 そう。
 後に紅い雷(いかずち)と全土から恐れられる武将に成長するあのライディス様だ。
 正直、俺はこのとき、この一つ下の青年が好きではなかった。
 この大将と同じくランカスター縁の者で、それまで大した実績も無いのに血筋の力だけで副官の地位に納まっていたからであ

る。
 俺は中身の無い者に従う気なんてさらさらなかったから、彼のことも当然、気に食わなかったわけだ。
 その彼が珍しく助けを出してくれたのに、俺はそれを無にした。
 唾を吐きかけられてつい睨み付けてしまったんだな。
よせばいいのに。
 しかも「テメーのせいだろ」ってちょっと呟いたつもりがバッチリ聞こえちゃってなー。
 いやはや、口は災いの元ってな。
 殴られる、蹴られるなどのことはあるだろうと覚悟はしていた。
だが、まさか。


 みんなの見ている前で、俺は絶叫していた。
 のた打ち回るたびに血がそこらに飛び散って。

「わかったか! 私を侮辱する者はこうなるのだ!」

 奴の嘲笑が響き渡り、悪魔の笑い声に聞こえた。
 カッと燃えるように熱かった。
 目が。
 目が。
 俺はただ、叫んで転げまわり、たぶん、泣いていた。
 右目をナイフでくり貫かれたのだ。
 痛みに耐えかねて地を引っかく俺の前に、奴の憎憎しげな顔が落ちてきた。
 ・・・文字通り、落ちてきたんだ。
 一瞬、何が起こったのかわからなかった。
 痛みを忘れて涙に濡れる残った左目で、ピエトロ=ランカスターの胴から切り離された頭を見つめた。
 遅れて首を失った胴体が崩れて横たわる。
 続いて、上から衝撃の声が降ってくる。

「ピエトロ様は名誉の戦死をされた!」

 何?
 何だって?
 俺は混乱する中で必死に事態についていこうとしていた。

「よって、以後の指揮はこの私、ライディス=オースティンが引き受ける」

 青年は自らの剣を振って新しく吸った血糊を払い、高らかに告げた。
 瞬間的に凍りついた空気を誰かの声援が割った。

「ラ・・・ライディス様っ!」

 一人が叫ぶとそこから伝染するように歓声が広がってゆく。

「ライディス様! ライディス様!!」
「オースティン様、万歳!!」

 俺は遅れて理解した。
 この青年が、軍を預かる総大将の首を刎ねたのだということを。
 そして、この部隊の人間の心を瞬時につかんだということを。
 誰もが理に適わない命令に従わされて辟易していた。
 お坊ちゃんの戦争ゴッコで無駄死にさせられることに絶望を感じていたのだ。

「敗戦の責は私が負う。だが、この雪辱を晴らすのも我々だ。皆のもの、胸を張れ。凱旋する」

 歓声が静まると、彼は言った。
 負け戦なのに、「凱旋」だと。
 凱旋とは、戦いに勝って帰ることを指し示す言葉だというのに、だ。
 このとき、彼に惚れなかった男はいなかっただろう。

「立て」

 促されるままに俺は立ち上がった。
 情の欠片も見出せない、猛禽類の目をした若い剣士は長いマントを揺らし、ひらりと身軽に馬に跨った。
 振り返ることもなく、片目を失った俺に対する労りなどなかった。
 だが、俺はこの人についていこうと決めた。


 敗戦を余儀なくされた我々が帰途に着くと若いライディス様を待ち受けていたのは、査問会だった。
 勝利は確実と言われながら敗走した、今回の責任を問われてのことだった。
 しかもランカスーの血筋である総大将を失っておめおめ戻ってきたのだから、厳しい追求は免れない。
 無能者を嫌う公爵に首切り処刑を言い渡され、誰もが青ざめたというのに彼はしゃあしゃあと言ってのけた。

「公爵様の人事に問題があったのでございます。無能者とおっしゃるならば、ピエトロ様と・・・・」
「黙れ!!」

 残虐公の名をほしいままにするブノワ公爵が一喝した。
 ピエトロから逃れても、公爵から逃れられるわけがない。
 しかも今、この人、なんて続けようとした!?
 俺の解釈が間違っていなければ、無能者はピエトロと、こっ・・・公爵って・・・そう、言おうとしていたんじゃないのか!


 とんでもないっ!!
 首切りだけじゃ済まないぞ!?
 死よりも恐ろしい拷問に掛けられるっての!
 ああ、やっぱりこんな人についてくるんじゃなかった!!
 早くも後悔の嵐。
 ライディス様の次に位の高かった俺も同席させられており、恐怖に身をすくめた。
 査問会に参加していた名だたる武将たちも顔色を変える。
 そりゃそうだ。
 経験も実績もない若造が、無礼極まりない発言をぶちかましたのだから!
 そんな周りに走る緊張もお構いナシに彼は続けた。

「私に軍を貸し与えていただければ、今度の借りをそっくり返しておつりがくるまでに完璧な勝利を献上してご覧に入れましょ

う。同じ条件ならば、力の差がよくお分かりになるはずです」

 公爵相手にここまでの大口を叩ければ、嘘であっても大したものだ。
 効果あってか、公爵は怒りの矛を一先ず納めてくれた。

「ライディス=オースティン」
「ハッ!」
「それほどまでに言うのであれば、一度だけチャンスをくれてやろう」
「ありがたきお言葉・・・」
「ただし!」

 ライディス様が礼を述べる前に、公爵は声を張り上げた。

「もしも失敗したらどうする? 何を賭ける? ここまでの大口をワシに対して叩きつけたのだ。もはや貴様の首だけでは収ま

らんぞ」
「では、我が一族の全てを」

 議会全体がざわめいた。

「一族の全てとは?」

 鋭く無慈悲な公爵の問いに若き騎士が答える。

「オースティンの領地、そして一族全員の命。無論、女子供に至るまで」
「オースティン様!」

 思わず俺が叫んだ。
 だが、ライディス様は振り向いても下さらなかった。


 軽々しく重い約束をとりつけ、我らは査問会から開放された。

「オースティン様、今からでも間に合います! お許しを乞いましょう!! もし万が一にでも失敗したら、どうなさるおつも

りですか! 何も与り知らない女子供までが巻き添いに・・・!」

 城の廊下を颯爽と歩くライディス様の後を追う俺は、どれだけ青ざめていただろう。
 ふいに前を行くライディス様が足を止め、横に道を開けて黙礼をした。
 気づけば、12、3くらいの美しい少年がこちらに向かってやってくるではないか。
 俺はそれが誰だかわからなかったが、この城を我が物顔でのし歩いている子供だ。
 公爵の血筋であることだけは確かだろう。
 少年は我らの前まで来ると大人びた笑いを浮かべて立ち止まった。

「ライディス、聞いていたぞ。ずいぶんな大見得を切ったな」
「大見得? とんでもない」

 ライディス様が静かに頭を下げる相手。
 これが幼き日のチェスターだった。

「私はお前が好きだ、ライディス。必ず勝って戻ってこい」
「はい」

 短い会話を終えて城から出たライディス様と二人きりになってから、俺はもう一度、思い直すようにと頼んだ。
 自信過剰なお坊ちゃんの寝言にしか聞こえなかったのである。
 これではピエトロと変わらない。
 奴だって、きっと大きなことを言って、勝つ気で戦に臨んだに違いないのだ。

「オースティン様!」
「うるさい奴だな。勝てる。私には見えるのだ。戦場が上からな。チェスの盤の目のようによく見えるのさ。だが、勝つために

は貴公の力が必要だ。力を貸せ、アトリー」
「・・・ヒューゴと・・・ヒューゴとお呼び下さい、オースティン様」
「それは了解の意だな? わかった、ヒューゴ。これから私とある限り、貴公に勝利の美酒を味合わせてやると約束しよう」


 ライディス様はただのビッグマウスではなかった。
 確かに神がかりの強さを発揮したのだ。
 副官として戦に参加していたとき、彼の頭の中ではすでに、どうすれば勝つことが出来るかというシュミレーションが完成し

ていたに違いなかった。
 彼の強さの所以は、ただ、一人の騎士として剣の腕が達者だという単純なものではなかった。
 戦場を上空から見渡す鷹の目をお持ちだったのだ。
 もちろん、本当に上から見えていたわけじゃない。
 空など飛べやしないのだから。
 彼は敵の動向をピシャリと当て、裏をかく戦術に長けていたのだ。
 戦ってよし、戦術によし。
 これでは自分の出る幕がない。
 お役に立ち、認めてもらい、できれば彼の特別であろうとしたのだが。
 冗談めかしてぼやくと彼は意外なことを言った。

「私の策はいつもギリギリだ。武力に秀でた貴公がいなければ、成り立たない、危ういものだ。貴公を軸に考えた策だったから

な。次はちゃんとした軍師をつけなければマズイとよくわかった。どうも私には向いていないらしい」

 俺は、特別をこなせていたのだ。
 この人の下で。
 これを聞いてじんと胸が熱くなった。


 宿敵・ヨーク軍勢を次々と打ち滅ぼし、我らはほどなく凱旋した。
 だが、華々しい勝利を飾ったはずの彼には不当な処分が与えられた。
 降格、謹慎。

「なんということだ! 勝利者に対してこの仕打ちは!!」

 俺が憤慨しているのに本人は涼しい顔だ。

「何。一時のことだ。今は落ちてもまたすぐにのし上がれば良い。それができぬのなら、私もそれまでの男ということだ」

 不敵に笑ったこの人を、俺は生涯忘れることはないだろう。


 実際に、彼は昇り詰めた。
 我らの武功に対し、最新魔法兵器・ドールが与えられる。
 名実共に我らオースティンの軍勢はランカスター最強なのだ。
 そう!
彼の人がうっかり頭を打って、自分の名すら思い出せなくなり、自分を神父だと思い込んでしまうまでは!

 

 

「ちょっと、ライディス様、いい加減にして下さい!! なぁにが『小鳥さん、今日もいい天気♪』ですか!? 気色悪いこと

言って! だいたい、アレ、小鳥っつーか、カラスだし!!」

 現在・・・。
 俺はやっと見つけたライディス様をどうにか連れ戻そうと田舎の農村で必死だ。

「アトリーさん、貴方はもっと心にゆとりをお持ちなさい。怒ってばかりでは、疲れてしまいますよ。さぁ、心を穏やかに・・

・」
「アトリーさんじゃなくて、ヒューゴで結構です。心のゆとりと平和は貴方が戻ってくれれば保たれるんです。ホラ、バカやっ

てないで帰りますよ!」
「ぎゃあ!? 何をするんです!? 人攫い!!」
「誰が人攫いだ、人聞き悪いっ! いいから踏ん張らないで、おとなしく来いっつーにっ!! くぉのっ!!」
「放しなさいっ、ええいっ、女神ローゼリッタの鉄槌!」


 ドゴォッ!!!


 ・・・たぶん。
 女神ローゼリッタはすぐに暴力を振るったりしないと思うんだ、個人的に。
 殴り倒された俺は、朦朧(もうろう)とする意識の中で思った。
 彼が記憶喪失の内に、あることないこと嘘八百並べ立てて変な記憶でも植えつけてやろうとかちょっと頭にきて思ったりもし

た。


 ヒューゴ=アトリー。26歳。
 6年という短い歳月だが、ランカスターきっての騎士ライディス=オースティンの右腕と呼ばれることに誇りを持っている。
 これから先もそれは変わることはない。
 でも記憶失ったままだったら、ちょっと嫌かも・・・
 

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●Thanks Comments

うわーっ

超カッコイイ!
超カッコイイよこの設定!
ライディスー

ヒューゴの実直さ、忠誠心がよくわかります。
まさに騎士だね!

From 【星夜】2009.03.18 09:40編集

Re:うわーっ

>ありまとうございマッスル(^-^)
でも記憶喪失バージョンはちっともカッコよくないけどね!(笑)
対比として出しておこうかと(^_^;)

From 【ゼロ】 2009.03.18 10:40

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