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レイディ・メイディ 66-2
2008.09.22 |Category …レイメイ 66話
面白半分だと思っていたから無視ばかりしていたけれど、内心は声をかけられて嬉しかったのである。
リクやメイディアも恐れる様子もなく平気で声をかけてきたが、彼らは特別だ。
彼ら自体が変だから、あまり感動はしなかった。
相手がクレスでなくとも誰に対してもああなのだろうと思ったからだ。
もちろん、それでも嬉しかったことに変わりはないのだが。
けれどジェーンはもっと普通で特別ではない。
だからこそ、衝撃的だったのだ。
同情ではなくて、興味。
クレス=ローレンシアという個人に興味津々なのである。
親なし子だからじゃなくて、可哀想とか、シレネの末裔だとか陰口叩かれているからでもなくて。
そんな彼女にクレスも好感を抱いてはいた。
が。
▽つづきはこちら
いかんせん、タイプが違いすぎる。
キャアキャアと常に笑いの絶えないうるさ型のジェーンと独りで静かな時間を好むクレスとではテンションが違えば、流れている時間すら違って感じる。
正直、ついていけない。
それが彼女に対するイメージだった。
前までは可愛い弟、下手をするとペットのような扱いを受けているように感じていたのが、最近では自意識過剰でなければ、恋愛の甘い雰囲気を感じる。
これがまた困ったことになっていた。
クレスから見たジェーンは年上の女の人であって、恋の範疇に入っていない。
1つくらいなら気にならないのだが、女性の方が2つも上となると急にずいぶんと離れている気がしてしまう。
それに、それにだ。
ハッキリ言えばタイプではない。
クレスの好む女の子像といえば、どちらかといえばクロエのようなタイプなのだ。
明るく朗らかで温和。ヒサメを追いかけているときはどうかと思うが、ジェーンのように甲高い声の鳥みたいに年中わめいているわけではない。
相手を思いやる優しさといざというときの凛とした強さ。
それなのにちょっとおっとりトボけたところがまた可愛らしい。
クレスが彼女と関わるのはもっぱら試験のときばかりだが、女の子としての印象は一番である。
常に彼女の隣には、一番結婚したくない女の代表・今は亡きメイディアが引き立て役としていたから余計にそう感じたのかもしれない。
男が異性に惹かれる要因は顔だけではない。
むしろ、ほっとさせてくれる何かを持った女性に惹かれやすい傾向にある。
……と、カイルがしたり顔で熱弁を振るい、クレスも大いに納得したのは一昨日の入浴時。
メイディアなどは誰から見ても美少女の内に入るだろうが、いかんせん、性格ブスであった。
その証拠に、彼女と本気で添い遂げようなどという奇特な男はとうとう最後まで現れなかった。
クレスはそんなに悪くはないなどと思ってはいたが、アレと恋人になれと言われたら、きっと降参してしまうだろう。
友情はあっても恋は芽生えない。
クレス『確かにちょっと可愛かったけどね』
とか思いつつも、現実問題、無理。不可能。
それよりもよほどいいとはいえ、ジェーンのことも悪いが恋愛対象には含まれていなかったのである。
けれど相手から好意を寄せられれば嬉しいもので、ついつい八方美人に振舞ってしまうのはいけないと思った。
それほど付き合いのないクロエに片思いまでしているわけじゃない。
だから不誠実なわけではないのだけれど。
実は彼にはもう一人、いや、もう一匹、気になる彼女がいる。
言わずと知れたダイヤモンド・チェリー嬢である。
どちらかといえば、近頃はそちらの目の方が気になっていた。
草の陰から、木の上から、「ナニ浮気してるんニャ、この女ったらしが!」などと思われていないかどうか。
チェリーは何を隠そう、人猫(ワーキャット)である!
主人であるクレスのピンチが訪れるとナツメと名乗る美少女に化けて助けに駆けつけてくれる、便利で主人想いの賢いニャンボだ。
その忠義ときたら犬にだって負けはしない!!
……と、思っているのはクレスだけ。
だけどチェリーが人間のままでいられるならば、彼女と一緒になった方が……!?
クレス『絶対チェリーは僕のこと好きだし! だって僕を見るとニャーニャーいって足に擦り寄ってくるんだからね! 僕は猫としてチェリーが好きなんだけど、人間になりたいなら、別にお嫁さんにしてあげてもいいし!』
などと真剣に悩みだしたクレス。
授業はとっくに終って馬を小屋に戻している最中である。
女の子「ね、いいでしょ、クレス君」
クレス「うん、いいよ……って……え? ナニ?」
考え事の最中に声をかけられて、聞いてもいないのにうっかり返事をしてしまった。
先に馬をつなぎ終えたクラスメイトの女の子は「約束よ」と嬉しそうに叫んで駆け出していってしまう。
残されたクレスはあわてて周りに助けを求めようと思ったが、ぼんやりしていたために最後になってしまっていた。
クレス『……どうしよう? 約束ったって、今、僕は何を約束したんだ?』
戸惑っていると厩舎にカイルが戻ってきた。
リクを連れて。
最後が自分だと思っていたのは間違いで、まだ馬に言うことを聞いてもらえないリクが後ろにいたのだ。
リク「はぁ。今日は馬に蹴られちゃったよ」
カイル「今日もだろ」
リクの言うことを聞いてくれない馬をカイルが引く。
リク「昨日は振り落とされただけだし」
カイル「“だけ”なのか、それは?」
クレス「なぁ、今、僕に何か言ってた子、見た?」
カイル「見た」
クレス「な、何言ってたかな……聞いてなかったんだけど」
カイル「…………」
リクの方を向く。
リク「や、俺は聞こえなかった、ゴメン」
カイル「んーと、今日の教室掃除、代わってって言ってた」
クレス「えっ!? マジでっ!? 何でこの僕が!」
カイル「でも返事したんだろ。ちゃんとやれよ~♪」
クレス「……くっ」
自分で返事をしてしまったのだから今更しょうがないとクレスはぶつぶつ文句を言いながらも学舎の方へとガニマタで歩いていった。
リク「……ホントに?」
カイル「嘘に決まってるじゃん」
リク「いいの?」
カイル「いーのいーの」
リク「いいならいいけど」
彼の去った後に友達甲斐のない友達二人の無責任な会話。
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●Thanks Comments
クレスが...
笑えるっ!!(大笑)
まだチェリーをナツメだと思っているっ(大笑)うん、なんかクレスって可愛いキャラだと思う♪ 女の子が苦手なのか...でもそういうところがまた可愛いっ。
ダンラック相変わらず怖いよぉ....あの腹の中に口がある化け物...クロエもリクもあんな奴に捕まってほしくないよ(T_T)クロエ....ヒサメ先生の残忍性や呪いや今回の戦いのことで忍者嫌いになっちゃうのかな?(T_T)
いつもの元気なクロエに早く戻ってほしい....。んで、クレスは一体、女の子と何の約束をしてしまったのだろう?
また続きが楽しみ☆
クレスも、原作とはだいぶ
かけ離れています(爆)
レイメイで使っている皆さんのキャラは壊れまくり(滝汗)
本来はこんな変なキャラではありませんよー^_^;
クロエは今後どうしようか超悩めます。
嫌いになったりはしませんけどね。
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