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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 64-23

 鎮は相手の身体を隅々までまさぐって、隠し持った武器を取り上げる。
 忍は油断ならないのである。
 自分も含めて。
 
鎮「さぁて?」
冴牙『ぎく……』
鎮「どうしてやろうか?」
 
 頭を踏みつけにする。
 
冴牙「うあっ! チクショウ、テメェ……」
鎮「あっれぇ? チクショウ……何だって? シズ、よく聞こえなかったーあ」
 
踏みつけていた足を外して、冷たく見下ろす。
 
冴牙「い、いや、その……スミマセン、何でもないっス。何も……なっ!」
 

▽つづきはこちら

 突然、口から毒針を吹いた。
 いつの間に咥えていたのだろう。
 だが、その程度は想定内だ。きれいな戦い方をしない忍の常套手段である。
 顔を少し逸らしただけで避けると鎮はにこりと微笑みかけた。
 冴牙も滝のような汗を流しながら、合わせて笑ってみる。
 
鎮「……………………ざっけんじゃねぇゾ」
冴牙「…………ハイ……」
 
 鎖に絡めとられたままの冴牙が放った最後の一撃が難なくかわされて、絶体絶命どころか更に煽ってしまった。
 
冴牙「こ……殺せよ。一思いにさァ!」
鎮「馬鹿言うでないよ、ワカメ。そんなに楽をさせてやるワケないだろ?」
冴牙『や、やっぱり……』
 
 精一杯強がってみせたが、軽く一蹴されてしまう。
 
鎮「お前様にはな、呼んでもらわねば。初と偲が遅い。どこかで見ているのやもしれぬが……」
 
 側にひざをついてしゃがみこみ、まずは冴牙の足が使い物にならないように折った。
 悲鳴が上がると今度は容赦なく顔面を蹴飛ばした。
 口内が切れ、奥歯が折れて飛び、泥の上を転がって見えなくなる。
 
鎮「……くすっ」
 
 そうしてからもう片方も折った。顔色一つ変えずに。
 
冴牙「ぐあぁっ!!」
  『む……無理だ……とても耐えられねぇ……足を折られては反撃も不可能……! ……偲、来い、何をしているお初……くそっ! 舌を噛むか? しっ……しかし……』
 
 次に鎮は冴牙の手から鉤爪を取り外した。
 
冴牙「っはぁ……! 待って……待ってくれ、おシズ……ひっ、一思いに頼む! お願いだ、今までのことは全て謝る……土下座でも何でもする、助けてくれっ」
 
 まさかの事態に陥った。
 子供の頃に泣くだけしか能がなかった鎮が、炎座、悟六、そして冴牙と3人を相手に勝ち進め、今度は初と偲を呼び寄せようとしている。
 冴牙の悲鳴によって。
 
鎮「土下座ァ? いいよ、いいよ。冴牙兄ィにそんなことされられないもの。うふっ」
 
 甲を外された裸の手をさすり、人差し指をなでて止まった。
 次は指を一本一本折ろうというのか。
 
冴牙「……頼む……頼むよォ」
 
 声が震える。
 これまでに経験したことのない恐怖が彼を際限なく責め立てていた。
 もう巻き返そうという気はまったく起こらなかった。
 ただただ少しでも機嫌を損ねないようにやり過ごして、助けがくるのを待つしかない。
あるいは早くなるだけ苦しまないように殺して欲しいと願うしかないのだ。
 
鎮「冴牙兄ィが今までしてきたこと、やられる側ってのは初めてだろ? よかったじゃん」
冴牙「はは、そ、そうね……へへっ」
 
 誇りなど微塵もなかった。
 媚びへつらう笑顔には涙が。
 悟六に対しては一応の礼を取っていた鎮は相手が冴牙となれば、盗賊時代の残忍な顔を覗かせる。
 
鎮「炎座は楽に殺しすぎたから、ちょぉーっと残念」
冴牙『やべぇ……来る、俺に来る……全部俺に返すつもりだ、コイツ……
鎮「宴はこれから。爪を剥いで、指を一本一本千切りとり、目玉をくり貫いて手足を切り落とす。内臓かき回してそこらを這わせてやるんだ、イモムシみてーに。…………そうだったよな?」
 
 濡れた黒髪から水滴が落ちる。
 金色の眼が、獲物を捕らえた肉食獣のように光った。
 真夏の夜に冴牙は凍りつく空気の中に置かれていた。
 
 
 ……雨がやんだ。
 けれどまだ低く垂れ込めた雲から稲光がちらついている。
 どうかするともう一降りくるかもしれない。
 剣を2本手に入れたクロエとリクはとりあえず炎が上がった方へ向かうことにした。
 
リク「気をつけて、滑るよ?」
クロエ「う、うん」
 
 リクはクロエの手を引いて慎重に暗闇を進んだ。
 クロエが足を取られそうになる度にその身体を丁寧に支える。
 
クロエ「ご、ごめんなさい」
リク「気にしないで。がっしりしているぶん、俺の方が耐えられるから」
 
 元々フェミニストである彼だが、今は彼女は守らなくてはいけないという強烈な使命感に支配されていた。
 同時にやはり連れてくるべきではなかったと思うのだが、あの場に残しておいても彼女は一人で行動しただろうし、あの人形がどちらを追うかという点からしても今の選択で過ちではなかった。
 そう言い聞かせて自分よりもずいぶんと小さな手を力強くにぎる。
 彼女がさらわれたときにも生きた心地がしないほど、胸が締め付けられた。
 顔は全く似ていないし、年齢は自分と同じだ。
それなのに、お兄ちゃんが大好きな女の子というだけで妹と重ね合わせているのだろうか。
本当にそれだけだろうか?
これほどに切に守りたいと願う気持ちはどこから沸いてくるのか。
彼女のためならば何でもできる。
リクは真面目にそう思っていた。
 
リク「きっと、君を守ってみせるよクロエ」
クロエ「え?」

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続きがあって幸せ(^-^)
冴牙、ヒサメ先生にやられっぱなし。(^_^;)ちょっと安心←コラ
リクとクロエだ☆
しかも、リクは妹と重ね合わせてるのかそれとも?
わーっ!これはLOVEの予感?アンがいるのに?ま、まさか三角関係!?

From 【あっぴ】2008.09.14 01:53編集

がんばりましたーん♪

「コラキサマー! 俺様が可哀想だと思わないのかー!?」
……って、冴牙さん言ってますよ?(笑)

リクとクロエ再登場。また消えますけど。鎮と場面順番なので。
LOVE……早くアンを登場させたいでごわす。

From 【ゼロ】2008.09.14 02:02編集

戦乙女の片鱗をみた

ヒサメ先生のキチク?な部分が出ても『カッコイー♪』という感想になってしまうのは、相手が冴牙だから?
乱暴な言葉つかいとかももイイ!
残忍な冴牙が、実はもっと残忍かも知れないブラックヒサメを呼び覚ましちゃって、うっかり慌ててるのがすごい立場の大逆転でタノシー☆

From 【ぱんだ】2008.09.14 10:12編集

さ、冴牙が……(笑)

やられて皆さんから喜ばれちゃっとるよ^_^;
相手によって態度をガラリと変えます、鎮さん。
リクもクロエも何も知らないで、こんな先生を助けに向かってます(爆)

From 【ゼロ】2008.09.14 10:23編集

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