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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 59-4

フェイト「重っ!」
クレス「剣士のクセに!」
レク「しょうがないよ、人一人抱えてるんだから。1階の部屋にすればよかっ………ああっ!?」
 
 どんっ!
 ゴロゴロゴロッ……ガッツーンッ☆
 
レク「うわわ、落としたっ!!」
フェイト「うっ。スマン、手が滑っちゃっ……」
クレス「お前か!!」

▽つづきはこちら

レク「あちゃ~…ブルブルしてるよ」
フェイト「ガクガクしてるな」
クレス「そりゃ階段から落とせば………なんか血が出てるけど……」
レク「鼻血だね」
フェイト「鼻血だ」
クレス「わかりきった状況説明はいいんだよっ!! なんとかしろよ!」
レク「マズイ、グッタリしてる」
フェイト「………埋めるしかないか?」
クレス「オイ…」
レク「とにかく拾って連れて行こう! それからだ。トリックとアリバイを考えるのは」
フェイト「よし」
クレス「コラー!! こんなときばっか意気投合すんなっ!!」
 
 パーティー会場となる教室に到着するには、リクは無残な姿をさらしていた。
 
レク「ありゃ~、こんなハズじゃなかったのに」
 
 目を回して、鼻血を垂らしたリクを無理やり誕生席に座らせる。
 しかし、白目を向いてだらーんとしたままだ。
 
フェイト「フツーに連れて来た方が良かったんじゃないのか?」
クレス「それじゃサプライズがないって……クロエが」
クロエ「わっ……私のせいじゃないでしょ、しっかり連れて来ない3人が悪いんだからね」
 
 視線を受けて、クロエがあわてて責任回避。
 
レイオット「大丈夫よ。リクは強い子だもん。ホラッ、ホラッ」
 
 リクの鼻の穴に脱脂綿を詰め込んで、レイオットはその手首をつかみ、変なダンスを踊らせる。
 もう、メチャクチャである。
 
アン「リ、リク君が……」
モーリー「面白いじゃなーい。アンも遊んでくれば? まぶたに目を書くとか」
アン「だだだ、ダメだよぅ」
クロエ「そうだ! サプライズはまだ作れる!! 皆、カーテン締め切って真っ暗にして!」
 
 クロエが何か思いついたらしく、テキパキと指示を出した。
 
 
 ふと、リクが目覚めるとそこは闇だった。
 いや、闇だと思ったのは一瞬で、カーテンを締め切っているだけとすぐにわかった。
 所々、光が漏れていたから。
 けれど一体、ここはどこなのだろう?
 教室のどこかには違いないのだが、どうして自分はここに座っているのか。
 動こうとすると全身に痛みが走った。
 それで思い出した。
 そうだ。
 レクとクレス。それに珍しくフェイトがイタズラに加わって仕掛けてきたんだった。
 それではこれはイタズラの続きというワケだ。
 考えていると、暗闇の中に一つの小さな光が浮かび上がった。
 それは一つ、また一つと増えてゆき、室内をほの明るく照らし出す。
 
声「ハッピバースディー トゥー ユー♪」
リク「………」
声「ハッピバースディー トゥー ユー♪」
リク「あ……」
声「ハッピバースディー ディア リークー♪」
リク「ああ……」
声「ハッピバースディー トゥー ユー♪」
 
 明かりは、クラスメイトやルームメイト、それに数人の親しい人間が持つ、蝋燭(ロウソク)だった。
 一人が隣の人間の持つ蝋燭に火を分け与え、その一人がまた次の一人へと火を移して、全員にいきわたる。
 一番遠くの席から左右に広がって、リクの座る場所まで届く。
 クロエの考え出した、小さくてキレイな蝋燭リレーである。
 歌が終わると拍手が起こった。
 
レク「おめでとう、リク」
レイオット「おめでとう!」
クロエ「おめでとー♪」
クレス「しょーがないから祝ってやるよっ」
フェイト「……めでと」
カイル「俺の誕生日も祝えよっ」
アン「リク君あの……おめ……」
ジェーン「ヒューヒュー♪ おめっとー☆」
モーリー「早くケーキ切ってぇ~」
ステラ「おめでとう!」
シラー「おめでと♪」
クラスメイトたち「オメデトー!!」
 
 両方の鼻の穴に脱脂綿を差し込まれて、美形台なしになったリクは紅い目を大きく見開いていたが、やがて柔らかく微笑んで言った。
 
リク「……ありがとう」

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