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レイディ・メイディ 59-3
2008.08.04 |Category …レイメイ 58・59話
レイオット「…………………うわーんっ!!」
レク「? どうしたの、レイオット? そんなトコにうずくまって?」
フェイト「今、レクがオトメゴコロとやらを踏みにじったの」 しれっ。
レク「ははははっ。フェイトじゃあるまいし、そんなことしないよ」
フェイト「フン。どーだかな。……オイ、踏むな、力作」
レク「ゴミ増やすなよ、フェイト」
フェイト「…………お前は俺に必要以上に厳しいと思う」
レク「いやいや、親切ですよ、ウィスタリアさん。君が当日、力作とやらを飾って恥をかかないように」
フェイト「……その台詞、そこでうずくまって悲劇のヒロインやっているデカ女にも言ってやれ」
レイオット「………ムカッ」
「なによ! フェイトのなんてこうしてこうしてこうしてこうしてやるわっ!!」
踏みっ! 踏みっ!!
▽つづきはこちら
フェイト「よ、よせ!! 俺のビューティフルフラワーに何をするっ!?」
レイオット「何がビューティホーブラジャーよ!!」
フェイト「そんなことは言ってない!!」
……チームワーク0。
ジェーン「クレス君の誕生日はいつ?」
作業をしながら、ジェーンがニコニコして擦り寄る。
クレス「べ……別にそんなのいいじゃん」
ジェーン「クレス君のときも派手にやろうねっ♪ ウフフッ」
クレス「今はリクの誕生日だろ」
ジェーン「私はクレス君の誕生日も楽しみだけどなー。なーにプレゼントしようかとか、考えるのって楽しいわ」
思いを馳せるようにして上目使いになる。
クレス「僕はいいんだよ、僕は」
ジェーン「いやーん、照れちゃってカワイイ! 私がプレゼントっていうのはどーお? にゃーん♪」
今では、長身のジェーンよりも大きく、たくましくなったクレスの肩に額をこすりつける。
クレス「バッ…! ババババッ……バカ言ってんなっ!!」
女性免疫のないクレスは茹でタコみたいに真っ赤だ。
他の女の子たちもそれに気づいて、次々に名乗りを上げる。
女子たち「はいはい! 私も受け取って、プレゼントー」
「クレス君は猫のなんかがいいのかなぁ?」
2年前、入所したときと彼の立場は全く変わっていた。
暗くて冷たくて、人の命を何とも思っていない、底知れぬ奴。
それがクレス=ローレンシアの印象だったが、今ではすっかりコレだ。
シャイでつっぱっているけれど、本当は心の優しい照れ屋少年。
猫を構っている無邪気なところを時折目撃されたり、レヴィアスクラスとの対抗試合での活躍、こてんぱんに叩きのめされたメイディアの敵討ちを男らしく買って出るなどの行為から、クラスメイトたちの見る目も変わっていったのである。
現在では、なんとリクに継ぐ人気者である。
本人はわかっていないようだが。
そんなクレスの引き立て役としての道化・カイルは面白くなさそうだ。
カイル「俺も誕生日近いんですけどぉー?」
女子たち「ムーシ!」
カイル「誕生日近いんですけどー!」
女子たち「聞こえませーん!!」
カイル「クソッ! リクとクレスばっかだ。つまんねー!」
天才児2人とつるんでいる、一応優等生な彼は全く目立たない存在となっている。
カイル「クロエさん、俺も俺も誕生日ー♪」
クロエ「えー、そうなの? オメデトー」
にっこり。
けれどそれだけで、彼女はリクのための飾り付け作業に戻った。
だがその屈託のない笑顔は、カイルの中で危険な化学変化を遂げてしまう。
クロエ「え、そうなの? ごめんなさい、愛するカイル君の誕生日を知らなかったなんて、いやん、クロエったら、ばかばかー!」
カイル「フッ、いいんだよ、そんなこと。これから覚えていけばいいじゃないか」
クロエ「ありがとう、優しいのね! プレゼントは私よ。受け取って!」
カイル「………んぶちゅーvV」
カイル「んぶちゅうぅ~」
現実に、化学変化を遂げたカイルからの熱い口づけを受け取ったのは……
吸われて、みょいぃ~ん……と伸びる頬。
クレス「ぎぃぃゃああぁぁあぁあぁぁ!!!!!」
それは、哀れやクレスのほっぺただった。
ジェーン「ぎゃあっ!??」
アン「きゃあ♪」
ステラ「あーあ……しーらないっと」
……この後、カイルが女子から袋叩きに遇い、クレスの凶悪な魔法に氷づけにされたのは言うまでもない。
パーティ当日。
特別予定もなく散歩にでも繰り出そうとしたリクを背後から何者かが襲った。
白い袋をかぶせられて、袋の口をふん縛られてしまう。
リク「!? なっ……」
???「それ急げっ!!」
????「命令するな、偉そうに!」
??「ケンカしないよ、いちいち」
聞き慣れた声がした。
犯人は親しい友達3人だ。
朝に顔を合わせた、クレス、フェイト、レク。
何故か彼らに拉致られて、どこかへつれ去られようとしている。
全く身に覚えがないのに。
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