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レイディ・メイディ 58-4
2008.08.02 |Category …レイメイ 58・59話
リク「中身が……ないっていうか……」
氷鎖女「外身があるからよかろ」
あっさり。
リク「そ、そういう問題じゃ……。俺、何も感じないのにそんなんで付き合ったりしたら、相手に悪いよ」
氷鎖女「ほぅ。何も感じない? さては真になるしすとだったか」
リク「………ナルシストって……誰に聞いたの、そんなこと」
氷鎖女「カイル」
リク「……やっぱり」 がくーっ。
氷鎖女「夜な夜な鏡に映った自分をうっとり眺めておるとか。自分に恋煩いで最近調子が悪いとか」
リク「ご、誤解だよ。そんなことしないし、そんなんで言ってるんじゃなくて……」
氷鎖女「ならば、もっと他に目を向けなされ」
リク「他にって………先生じゃ……いけないのかな?」
▽つづきはこちら
氷鎖女「何も感じないなら、拙者である理由もないのだし、拙者とばかりいるといずれ孤立しようが。現に近頃は付き合いが悪いと周りから言われておるではないか。聞こえてくるでござるぞ」
リク「そんなこと気にしてくれてたの?」
氷鎖女「そうでもない」
リク「いいんだよ、俺はこれで」
氷鎖女「よくない」
リク「一人だけヒイキしてるって先生が叱られる?」
氷鎖女「そうではなくて……ここは人脈を作るよい場所でござろ? そろそろ土台を作っておかなくては」
リク「何の土台?」
氷鎖女「独り立ちの」
リク「……!」
氷鎖女「拙者が言うことでもない。ここを出たって、軍がある。そこでまた嫌でも新たな人間関係を構築してそれなりにやっていくのだろうから、大きなお世話だろうが……ただ…」
リク「ただ?」
氷鎖女「今のお前様がずいぶんと危ういようなのでな」
リク「俺が………危うい?」
氷鎖女「今にも世をはかなんで死んでしまいそうだわ」
リク「……そんなこと……ないよ」
ついと目をそらす。
死んでしまうつもりはなかったが、生きていく気力もなかったからだ。
氷鎖女「人は回復力があるからな、感傷など一時的ですぐに忘れてテキトーに生きてゆくものだとは思うが……お前様はどーにももやしに見えてもやしに見えて……」
長い袖を口元に当て、頭を左右に振る。
リク「も………もやし……」
氷鎖女「ナメクジでもいいけど」
リク「……すみません、もやしでいいです……」 シクシク。
氷鎖女「誰か……カノジョでなくとも何でもよいのだが……長く付き合える人間を今のうちに見つけておき。……拙者以外の誰かをな」
リク「……………」
氷鎖女「まだお前様は先が長いのだから」
リク「………その言い方だとまるで先生、老人だよ」
氷鎖女「うるさいな、4つばかり老ジラスでござる」
リク「4つじゃ大して変わらないよ。言っとくけど、俺、もう18になるよ?」
氷鎖女「いいのっ」
リク「長く付き合える誰かは先生でいいし」
氷鎖女「それは無理だ」
リク「どうして」
氷鎖女「………どうしてって………それは………」
言い淀む。
まさか、この先がないと言えるわけもない。
リク「何故?」
氷鎖女「……この話はやはり後にしよ」
リク「先生!」
氷鎖女「また今度。帰らねば、ほれ」
話を切り上げて立ち上がる。
リク「そこまで言われたら気になるよ」
氷鎖女「いいから、友達100人大作戦の決行でもしておれ」
リク「先生がいれば俺……」
氷鎖女「拙者なぞいらぬ」
リク「ダ、ダメだよ、そこを決めるの俺だってば」
氷鎖女「いや。そちらは拙者など必要としておらぬよ。大丈夫」
リク「大丈夫ってそんな一方的に……」
氷鎖女「執務室、閉めるでござるぞ」
ドアを開けて促す。
リク「先生!」
氷鎖女「あと十数える内に出ないと、鍵閉めちゃう。いーち………じゅう」
リク「あっ!? わっ! ちょっと!!」
あわてて執務室から飛び出す。
氷鎖女「よし」
リク「子供みたいなマネしないでよ!」
氷鎖女「子供はどっちぞ」
リク「え…?」
鍵をかけ終わり、背を向けて歩きだす。
氷鎖女「こちらもあの生物を野生に帰す準備で忙しいでな」
リク「……………」
翌日、日曜日。
宿舎の部屋を出ずにぼーっと窓の外を眺めているリク。
レク「どうかした? 具合悪いの?」
人一倍、他人の変化に敏感なレクが声をかける。
リク「んー……フラレたのかなぁ」
レク「エッ!?」
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●Thanks Comments
わああ!
なんだかボーイズラブ的な流れに見えなくもないのですが…(ギャ~!)
くっ黒いバラが見えるっ(まぼろしであって欲しいで候)。
どの辺が……?(笑)
えっ? これだけでBL!??∑( ̄□ ̄;)
妄想激し過ぎです、Pさん!!
そんな流れはどこにもありません。
だって、次の瞬間(58-5)では大否定食らってるから(大笑)
クレスたちになーんだとかガッコリされてますよ、リク。
まだ先を読んでなかったんだよね
リクの、
「他にって………先生じゃ……いけないのかな?」
「長く付き合える誰かは先生でいいし」
「んー……フラレたのかなぁ」
とかが、ソレっぽく感じたのですが、気のせいでした(苦笑)
ああ、ビックリしたァー
気のせいです(爆)
長く付き合えるって「カノジョじゃなくても何でも良いのだが」の部分につなげてお読み下さい(大笑)
土台の人脈のことね。
変な読み方しちゃイカンぜよ(笑)
フツーに読んで下さい、フツーに。
BL雰囲気味わうなら、硝子~でどうぞ。
いやこれもBL作品じゃないけど、変態皇帝サマが登場したら、ゲフンゲフンモフンモフン。
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