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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 56-2

メイディア「お断りになったのに?」
氷鎖女「気が変わった」
メイディア「……気が変わったって……。でも……もし先生が捕まったら……どうなさるおつもりだったの?」
氷鎖女「どうするって………どうもこうも。捕まれば終わりでござろうな」
メイディア「……………それなのに?」
氷鎖女「ん? うん」
メイディア「頼まれたから?」
氷鎖女「頼まれなければやらないよ。それよりイモの皮むきやるつもりがあるのか。こちらは終ってござるぞ」
 
 ジャガイモひとつ握ったままで、ちっとも動かないメイディアの手。
 言われてようやく少し動いた。
 
メイディア「頼まれたら何でもするの?」
氷鎖女「さて。気が向いたらな」
 
 首をかしげる。

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レイディ・メイディ 第56話

第56話:青髯屋敷(あおひげやしき)
 メイディアが氷鎖女宅に来て1ヶ月が経とうとしていた。
 養成所ではかつての同級生たちが3回生になる頃だ。
 ちょうどリクがメイディアからの手紙を受け取って打ちのめされた頃でもある。
自分を立て直すのに精一杯のメイディアは彼を気遣ってやれる余裕はなく、新しい事実はまだ伝えていない。
 氷鎖女の方はこの間、養成所と家を行き来して生活を送っている。
 
氷鎖女「そろそろ引きこもってないで、外に出てみてはどうでござる?」
メイディア「…………」
 
 お嬢様ではなくなったメイディアに料理を教えるためにジャガイモの皮むきを目の前で披露している氷鎖女が言った。

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レイディ・メイディ 55-5

メイディア「……はい」
氷鎖女「どうでもいいことだから、聞き流してくれればよい」
メイディア「……?」
 
 改まってなんだろう?
 青い瞳を瞬かせ、次の言葉を待った。
 
氷鎖女「あのな、しずっ……拙者はな、白が必ずしも良いとは限らないのではないかと」
メイディア「………………」
氷鎖女「思ってる」

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レイディ・メイディ 55-4

氷鎖女「そか。ではよい」
メイディア「……先生」
氷鎖女「うん?」
 
 安心してまた部屋の片付けに戻ろうとすると浴室から呼び止められて足を止めた。
 
メイディア「先生……。汚れが……汚れが落ちない」
氷鎖女「石鹸があるでござろ」
メイディア「こすってもこすっても、落ちないの、汚れが落ちないの。石鹸で洗っているのに……こんなに洗っているのに!!」
 
 悲鳴に近い叫びは最後になるにつれて声高になり、氷鎖女をたじろがせる。
 
氷鎖女「何をわめいておる?」
メイディア「洗ってるの!! 身体を!! 身体を洗っているのに気持ちが悪いのが取れないのッ!! 先生、助けて、先生、もっと強い洗剤を下さい!! 汚い、汚い、汚い、汚い!!!」
氷鎖女「落ち着け、ごーるでん」
 

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レイディ・メイディ 55-3

氷鎖女「おとなしく待っておれば良かったものを、早まりおって」
 
 間に合わないかと思ったと彼は少しばかりなじるように言った。
 
メイディア「……だって……」
 
 飛び降りたメイディアを追って、花嫁怪盗もまた飛び降りた。
 空中で捕まえて、気を失った花嫁をまんまとさらって逃亡。
 知らせを聞いた東国の狩人たちが追いかけたが、行き違いになって時間差が生まれた。
 当然、城の兵士たちも追撃しきたが、人形に体力の限界はない。
 兵士たちの攻撃をかわし、公爵の魔法を防ぎ、泥棒は花嫁を抱いたまま、夜も昼もなく数日間、休む間もなくひたすら走り続けて、とうとう領内を飛び出したのである。
 ダンラックが引き入れた手足れの者たちに途中、苦戦を強いられたが、体力勝負でこちらに軍配が上がった。
 何しろ、生身ではないのだから斬りつけられようとどうしようと痛みもなければ疲れもないのである。
 魔力で操っている限り、精神的には黒幕の氷鎖女が消耗していたが、それは相手の比ではない。

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レイディ・メイディ 55-2

 ただ気になる言葉をヨーゼフは遺していた。
 彼は「暁姫」と「日の王子」という名の宝石を探していたのだという。
 
リク『“暁姫”と“日の王子”……? そんな宝石、ウチにはなかった……なかったのに……』
 
 勘違いだったに違いない。
 リクの家は宝石を隠し持つほど裕福ではなかったからだ。
 貧乏暮らしというわけでもなく、至極一般的な経済事情の家庭だったと思われる。
 だが平民の平均的な暮らしでは、宝石など夢のまた夢。
 彼の家で高価なものといえば、母が身につけていた質素な結婚指輪がせいぜいだ。
 そんな大そうな物を持っているくらいなら、もっと大きな庭の屋敷に住んでいたに違いない。
 妹が駄々をこねて泣いて欲しがったけど買ってもらえなかった高級な人形も、リクが憧れたおっきな白い犬も飼ってもらえたハズなのだ。
 でも現実は違う。

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レイディ・メイディ 第55話

第55話:あるひとつの真実と結末。
 4月。
新しい候補生が入所して、昨年の1回生が2回生となり、新たに3回生となる者たちは1年親しんだ部屋から移動しなければならなくなった。
 部屋替えが行われたが、基本的にはそう代わり映えしない。
 留年した3回生が加わり、逆に新3回生になれなかった同級生が減ったせいで、一部ずれが生じて顔触れが変わるだけのことだ。
 去年の今頃もレイオット、クロエ、ジェーンやモーリーは同じだったのにアンとメイディアがズレてしまったのはそういうことだ。
 新しい部屋に荷物を運び終えて一息つくと、月初めの郵便物が届いた。
 身寄りのいないリクは一度として郵便物をもらえたことはなかったのだが、この日はどういうわけかどう読んでもリク=フリーデルス宛のものが届いていたのだ。
 封筒の裏を返して、リクはあっと声を挙げそうになった。
 
 差出人:メイディア=エマリィ=シャトー
 

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