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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 45-4

 落ち葉を舞い上げ、森の中をひた走りながら、連続で魔法を飛ばす。

 

リク「くそっ、当たらない! 木が邪魔だ!!」

 

 木々に行く手を阻まれ、視界を遮られ、魔法が思うように届かない。

 加えて相手は地の利を生かすのが恐ろしく巧みだ。

 不規則に生えそびえた木々を味方にしている。

 こちらのように落ち葉を舞上げて走ることもなく、もちろん足を取られて滑ることもない。

 

リク『誰かがいれば、連携とろうと思ったのに…!』

 

 走れど走れど、誰にも遭遇せず、気配すらない。

 どうやら、自分以外は全滅してしまっていたようだ。

 

リク『皆が悲鳴上げるの、わかるよ。こりゃあ…………怖いわ』

 

 とてもじゃないが、人間に追われている気がしない。

 どうかすると、ずっと同じ距離を保ってピッタリ背中に張り付いているのは、ヒサメ先生であることを忘れてしまいそうだ。

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レイディ・メイディ 45-3

 まさか気味の悪い人形を駆使して脅かして回っているなどと夢にも思わないリクは生唾を飲み込んだ。

 

リク『一体……何が起こっているんだ…!?』

 

 悲鳴だけ聞こえて状況がわからないまま、ただじっとしていると不安ばかりが膨らんでくる。

 それはアンも一緒らしく、口数が減って眼球が落ち着きなくあちこちに動いている。

 

リク「アン」

アン「う、うん」

リク「二人で同じところはマズイかもしれない。俺は道を挟んで反対側の木の上に登ってる」

アン「行っちゃうの?」

リク「挟み撃ちをしよう。俺は向かいの木の上から、アンは草むらの足元から」

アン「わかった」

リク「同時に撃てればいいけど、合図がな……」

アン「時間差でもいいんじゃない?」

リク「ん、そうだね。それはそれでいいかもしれない。タイミングは各々自分たちで計ろう」

アン「が、がんばろうね、リク君!」

リク「そうだね。やっつけて、先生に褒めてもらおう」

 

 悲鳴が遠いうちにリクは幹をよじ登って枝の上にスタンバイした。

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レイディ・メイディ 45-2

 枝から逆さまにブラ下がった氷鎖女である。

 手には筆。

 

氷鎖女「ボケ、負け犬、単細胞」

 

 お互い、相手を倒した証拠とするのは、顔にラクガキをすることであった。

 腰を抜かして、

 

ジェーン「ひっどぉ~い! チョークって言ったのに、なんかインクじゃなぁい!!」

クレス「負け犬って書かれてるぞ、お前にお似合いだな、カイル」

カイル「クレスは単細胞! 君こそお似合いだ。アッハハーっだ♪」

 

 指を突き付け、大口で笑う。

 

クレス「何ぃっ!?」

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レイディ・メイディ 第45話

第4話:ヒサメ先生

 中庭に出るとすでに受け持ちの生徒達は整列……せずにしゃがんだりおしゃべりしながら適当に待っていた。

 隣のスペースでは、赤・青薔薇の生徒達が微動だにせずに狂いのない列を作ってきっちり立っているというのに。

 

氷鎖女「ありゃりゃ」

 

 これでは文句が出るはずだ。

 彼らは軍隊に入るための教育を受けているのに、ヒサメクラスときたら、それらしい指導を全く受けてなかったのである。

 教官の氷鎖女からして、会議中にゆらゆら無意味に揺れていたり、窓の外をボンヤリ眺めているのだから、その下の生徒達がしっかりできていようはずもない。

 しかも、

 

氷鎖女「まぁいいか」

 

 ……コレで済ましてしまう。

 困ったものだ。

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レイディ・メイディ 44-5

レヴィアス「……そこで取引です。私にそのような生徒を押し付けたその代償として、クレス君かリク君……どちらかを私に譲るというのは?」

氷鎖女「結局、そこでございますか」

 

 額当てに手を当てる。

 

レヴィアス「本当は2人いただきたいところですがね」

氷鎖女「……………」

レヴィアス「貴方では彼らを導けますまい。素直に年配に任せればよいのです」

氷鎖女「レヴィアス殿のおっしゃること……わかります」

レヴィアス「そうでしょう、そうでしょう!」

氷鎖女「レヴィアス殿と拙者では親子程も離れておりますし、教官としての経験も力量も差があることは認めまする」

レヴィアス「うんうん。素直でよろしい。貴方はこれから経験を積んでいけばよいのですよ」

氷鎖女「なれど……」

レヴィアス「ん?」

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レイディ・メイディ 44-4

氷鎖女「お? ゴールデン」

 

 氷鎖女がメイディアの存在に気が付いた。

 

メイディア「!!」

リク「あ、メイディ。一緒に食べようよ。ホラ、おいしいよ? 焼き芋みたいで」

氷鎖女「みたいじゃのぅて、焼き芋でござる」

  「……食う?」

 

 リクに忙しくツッコミ入れつつ、芋を突き出す。

 

メイディア「いえ。授業中ですからっ! 失礼します!!」

 

 あわてて走り去る。

 

氷鎖女・リク「…………………」

アン・シラー「………………」

 

 

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レイディ・メイディ 44-3

 誘拐されていたクロエが復帰。

 友人たちが取り囲んで彼女の無事を喜んだ。

 

ステラ「クロエ~!」

クロエ「ステラ!」

ステラ「アンタ、マヌケだからもっと気をつけなさいよー」

クロエ「ごめん、ごめん。心配かけちゃったね」

レイオット「よかった、割りと早く戻って来れたんだね」

 

 当事者だったレイオットも安心して貧弱な胸をなで下ろす。

 

クロエ「うん、このとーり、もう元気、元気☆」

 

 全身を使って無事であったことをアピールした

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