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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 42-8

フェイト「確かに俺がどうこう言う問題じゃないな。勝手にやっててくれ」

 

 くるりと背中を向ける。

 

レイオット「どこに行くの?」

フェイト「どこったって……俺はたんなるイキオイで勝手に連れて来られただけなんだぞ? 帰るよ、もう」

レク「せっかく来たんだから、そうあわてなくても」

フェイト「せっかく来たんじゃなくて、無意味に拉致られてき・た・の!」

レイオット「わかったわ。じゃあ、食事にしましょう。メイディとクロエが来るまで」

 

 両手を合わせて音を鳴らす。

 

フェイト「話に脈絡をくれ、頼むから」

レク「まぁま、堅いことを言わず。その辺、フラフラヨロヨロ徘徊しようよ。たまにはいいじゃん」

フェイト「……ハァ~」

 

 調子を狂わされてばかりのフェイトは、今日何度目かのため息を、深く深く吐き出したのであった。


▽つづきはこちら

 

レイオット「ね、ね、ところでクロエとはどうなったの?」

 

 結局、だいぶ早い食事をとることとなった三人は、カフェテラスでサンドウィッチをぱくついていた。

 

フェイト「クロエ? 彼女がどうした?」

レイオット「またまたぁ。ウッフフフフフフフフフ」

フェイト「な……なんだよ……」

レイオット「だって……ウッフフフフフフフフフ」

フェイト「いや、だから……」

 

 レイオットの反応に困ってレクに助けを求める。

 

レク「ああ、クロエに告白されたんだって? どうなったの?」

フェイト「ブゥッ!!」

 

 口に含んだコーヒーを噴出す。

 

レク「うわっ、きったな……ッ!?」

フェイト「ゴフッ、ゲホッ」

レイオット「ちょっと、大丈……ウッフフフフフフフ」

フェイト「ぅおい!!!」

レイオット「だってぇ♪」

レク「何すんだよぉ、もー。キッタナイなぁ」

フェイト「す、すまない……しかし、おかしなコト言うから……」

 

だいたい、どうして知ってるのだ?

校舎裏でクロエに告白めいた言葉を言われただのと!

 

レク「ああ、リクとクレスの新しい友達がクロエさんをフェイトに盗られたって大騒ぎしてたから」

レイオット「うん」

レク「で? どうなの?」 にっこり。

レイオット「どうなの?」 にっこり。

身を乗り出して、二人「どうなの?」

フェイト「ど……どうもこうも……」

二人「うんうん」

フェイト「かっ……」

二人「か?」

フェイト「関係ないだろっ!」

レイオット「あーっ! 目を逸らしたわ!!」

 

 テーブルに手を強く置いて立ち上がる。

 

レク「ははっ。そろそろ、フェイトイジメやめてあげようよ、レイオット」

フェイト「……ほっ」

レク「で? それでどうしたの?」

フェイト「……やめてないじゃんか……」 がっくり。

レイオット「クロエがしょげてなくていつも通りってことは、少なくともフッてはいないのよね?」

フェイト「ふるも何も、別に告白されたワケじゃないし」

レイオット「リクが言うには、好きな人がいるのってフェイトの前で言ったらしいじゃない」

フェイト「なんで、リクからそういう話が……」

レク「その場にいたって言ってた」 あっさり。

フェイト、コケる。

フェイト「いなかったぞ、あの場に!!」

レク「隠れて堂々と見てたらしいよ?」

フェイト「……シメる」 青筋、ピキッ。

    「アレは、別に俺がどうのなんて言ってないんだから、そのまんまだよっ。うるさいなぁ」

レイオット「えぇー? ヒドイわ、フェイト! 乙女の敵!!」

フェイト「何故ッ!?」 がびん!?

レイオット「返事が欲しいに決まってるじゃない! 告白してそのままなワケないでしょ! 待っているのよ、クロエは!!」

フェイト「……そうとは思えないんだが……」

レク「でも本当のところ、クロエのこと、どう思ってるの? 仲はいいじゃん。早朝マラソンも一緒に走ってるみたいだし」

フェイト「別に一緒に走ってたわけじゃなくて、クロエが途中参加してきたっていうか……」

レイオット「だーかーらーっ! クロエはフェイトと少しでも一緒にいたいからじゃない。どうしてそれをわかってあげられないの? ニヴイんだからっ」

フェイト・レク「………………」

 

 そういうレイオットもかなり鈍い。

 女の子に大人気の彼女だが、同性まで酔わせる美貌が男に通じないわけがない。

 けれど、彼らの好意を見事なまでにことごとく無意識スルーかますのが、彼女の得意技だ。

 

フェイト「悪いけど、俺は恋愛ゴッコしてる場合じゃないんだよ。早く強くなって……」

レイオット「それが答えなのね?」

フェイト「え、いや……その……まぁ、そういうことになるけど……でも……」

レイオット「でも、ナニッ!?」

フェイト『話してて、どーも、そんな風には感じないんだよな、クロエ……』

 

 胸倉をつかまれて、揺さぶられながら思う。

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