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レイディ・メイディ 42-4
2008.06.15 |Category …レイメイ 42話
問題の日曜日を前に、クロエはレイオットに伝えていた。
下着を買うためにメイディアと出掛けること。
そこにレイオットが便乗してしまえばよいのではないかということ。
一方で、仲直りを手伝ってくれると言ってくれていたレクが良い子の皆に大人気の子供向け薔薇騎士レンジャーのお芝居チケットを取ってくれていたのだった。
レク「薔薇騎士レンジャーを間に挟めば、イチコロだって」
廊下で立ち話。
レイオット「ババババ……薔薇騎士レンヂャァァァァ!!!! こっこっこっ……これならっ!! これならっ!! ハー…ハー…」
レク「お、落ち着いて、落ち着いて、レイオット。こ、怖いよ、目が血走ってるって……」
目の色を変えてチケットに飛びつくレイオットにレクがたじろぐ。
レイオット「ありがとう、ありがとう、レク!!」
相手の手を握ってブンブン振り回す。
▽つづきはこちら
レク「あ、うん……」
赤くなってちょっと照れる。
レイオット「やったわ!! これで姫のハートゲットね♪」
フェイト「君が言うと洒落にならないからやめておいた方が……」
バキッ☆
言い終わる前に、レイオットの回し蹴り炸裂。
白目を剥き、スローモーションで倒れるフェイト。
レイオット「あ、でも……」
レク「うん?」
レイオット「クロエもね、私のために仲直りの場を用意してくれているんだけど」
内容を聞き、
レク「でもその劇は、昼過ぎからだから買い物終わった後でもいいんじゃない?」
レイオット「それもそうか」
二人とも、倒れているフェイトは完全に無視だ。
レク「それとメイディの性格からして、初めからレイオットがいるとやっぱり今日はやめますとか言って帰っちゃう恐れがあるから」
レイオット「うっ……」
レク「楽しく買い物して気分良くさせておいた後に、クロエがお芝居に誘ってぇー…、そこにレイオットが待っているというのは? チケットも実はレイオットが用意したんだよっていうのをクロエから言ってもらうんだよ。本人から直接より、他人から伝えてもらった方が効果的な場合もあるからさ。特にメイディみたいな跳ね返りの子は」
レイオット「すごいわ、レク!!」
感動して目を潤ませる。
レイオット「頭いい!!」
レク「いや、頭いいってワケじゃ……」
レイオット「でもこのチケットは私じゃなくて……」
ちらりと目の前に立つ、レクを見やる。
レク「いいんだよ。レイオットがってことにしておけば。仲直りのための作戦なんだからさ」レイオット「ううっ、優しい……。ありがとう、レク。チケット代いくら?」
レク「そんな気にしないで、いいから。俺も二人がいつまでもギスギスしていると嫌だしさ、早いところ、元通りになってよ。本当はメイディもそうしたいと思ってるハズだから」
レイオット「うん」
二人が別れて去った後、
クロエ「アレ? 死体が落ちてる」
足を止める。
リク「薔薇の騎士団養成所、放課後の殺人事件。犯人は誰だ?」
クロエ「ガイシャは少なくとも、フェイトみたい」
側にしゃがんでつつく。
リク「ダイイングメッセージなし。交友関係を洗ってみるべき?」
同じく、反対側にしゃがんで教科書の角でつつく。
二人でつんつん、つんつん。
フェイト「……ガイシャがまだ生きているか確かめて、保健室に連れて行こうとかそういう方向にはいかないワケだ」
つつかれて目を覚ましたフェイトがむっくり起き上がる。
クロエ「あ、ゾンビだ。撃て」
リク「ラジャー」
本当に魔法を唱えようとしたリクの頭をフェイトが叩く。
フェイト「ったく。君らは余計なことしかしない」
余計なことを口走って乙女に回し蹴りをくらったフェイトの言えた台詞ではないのだが。