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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 42-3

クロエ「だいたい、メイディのパンツ、おっきいんだもん。あんなの嫌よ」

 

 メイディアお嬢様の下着は、いわゆるカボチャパンツだ。

 

メイディア「そう、そこなのです。何故、あの下着は良くないのです?」

クロエ「良くないことないけど……」

メイディア「ワタクシはこの養成所に来るまで、下々の者と共に入浴などしたことがありませんでした」

クロエ「私だってないわよ。家じゃ一人だもん」

メイディア「ですから、皆の者がどのような下着をおつけになっているかなんて知りませんでしたわ」

クロエ「……まぁ」

 

 暗澹たる気分になりながら答える。


▽つづきはこちら

 

メイディア「しかしながら、ここでは! 皆さん、クロエのような下着です。何やら、小さくて布部分の少ない、こんな足丸出しのはしたない……」

クロエ「……そ…そうだね……」

メイディア「ワタクシも皆さんと同じにします」

クロエ「……はしたないんじゃないの?」

メイディア「上にスカートはいているから良いハズ」

クロエ「それに、下々の者とやらと一緒でいいの?」

メイディア「ワタクシ、貴族のご婦人方の下着もどのようになっているか知りませんもの。コルセットの形はきっと変わらないと思いますけれど、しかしそれもワタクシの想像だけでしかありません。家の者が用意した物を、家の者に着せられていただけでしたから。下着とて同じだとここにくるまで思っていませんでしたわ」

クロエ「………………………」

 

 もしかして、デカカボチャがからかわれたのでは?

 クロエはピンときた。

 

クロエ「……わかった。交換はダメだけど、買いに行くのなら付き合ってあげる。つまり、どういうの買ったらいいのかわからないんでしょ?」

 

 うんうんとうなづくメイディア。

 

メイディア「では次の日曜に。お約束ですわよ。それと、ワタクシが下着を購入するなどということは内密に」

クロエ「……別にいいじゃない……」

メイディア「内密に!」

クロエ「はいはい」

 

 メイディアと別れ、

 

クロエ『……まったく……誰よ、メイディのパンツからかったのは!! お陰で私がパンツ大公開させられるハメになったじゃないのぉっ!! ……でも待って? コレはちょっとある意味チャンス? レイオットも一緒に当日連れて行けば、さすがに一日一緒にいてしゃべらないって事もないだろうし、いつのまにか仲良しに戻るに違いないわ。なんてナイスなの、クロエったら!!」

クロエ「……いつのまにか仲良しに戻るに違いないわ。なんてナイスなの、クロエったら!! すごいぞ、クロエ大臣!! ありがとうクロエ、あなたってやっぱり頼りになるのね!! いいのよレイオット、こんなの朝飯前よ。さすがはクロエだわ。それじゃあお礼にニンジャ☆ヒサメ先生をあげる。実験動物として使うなり、毛皮を剥いでマフラーにするなり、飼育するなり、好きにしていいのよ。わぁ、本当? じゃあちょっともぎ取って増えるかどうか試してみるね、ありがとう、レイオット!!」

 

 いつの間にか、心の中身が言葉となって口からだだ漏れのクロエ。

 ……いつものことだが。

 

 

 ところで、パンツ事件の原因を作った人物といえば……

 

フェイト「フゥ……」

リク「ほっぺた、お洒落なもみじ型くっつけてどうしたの?」

 

 同じ兵法の授業を取っていたリクがフェイトの頬が赤く腫れているのに気が付いた。

 

フェイト「何がお洒落だ、放っておいてくれ」

 

 ズキズキとまだ痛む頬を不機嫌にさする。

 

レク「フェイトが余計なこと言うからいけないんだろ」

 

 隣の席でレクが目を細める。

 

フェイト「……デカカボチャをデカカボチャって言って何が悪い」

 

 本日の午前中。

 ペンを落としたことに気づいたフェイトがかがんで拾おうとしたところ、階段を駆け降りてきたメイディアと衝突。

 背中を丸めたフェイトの背にメイディアがつまずいてしまったのだ。

 踏ん付けられた方はつぶれて床とキスするハメに。オマケに背中には足跡くっきり。

 踏ん付けた方は、転がって壁とキス。スカートめくれてパンツ丸見えだ。

 

メイディア「……アナタね! そんなところで丸まっていないで下さる!? 邪魔ですのよ!!」

フェイト「ヒトを踏ん付けといて、第一声がそれか!? 謝罪の一言もナイのかよ!?」

メイディア「謝罪するのはアナタ!! さぁ、ひれ伏しなさい!!」

フェイト「ふざけんな、この………………巨大ビックカボチャパンツ!!!!」

 

 ………ばっちぃぃぃーん☆

 

 ……回想シーン終了。

 

フェイト「………………」

レク「まったく……女の子にアレはナイだろ、アレは」

フェイト「アレは女じゃない。なんだよ、あの色気ゼロどころかマイナス243%のドテカボチャは」

ダレス「同感、同感♪」

 

 後ろの席のダレスが身を乗り出した。

 

リク「仲がいいんだねぇ」

フェイト「……お前は、俺の話を聞いていたのか?」 ジロリ。

リク「聞いてたよ?」

フェイト「ナルホド。聞いてはいたが、正しく理解はしてない……と」

リク「あれ? してたつもりだけど」

フェイト「強烈な思い込みだな」

 

 往復ビンタを食らった頬に濡らしたタオルを押し当てる。

 鼻の穴には脱脂綿。

 

フェイト「……最後にグーで殴りやがって……………どの辺がお嬢様なんだ!?」

ダレス「おとなしくやられっぱなしになってるお前もどうかと思うけどな」

フェイト「女に手を挙げるわけにはいかないだろ」

ダレス「女じゃないんだろ?」

フェイト「揚げ足とるな」

レク「よせよ、ダレス。単に抵抗する間もなくやられ放題だっただなんて、本人が言えるわけないじゃないか」

フェイト「……おい」

レク「顔、ブレてたからな。目にも止まらないってやつ? さすがはメイディ」

フェイト「おい……」

ダレス「ははぁーん。よーっく、わっかりやしたー♪」

 

 授業開始の鐘が鳴り、教官が教室に入って来たので全員が一斉に口を閉じた。

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