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レイディ・メイディ 30-12
2008.04.10 |Category …レイメイ 30話
氷鎖女「………す?」
リク「す?」
氷鎖女「あ、いえ……あの……豆……?」
リク「うん。豆大福。クレスが可愛がっている猫で―……」
突然いきり立って、クレス「かっ! 可愛がってなんかいるもんかっ!! それに豆大福なんかじゃないっ!! ダイヤモンド・チェリーだっ!!!」
ダイヤモンド・チェリーだー! イヤモンド・チェリーだー……ンド・チェリーだー……チェリーだーだーだー…………
それは思いかけず大きく響き渡ってしまい、全員がクレスを注目する。
レイディ・メイディ 30-11
2008.04.09 |Category …レイメイ 30話
そんなことをしている間にリクとレクは上に到着。
すぐにレクとクレスがメイディアの縄を引く。
登りついたフェイトもそれに参加し、やっとのことで全員が救出された。
アン「リク君っ! 良かった!!」
抱き着いて大声で泣き出す。
リク「……ありがとう、助けを呼んで来てくれて」 アンの背中をあやすように叩く。
メイディア「……そうね。よくぞ一人で登りました。さすがはアンです」
足元に落ちている、自分の作った危うい布のロープに視線を落とし、腕を組んでもっともらしくうなづいてみせた。
そんなメイディアの称賛はアンには届いていないけれど。
レイディ・メイディ 30-10
2008.04.09 |Category …レイメイ 30話
メイディア「なんですってぇーっ!? ……キャアッ!?」
いきり立った瞬間、足を引っかけていた古木が完全に抜けて、メイディアはガクンと衝撃に体を揺らした。
レク「メイディッ!?」
驚いて悲鳴に近い声を上げる。
フェイト「心配ない。ロープがある」
レク「そ、そうだった。…………心臓に悪いな、もう」
レイディ・メイディ 30-9
2008.04.08 |Category …レイメイ 30話
やがて草のこすれる音が近づいて、三人が叫んだ通り、アンが姿を現した。
アン「助けてっ! リク君が死んじゃうっ!」
ステラ「アン、無事だったのね!?」
アン「ステラ……」
自分が見捨てたステラと顔を合わせて、アンの心臓はきゅっとつかまれたように縮こまった。
レイオット「どうしたのっ!?」
アン「そ、そうだ。あの、崖が……、私はロープでなんとか上がれたんだけど、二人が……」
レイオット「落ち着いて。大丈夫よ」
今にも泣き出しそうなアンをはげます。
レイディ・メイディ 30-8
2008.04.08 |Category …レイメイ 30話
手を放して自由になったナツメは、倒れている敵に再び刃を向ける。
クロエ「! 何をするの!?」
氷鎖女「……殺すの」
体温を感じさせない暗い瞳で恐ろしいことをぽつんと言う。
クロエ「ダダダ…………ダメだよぅ、生きているなら殺しちゃ!」
ぎょっとして今度はクロエがナツメの手首をつかんだ。
氷鎖女「なぜ?」
ギ、ギ、ギ。
癖なのか、やはりぎこちない仕草で首をかしげ、クロエの方を向く。
レイディ・メイディ 30-7
2008.04.07 |Category …レイメイ 30話
クロエ「ここは私がっ! レイオット、剣を……!」
レイオット「わかった!」
地を蹴り、転がって、落ちたレイピアを取り戻す。
レイオットがいた位置に、振り下ろされる剛剣。
口元を引き締めて、クロエはやがてくる衝撃に耐えようと剣の柄を堅く握り締める。
氷鎖女「……仕方がない」
それまで注意深く相手の動きを探っていたナツメがあきらめたようにつぶやいて、剣を受けようとしたクロエの腕をつかんで後ろに下げさせた。
同時に手にしていた小太刀から腰の得物に持ち代える。
クロエ「あっ……!?」
レイディ・メイディ 30-6
2008.04.07 |Category …レイメイ 30話
そうこうしている内に、古木の埋まっていた部分が崖の表面から露出始めた。
アン「あ、あああ……木が、木がとれちゃう…………リク君が……」
お互い痛いほどに堅く握り合っているが、リクの手は血まみれで濡れており、メイディアの手から今にもずり抜けそうだ。
リク「巻き込んでしまったね、メイディ………………ん?」
メイティアがブツブツと口の中で小さく唱えている。
耳をすませばとぎれとぎれにそれは耳に届いた。