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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 28-13

 とりあえずはフェイトの指示に従って、戦闘に参加しているものの、動きは鈍く抑えている。

 もちろん赤薔薇候補生ということになっているから、魔法も使わない。

 

氷鎖女『そうだ。ナツメはドジっ子の“設定”だったんだ』

 

 ふいにいらんことを思い出した。

 

氷鎖女「よし。……えいっ!」

 

 明かに、フェイトの頭上を狙って、片刃の刀をぶつける。

 敵とはまったく別方向である。

 

フェイト「ごあっ!??」

 

 目の前にお星様が弾け飛ぶ映像が一瞬見えて、ひざが笑う。

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レイディ・メイディ 28-12

フェイト「だったら態度、改めたら? 貴族全部がそうだと思われたくはないんでね」

メイディア「……っ!」

クロエ「ちょっと! どうして毎回そうなのっ!? 仲良く行こうよ」

 

 クロエが二人の間に割って入った。

 

クロエ「ね、クレスからも何とか言って!」

クレス「……ケンカしに来たの? ピクニックじゃないってんなら、そういう痴話ゲンカもどうにかした方がいいんじゃない?」

 

 先程チクリとやられたのを根にもって、クレスは自分のためにイヤミを返してやった。

 メイディアに関してはフェイトと同意見だったが、どちらの味方につくと言われたら、なんと、彼はメイディア側だ。

 傍から見たら驚くべきことに、クレスはメイディアが嫌いではない。

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レイディ・メイディ 28-11

 クロエに捕まった氷鎖女は延々と講義を聞かされているよそで、クレスはメイディアと話をしながら山道を登っている。

 

クレス「ところで何でミハイルなワケ? こないだはヴァルト教官で。基準がわかんないよ、基準が」

メイディア「地位のある方だからですわ」

クレス「ハァ? そんな理由~? 地位目当てかよ」

 

 あきれて肩をすくめる。

 

メイディア「んまっ! 失礼な」

クレス「どこがだよ。まんまじゃん」

 

 先頭を行くフェイトとしんがりを務めるダレスの剣士二人が警戒しながら進んでいるというのに、魔法使いたちはまだ遠足気分だった。

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レイディ・メイディ 28-10

 

 陰気な人形オタクの成人男性な氷鎖女は、クロエに早速捕まってニンジャな氷鎖女先生についての講義を受けていた。

 

クロエ「あのね、ニンジャはアメーバなのよ。ブンシンノジュツとかいって、細胞分裂して増えるワケ」

氷鎖女「………………」

クロエ「だから、実は氷鎖女先生も各地に広がっててひょっとしたら、まだこの近くにも生息してるかもしれないのよ」

氷鎖女「……………………」

クロエ「え? 良く知ってるって?」

 

 そんなことは誰も言ってない。ナツメ(氷鎖女)は黙ったままだ。

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レイディ・メイディ 28-9

レヴィアス「陛下が呼んだ客人なのは知っています。しかし、それがどうして養成所に」

 

 場違いだと言わんばかりの口ぶりで疑問を投げかける。

それは確かに誰もが思っていたことだ

 疑問にニケが答える。

 

ニケ「陛下は異国の文化、技術や知識にも興味あるから」

 

 そういうニケも興味はある。魔法を扱う人間に多い探求心が刺激されてうずく。

 

ナーダ「それなら手元に置くんじゃないの?」

ヴァルト「飼っとくために実績あげさせたかったのかもしれんな」

レヴィアス「飼っておく?」

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レイディ・メイディ 28-8

レイオット「猫みたいな子ね」

リク「ああ、レイオットもそう思った? 目もね、金色してたよ。珍しい」

 

 紅の瞳をした彼が珍しいと言うのも妙な話だが、確かに金色は今までに出会ったことのない色だった。

 

レイオット「でもね、あんまり感心しないわよ、リク」

リク「何が?」

レイオット「急に触るなんて、女の子に対して不躾じゃない」

リク「ああ、そっか。気にしてなかった。でも、本当に知ってる子かと思ったんだよ。見覚えあるような気がしてしょうがないんだ」

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レイディ・メイディ 28-7

リク「……爪?」

 

 今し方できた傷から再び少女に視線を戻した。

 少女は挑むような目付きで、黒い髪の間からこちらの様子を注意深く観察している。

 

リク「嫌われちゃったかな? でも俺は別に……」

 

 安心させようと微笑みかけて口にした言葉は届かなかった。

 女学徒たちの悲鳴によってかき消されて。

 

女学徒「ちょっと、あの子ナニーっ!?」

   「リリリリリッ……リッくんがぁっ!」

   「ギャーッ!」

 

 麗しのリッくんに無礼を働く女はこれで二人目だ。

 たかだか引っ掻き傷に、女学徒たちは目の前で大事故が起きたかのようなイキオイで騒ぎ立てた。

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