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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 19-8

テオドール「よし、やるか!!?」

 

 剣に手をかける。

 

シラー「待って。それは最終手段。皆はちょっと先に進んでて」

ヴィクトル「一体どうしようってんだ」

シラー「争わずに札を手に入れるのよ。もし私が失敗したら、魔法を撃って合図するから、彼らから強奪するのよ。貴方たちならできるわ。私も背後に控えているから挟み撃ちということになるしね」

 

 瞳に光が走る。

 

ステラ「……いいの? 気が進まないなぁ」

シラー「これは戦いよ。本気で騎士を目指そうというのなら、綺麗事は捨てるのね」

ステラ「綺麗ゴトなくて騎士でいいの?」

シラー「不測の事態にあって指をくわえているだけじゃどうにもならないってコト、よく覚えておくのね。綺麗ごと言っていられるのは、勝っている内だけよ。さ、行って」


▽つづきはこちら

 チームメイトを送り出すと、シラーはその辺に転がってうずくまった。

 次にくるチームがお人よしの仲良し軍団であることを祈りながら。

 まず始めに上から草を踏んで姿を現したのがレクであったことでシラーは勝ったと思った。

 あの顔は間違いなくお人よしという馬鹿の顔だ。

 思った通り、彼は一人でいるシラーに驚いて駆け寄って来た。

 

レク「どうしたんだ、大丈夫? 仲間は?」

シラー「あ……うん、皆とはぐれちゃって……」

 

 後ろから来る連中に向かって、どうしようかと指示をあおいでいる。

 

レク「とりあえず、仲間と合流できるまで俺らと一緒に行動した方がいいかな。それともここで待って仲間が迎えに来るの待つ方がいいかな?」

レイオット「う~ん、困ったわね。下手に動いて仲間と合流できなかったらそれはそれでマズイし……」

 

 レク以外の連中もそろいもそろって他人の不運を見逃せないオメデタイ精神構造をしているらしい。

 これはシラーにとってまさに幸運だった。

 しかもレイオットは自分と同じ部屋で親しくしている仲である。自分を置いて行こうハズがない。

 彼女はそういう性格だ。

 

シラー「私たち、こういう事態に備えて離れてしまってもそのまま進むことにしているの。お互い歩き回ってすれ違うよりも先に進んでゴール付近で落ち合えばいいだろうって。でも……」

 

 立ち上がろうとしてよろける。

 

シラー「痛っ!!」

リク「おっと」

 

 転びそうになった彼女を支える。

 

シラー「あ、ありがとう。ちょっと……うん、足をくじいちゃったみたいで……」

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