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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 19-7

ロドル「…………」

 

 感謝するとまで言われたら黙るしかない。

 皆が失態したリクの味方についたような気がして、余計に不満を募らせていたロドルだったが少しは気持ちが収まったらしい。

 これ以後はあまり文句を並べなくなった。

 

レク「すごいじゃないか、ヒルコ」

 

 隣を並んで歩くレクが小声で囁く。

 

ヒルコ「ん? 別に何もスゴクはないけど……」

レク「ロドルがおとなしくなったからさ」

ヒルコ「そ?」

レク「そう」

ヒルコ「レクはロドルと反り合わない?」

レク「そんなことないよ。いい奴だよ」


▽つづきはこちら

 驚いたように答えた後で何の含みもなく笑って見せる。

 素直に育ってきたレクの魅力だ。

 

ヒルコ「そうか。そいつは良かった」

 

 ヒルコの方はあまり大きな反応を示さずに耳の穴なぞをほじっていた。

 やりとりを見ていたリクがうなる。

 

レイオット「どうしたの?」

リク「や、問題のすり替えが上手いなー……と」

レイオット「ハイ?」

リク「何でもない」

アン「ヒルコさんっていい人ね」

リク「うん。ロドルもね」

アン「え? ロドルさんはリク君に意地悪じゃない」

リク「意地悪じゃないよ。怒っているだけだよ」

アン「……リク君もいい人ぉ」 呆れたように肩をすくめる。

 

 人や物事を表面的にしか見ることのできないアンには到底、理解し難い胸の内だ。

 

リク「ここには色んなタイプがいるね。思ったよりも楽しくて転がり込んで来たかいがあった」

アン「リク君?」

リク「何でもないよ」

アン「??」

 

 

 そしてもう一つ、札をいち早く確保していながら、ゴールすることなく戻るハメになったチームがあった。

 S班がゴール前でモメる、もう1日前の山中でのことだ。

シラー「信じられない、信じられないっ!! 貴方たちがボサッとしているからよっ!!!!」

テオドール「アンタが札を持ってたんだぞ。自分が持つって」

シラー「その私を守るのが貴方たちの役目でしょ。この役立たず」

テオドール「んだとぉっ!!?」

ステラ「もー、面倒はやめてよー」

 彼らの取った札が別の班に横取りされてしまったのである。

 途中まではシラーブーケがまとめ役として君臨していたものの、いざ問題が起こると彼女は意外にももろかった。

シラー「仕方ないわね。とにかく今から戻っていられないわ。別の班から札を奪うしかない」

ステラ「ヤバイよ、それは。やっぱちゃんと戻った方が……」

シラー「バカ。戻って札があると思う?」

ステラ『……バカって……』 ムカ。

シラー「……!! 来た」

ミレーヌ「何?」

シラー「他の班」

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