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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 19-4

メイディア「ワタクシの……せい……」

ダレス「そうだよっ」

クロエ「待って……大丈夫。えっと……回復……毒消しの魔法……」

セルゲイ「無理だ、弱っているのに魔法なんか使ったら回復するどころか…… ああ~。マズイなぁ、早く来ないかな、助け……」

クレス「……………。待ってなんかいられない」

 

 すっくと立ち上がり、

 

クレス「薬草を探しに行こう」

フェイト「薬草、わかるのか?」

クレス「僕の知識をナメないでよね」


▽つづきはこちら

 薬草は祖母の得意分野だ。

 人助けに興味を持てなかったクレスだが、薬草の種類だけは耳にタコができるくらい聞かされていた。

 自分がケガをするたびに“ばあば”は薬草を塗ったあとでその種類や効能を言って聞かせるのである。

 昔から、繰り返し繰り返し。

 

フェイト「俺も行く。悪いが、ダレス、セルゲイ……」

セルゲイ「わかってる。こっちは任せてくれ」

フェイト「くれぐれもメイディアの責任にしないように。ダレス」

ダレス「何だよ、急に。お前、誰の味方だよ」

 

 不満げな声を漏らす。

 対してフェイトは発言そのものが意外だという反応を示した。

 

フェイト「ハァ? なんだ、それ? ……俺は誰の味方とかじゃない。アレはメイディアが突き飛ばしたせいじゃないと思ったから、そう言っただけだ」

 

 彼はいつだって状況から物を言っているだけなのだ。

少なくとも本人はそのつもり。

 誰の味方だとか好き嫌いで行動しているワケじゃない。

 全ては目的達成のためである。

 皆だってここ……養成所にいるからには、一つの目的のためだろうに何故そこで好き嫌いが物事を左右するというのだろう。

 確かにフェイトはメイディアが好きではない。

 しかしながら、だからといって責めたところでまた目的達成が遠くなるだけの話。

 この際はどこかに捨てて来てしまえばよいのだ、そんなことは

 捨てられないのなら、全てが終わった食事時にでも食堂で仲間相手に愚痴でも言えばいい。

 

ダレス「突き飛ばしたせいだろが」

フェイト「突き飛ばさなくても当たってた。むしろ、突き飛ばしたから腕で済んだようなものだ」

 

 かばってもらっていると勘違いしたメイディアがしょぼくれた顔を少しあげた。

 だが実際に不幸中の幸いといおうか、突き飛ばさなければ胴体に命中していたことは間違いない。

 どつかれてよろめいたお陰で場所が変わったのだ。

 

フェイト「それに、これ以上クロエに気を使わせるなよ」

 

 ぴしゃりと釘を刺すと「行くぞ、クレス」と促して振り返る事なく離れて行ってしまう。

 クレスの方は面白くなさそうに、「命令するな」と毒づきながら先頭をわった。

 二人、去る。

 残った4人の間には居たたまれなくなるような不穏な空気で満ちていた。

 

ダレス「姫さんも行ったらどうだ?」

メイディア「…………………………」

ダレス「ホントににもしないつもりかよ」

 

 黙ってうつむいているメイディアの態度に苛立って口調を強くする。

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