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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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妖絵巻番外編 1番の価値。:6

 両隣の表札を確認したが、名前が出てない。
 ついでにこの部屋にも表札がない。
 下に下りてポストを見たら、あった。“古賀”。
 上に上がって、もう一度、同じ部屋のチャイムを押す。

「すみません、古賀さんという方の部屋って……」
「あら? 和のお知り合い?」

 ……和……

「あの……」
「もしかして、生徒さんかな?」

 お姉さん? じゃ、ないよ、ね?
 

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妖絵巻番外編 1番の価値。:5

 割りとお人よし。
 無理やり先生から聞きだした情報を整理してみると、高校一年で恋してその翌年にフラレて、でもずっと好きだったみたい。
 うーん。気まずかったろうなー。その後の学校生活。同じクラスだったというし。
 忘れたフリして普通に過ごしてたんだろうけど。
 片思いの彼女さんには好きな人がいて、その人しか見てないから、先生は初めから眼中になかったとか。
 初めからそれもよくわかっていたけど、フラレるのがわかってて気持ちを伝えたのはその人に自信を持ってもらいたいとかそういう考えとかもあったみたい。
 そういう風には言ってなかったけど、言葉の端から。
彼女、どうも身体の弱い人だったらしいの。
 それでやっぱりちょっと自信のない子だったみたい。
 だから、君にはこんなにいっぱいの価値があるんだよ、少なくとも自分にとっては。
 そういう気持ちを伝えたかったんだろうね。
 例え気持ちを受け入れなかったとしても、他人からそこまで想われたっていうのは、誇りになるもん。
 価値を認められるってそういうことだし。
 

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妖絵巻番外編 1番の価値。:4

以前までは奥田君がいなかった。それでも退屈なんて感じていなかったはず。
なのにその時間に何をしていたのか、ちっとも思い出せないの。
仕方がないから、古本屋にでも行こう。
面白い漫画を発掘するのもいいし、ゲームが安かったら買ってしまおう。
とにかく何か気を紛らわせてモヤモヤした気持ちをどこかにやっちゃわなきゃ。
靴を履いて、街に繰り出す。
自転車を店の駐輪場で止めてキーを抜いたら、仲の良いグループの子たちがナナメ向かいのゲーセン前に群がっているのを見つけた。
プリクラ写していたり、UFOキャッチャーで白熱していたり。
いいところにいるじゃない。
アタシも混ぜてもらおうと駆け寄ろうとして、あることに気がついてしまった。
どうして誘ってくれなかったの?
少なくとも電話、午前中にかけたはずだよね?
予定が入ってるって断られたよね?
予定って、皆と遊ぶことならそう言ってくれればいいのに。
一緒に誘ってくれてもいいのに。
 

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妖絵巻番外編 1番の価値。:3

 ……結局、美羽ちゃんのお願いはお父さんに却下され、そもそも先生は月水金が都合がいいからバイトを入れているのであって、他の曜日は大学で取っている講義とかで無理。
 さらに同じ日に別の生徒は時間的に請け負えないことが判明。
 そんなことを知らなかったアタシは散々、先生の前で泣き喚いて恥をかいてしまった。
 黙っていても何も変わらなかったというのに。
 ちゃんと知っていたら、あんなみっともない姿を見せずに済んだのに、あんまりだ。
 冷静になってみるとなんて子供っぽいワガママだったことだろう。
 次の金曜日は風邪を引いて具合が悪いと嘘をついて、先生に来ないようにと電話をしてもらった。
 具合が悪いと思い込んだら、本当に具合が悪くなってきた。
 ……ような、気がする。
 ベッドにもぐっていたら、お母さんと先生の声がする。
 ちょっと! 来なくていいってちゃんと電話してくれたの、お母さん!?
 しかも玄関で帰ってもらえばいいのにお母さんったら、余計な気を利かせてドアとかノックしてくるし!!

 

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妖絵巻番外編 1番の価値。:2

 何てタイミングの悪い。

「今日は火曜日だよ」
「わかってるよ。用もないのに行かねーよ」

 ママチャリのカゴを見たら、ニコニコマートの袋に生活用品が詰まってた。
 ナニ?
 男の一人買出しですか?
 やっぱり彼女いないんだ。はっはーん♪

「ねぇ、先生、一人暮らしだったの?」
「うん? ああ」
「今度、何か作りに行ってあげよっか?」
「……何か? 粘土細工だったらいらないぞ」
「何でそこで粘土やねんっ!?」

 不審な目を向けてくる先生にツッコミを入れたら、横でやりとりを見ていた美羽ちゃんが笑った。
 いっけない。
 美羽ちゃん忘れてた。

 

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妖絵巻番外編 1番の価値。

妖絵巻番外編 1番の価値。

 数学のテストで赤点取った後の、三者面談。
このままじゃ受かる高校ないぞと学校の先生に脅されて、青くなったお母さんが早速、連れてきた家庭教師。
何の相談もなしで決められて、ちょっと頭にきた。
だって、まだ2年生なんだから、受験なんてまだ先じゃない。
なんで今からやんなきゃいけないの?
やるのはアタシなんだからさーとお母さんに文句を言ったら、来たばかりの家庭教師ったら、こんなことを言う。

「お前が招いた結果だろ。高校合格してから、文句は言うんだな」

 ……ムカ。
 ナニ、コイツ。
 根暗そうで、いかにも真面目なお坊ちゃんタイプ。
 自分はいつだって正しいです。
 現代科学の信者です。
理数系ですと顔に書いてある。
 ウワ、イヤなカンジ~!
 アタシ、数学とか理科全般……とにかく数字が絡むヤツって大っキライなの!

 

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今日の独り言、だだ漏れダラリ。+1

とうとう、買ってしまった……!
コーヒー星人で紅茶星人でコーラ星人な我輩。
カフェイン大好きなんかいのぅ。
去年11月から今年3月の間はかなり紅茶星人中心でした。
今年4月に入ってからはずっとコーヒー星人でした。
しかし、こないだ春日さんとマグロ的一日を過ごしたときにミルクティー飲んだら美味しかったので、ここ2日くらいでまた紅茶星人になりもした。

 

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