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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 5-5

 氷鎖女の背中を押した…………………つもりだった。

 スカッ!?

 

メイディア「アリ?」

 

 いない。

目の前にあるのはただ、木漏れ日の風景。

 勢い良く背中を押した……つもりだったのに押すものがなくなって、メイディアの体は前方に傾いていた。

両腕を突き出したままで。

 

リク『あ~あ』

 

 肩をすくめる。

 彼女の背後に誰かが降り立った音。

 

メイディア「わっ、わわわっ!?」

 

 体勢を崩したら終わりだ。

自分がアレまみれになってしまう!!

 

氷鎖女「やぁ~っぱり、裏があったでござるな~あ? んー? ごーるでんっ?」

 

 背後から、楽しげに語りかけてくる声には残酷な響きがあった。

 

メイディア「ちょっ……わったっ! ちっちが……誤解……きゃああっ!?」

 

 もはや爪先立ちで腕を回してなんとか持ちこたえている状態だ。

 

氷鎖女「拙者がチョイと背中を押したら、ど~なるんでござるかなぁ? な? わかるか、ごーるでん」

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レイディ・メイディ 5-4

メイディア「先生はー……アラ? いかが致しまして?」

 

 急に立ち止まった氷鎖女に気づいて足を止める。

 遅れて、リクも。

 

リク『おやぁ? バレたかな?』

 

 再び彼は何事もなかったように「何でもない」と言って歩き始めた。

 考えていたのは別のこと。

 

氷鎖女『く…くさい…。何やらさっきからウンコくさ…うっぷ…』

 

 チラリと横を歩く教え子を盗み見る。

 

氷鎖女『でも先に“クサイ”と言い出した奴が怪しいと思われるのがオチであるし、しかし俺は屁なんてこいてない。二人だけ……いや、背後にもう一匹いるが、向こうは風下……となれば容疑者は二人。俺とお前……』

んが、俺は白だ。……つーか、屁ェこいてすましてるお前だよ、お前。金色(こんじき)巻ぐその上に屁こきか!? 屁こきかァ!?

いやいや、待てよ、(しずか)。お前、大人だろ? 一応、相手は年頃の女子(おなご)であることだし、出物腫れ物ところ嫌わずとも言うことだ。ここは知らぬ顔を通してやろうではないか。な? ……う~ん、でもこれはちぃとなぁ……

メイディア「……?」

 

 思考の迷宮に迷い込む氷鎖女。

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レイディ・メイディ 5-3

メイディア「何故ですの?」

 

 ニヤリと口の端を吊り上げて詰め寄るメイディア。

仲良し作戦はどうしたのだろう。

 

氷鎖女「えっと…そのぉぅ…あれ…だから…じっ…実は…」

 

 追い打ちをかけられてしどろもどろ。

何か良い言い訳を考えている様子。

 

メイディア「実は?」

 

 容赦なく追い詰める

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レイディ・メイディ 5-2

メイディア「ですから、ワタクシとしてもヒサメ先生とは仲良くやっていきたいのです。初対面は最悪でしたから、仲良くなるきっかけを外してしまいましたけど」

氷鎖女「殊勝なことを言うでござるな。いきなりどういう風の吹き回しなのやら。何の裏でござる?」

メイディア「まぁ、ヒドイ言いよう! せっかくワタクシから妥協してあげているというのに。先生は人を信じるということを知りませんの!?」

氷鎖女「まぁ、あんまり」

 

 小さく言って、頭を面倒くさそうに掻く。

 

メイディア「ハイ?」

氷鎖女「あ、や、別に」

 

 問い返されてうやむやに答えた。

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レイディ・メイディ 第5話

第5話:メイディアVSティーチャー・ヒサメ

 東の空が明るくなってきて、5月の朝らしい少し肌に冷たく気持ちのよい風が吹く。

 今日も晴天になるだろうことをうかがわせる爽やかさだ。

 そんな朝だというのに、なーぜーか、ルームメイトが一匹足りない。

 昨日の晩、一昨日の晩といなかったのも知っていた。

 あえて理由を聞こうとしなかったのだが、朝まで帰って来ないとなると問題かもしれない。

 レクと同室のリクはカーテンの隙間から中庭の噴水を見つめていた。

 同じく同室のフェイトは、先日行われた赤青対抗練習試合で女性のレイオットに歯が立たなかったのが悔しくて、夜な夜な一人で練習始めているんじゃないのか?などとあまり心配していないようだ。

 

フェイト「あのバカのことだ。きっと朝になったのも気づかずにやっているか、疲れてそのまま寝ているかだろ」

リク「ああ、もしかしたらそうかもしれないねぇ。……ん?」

フェイト「どうした?」

リク「もう食堂で朝食とっているのかも」

フェイト「……君は食べ物のコトしか頭にないのか」

 

 あきれたというふうに腰に手をあてる。

 だいたい食堂が開いている時間でもなかろうに。

 他のルームメイトは夢の中で、起きて会話している二人でさえもパジャマのままの早朝。

 話題のレク=フレグリットは未だ草むらの中だった。

 女の子にだまされて縛り上げられ、一晩放置プレイ!?されてしまっていたのである。

 ところで、この人の良い少年をだました非道な女の子・メイディア=エマリィ=シャトーは、朝っぱらから教官・氷鎖女を呼び出し、朝の散歩へと誘い出していた。

 そう、2晩かけて作った恐怖の落とし穴にいざなうために……

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レイディ・メイディ 4-10

メイディア「さ。排泄物を運ぶのです」

 

 脱力してしゃがんだまま、

 

レク「あの~…俺、帰ってもいい?」

メイディア「ダァメェッ! 意地悪教官と戦うの! 正義のために!」

 

 座り込んだままのレクの服を一生懸命に引っ張る。

 

レク「同情はするけど、俺の正義じゃないし、それ…」

 

 ウンコ運びなんか勘弁して欲しい。

 しかも教官をハメようとしているだなんてさすがに思わなかった。

 「穴を掘っている時点で落とし穴だと気づくだろ、フツー」と同室で同じ剣士を目指しているイヤミでスカしたフェイトがここにいたなら言うところだろう。

 

メイディア「今さら何を怖じけづいているの。ワタクシの味方だと言ってくれたではありませんか」

 

 今度は両肩をつかんでゆする。

 揺さぶられるままに、

 

レク「それはそうだけど…」

 

 確かに言った記憶はある。

が、あれはあくまで例の男につきまとわれていると思ったからであって、決して穴を掘って土まみれになり、翌日寝不足のまま訓練に勤しんだり、ウンコを運んで教官に一泡吹かせるためではナイ。

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レイディ・メイディ 4-9

 さて。

 待ちに待った夜。

 二人は約束の場所で落ち合った。

 

レク「今日は何だか辛そうだったね、メイディ」

メイディア「こんばんは。…ところでメイディって呼ぶのはやめて下さる?」

レク「? なんで?」

メイディア「いくらお友達になったとはいえ、貴方とワタクシは身分が違うのですから」

レク「そっか…わかったよメイディ」

メイディア「………」

 

 不機嫌に腕を組んで片足を軽く踏み鳴らす。

 

レク「あっ、また言っちゃった ゴメン、メイディ…あっ またっ!?」

メイディア「…………もう…いいですわ」 ため息。

     「でも身分の違いはわきまえて下さい。いいこと? お友達だから“様”でなくてもいいケド“さん”で許してあげる」

 

 細目で軽くにらんでくる貴族の娘に友達でも身分は関係あるのかと平民でしがない加治屋の息子のレクは思った。貴族は大変なんだなぁなどとのんきに。

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