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レイディ・メイディ 10-2
2007.11.09 |Category …レイメイ 6-10話
その頃、とある男子部屋。
窓辺に腰掛けて手紙を読んでいるフェイト。
手紙「前略 突然のお手紙失礼致します。先日の試験試合を拝見致しました。まずは勝利しましたこと、お祝い申し上げます。」
レク「何ソレ? 誰からの手紙?」
椅子の上にあぐらをかいたレクが尋ねる。
フェイト「お前には関係ないだろ」
レク「そりゃそうだけど…………ちぇ」
『ちょっと聞いてみただけなのにそんなにはねつけなくてもいいのにさ』
そっけなく一刀両断され、ふくれて口をとがらせた。
レイディ・メイディ 第10話
2007.11.08 |Category …レイメイ 6-10話
第10話:ラブ☆ハリケーン
新規の候補生たちの初めての試験が終了した。
学徒たちは一様に落第させられるのではないか、追い出されるのではないかと心配していたが、そんなことはなかった。
1年間のトータルでそれは決められる。
1回きりの試しだけで決定されるような事項ではないのだ。
しかしその1回目で大幅な減点をくらったクロエはこの先の試験で相当の点を取らなくてはならなくなった。
1週間の間に行われた回復と結界の試験で多少は取り戻せたとは思うのだが。
クロエ「クスン……私のバカバカバカバカ」
メイディア「もーバカなのは今に始まったことではないでしょう。いい加減にシャキッとなさい、シャキッと」
せっかくの日曜日だというのにクロエはベッドから出て来ない。
カーテンを引いたままで奈落の底まで自己嫌悪に陥っていた。
モーリー「そっとしておきましょーよー。クロエ、すごかったんですよー」
メイディア「どうすごかったのです?」
モーリー「もう、大物ってカンジ。誰も真似できないよねー。……したくないけど」
ジェーン「白組はみーんなクロエの噂話で持ちきりじゃない」
モーリー「いよっ♪ 有名人っ☆」
クロエ「やーめーてぇ~」 頭からふとんをかぶる。
『ごめんね……お兄ちゃん……恥かかせちゃった……』 ぐすん
レイディ・メイディ 9-5
2007.11.08 |Category …レイメイ 6-10話
ガーネット「何をやってるんだ……落ちるぞ」
クロエ『 「再会を喜ぶのは後でござる! ニンニン」「あっ! ヒサメさん!」「まだ敵は潜んでおるぞ。気をつけませぃ」「そうだな。ここは俺たちに任せろ、クロエ」「お兄ちゃん……ヒサメさん」「いくぞ、必殺! グレイト超スーパー素敵カッコイイアタック斬りっ! フフフ、俺の1分間に100回突き出す剣の動きについてこれるかな?」「ぐあー! なんて強い奴なんだー!!」「それ、拙者もいくでござるよ。ニンニン。ニンポウ、ニンジャの術~でござるよ、ニンニン」「キャー! 素敵、二人とも~」「チクショウ、これで勝ったと思うなよ、俺を倒してもあのお方が…………ギャッ! グフッ」「し……死んだの?」「今、何処からか攻撃魔法が飛んで来ましたわ」「仲間を殺したのね! 許せない!」「冷酷なる邪悪帝王め、私たちがやっつけるわ」「そのいきだ、クロエ。先に進もう」「ええ」 と、その時よ! 邪悪帝王の直属・ツヨイ四天王が行く手を遮る!! 「俺はツヨイ四天王のムキムキ」「私は同じくツヨイ四天王のモリモリ」「ボクは同じくツヨイ四天王のメキメキ」「おいどんはツヨイ四天王のバキバキ」「4人そろって仲良しツヨイ四天王!!」「くそう! 強そうなのか出て来たな!」「大丈夫、お兄ちゃん……」「大丈夫に決まっているだろ。俺はクロエのお兄ちゃんだぞ」「うん、信じてる」「行くぞ! 妹に指一本触れさせないぞ!!」「助太刀するでござる。ニンニン」 』
クロエ「た……大変だわ……。思ったより相手が強い……さすがはツヨイ4兄弟……。お兄ちゃんたちが追い詰められていく……何とかしなきゃ……なんとか……」 ブツブツ……
『「ハァハァ、ようやく3人目まで倒したぞ……」「さすがはお兄ちゃん」 その瞬間、倒したと思ったツヨイ4兄弟が……アレ? ツヨイ四天王だっけ? ともかくそれが起き上がって、私を人質に。「ぐはははは。この娘は実は重要な鍵だったのだ」「なんだってー!? 知らなかったー!」「フフフフフ。秘密だったのさ」「よくもだましたな! ズルイぞ!!」「なんとでも言え! この娘はもらっていく!」「お兄ちゃん! 私に構わず、コイツを討ってーっ!! お父様のカタキよー!(本当は生きてるケドー!)」「クッ、クロエ……! できない! 俺にはそんなことはできないー!」「ならば死ね! 伝説の勇者・ガーネット=グラディウス!!」「うわあーっ!」「お兄ーちゃーんっ!!」 』
「ううう……許さない……許せない……ツヨイ四天王っ!」
ひざを折って人形の上に伏せる。
クロエ「ヒドイ! あんまりよ! 再会したばかりだったのに……お兄ちゃん……」
レイディ・メイディ 9-4
2007.11.08 |Category …レイメイ 6-10話
昨日と同じ会場にやってくるとそこではすでに白薔薇候補生たちの試験がスタートしていた。
ジャック「ホラ、開会式に間に合わなかったじゃないか。説明聞きそびれちゃった」
ガーネット「……俺たちが聞いてどうする」
ジャック「それもそうだな。俺たちは青薔薇だし」
ガーネット「いや、そうでなくて」
しかしもはや聞いていないジャックは早々に早々に敷物を広げ、その後ろに2本の杭を立てて製作した垂れ幕を縛り付ける。
巨大ビックに“がんばれ! クロエ=グラディウスちゃん☆ ガーネットお兄ちゃんも見ているぞ!! 目指せ白薔薇”と書いた例のブツだ。
旗ももちろん健在。
ジャック「ホラ、ガーネットもこの旗を持つんだ」
ガーネット「……………………」
ず~ん…… 暗い表情で無理に持たされた旗を見つめる。
レイディ・メイディ 9-3
2007.11.07 |Category …レイメイ 6-10話
ガーネット「うわっ!? いつのまにっ!?」
ジャック「初めからいたが」
きちんと両手をひざに乗せて神妙な表情をしている。
ガーネット「んな正面からヒトが食べてるのを黙って見てるなっ!」
ジャック「じゃあ歌おう」
ガーネット「いらん!!」
ジャック「ある日ーパパと二人でぇー語りあったさー♪ この世に生きる喜び、そして悲しみのことをー♪」
ガーネット「いらんゆーにっ! グリーグリーンはいいっ!!」
ジャック「ああ、良いよな。父上がお亡くなりになってしまうのは切ないが、彼はきっと父上の言葉を胸に強く生きて行くことだろう」
ガーネット「“いい”の意味が違う!」
ジャック「早く食べるんだガーネット」
会話、不成立。
レイディ・メイディ 9-2
2007.11.07 |Category …レイメイ 6-10話
翌朝。
グラディウス邸。
ガーネット「う~……ふ、あ~あ」
目を覚まして上半身を起こし、大きく伸びをする。
細く開いた窓から秋の日差しが差し込み、白いカーテンをゆらしている。
ジャック「やあ、おはよう! とても爽やかな朝だ」
ガーネット「……………………………………………………」
聞き慣れた、しかしここにあってはならない声が間近から聞こえた。
まさか……。恐る恐る眼球の向きを右にズラしていくと、そこにはやはり。
レイディ・メイディ 第9話
2007.11.07 |Category …レイメイ 6-10話
第9話:クロエ妄想禄
第1日目の試験終了。
白薔薇候補生は全体で筆記試験を。
黒・赤・青の薔薇候補生の一部は実技試験を行った。
明日は黒・赤・青の筆記試験と白の実技試験となる。
夜。
食事も入浴も終わらせて部屋でくつろぐ面々。
モーリー「やっぱりメイディア様とレイ様は勝ったのねぇ~? そうだと思ったぁー」
メイディア「当たり前です」
レイオット「正直、危なかったんだけどね」 苦笑い。
「いつも練習試合ではレクに苦戦したことないのに、本番に強いタイプなのかな」
メイディア「でも負けたわ」
レイオット「こっちの運がよかっただけよ」
モーリー「またまた謙遜しちゃってェ~」
レイオット「ホントだってば」
ジェーン「レイ様、スッゴイかっこよかった~」 ウットリ。
レイオット「はは……ありがと……」
『喜んでいいものやら……』 ちょっとフクザツ。
モーリー「また女の子からのラブレター増えちゃうねー」
レイオット「……う。」