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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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響く炎:14

深之「その妻は人ではありませぬ…。響殿はだまされておる」

響「なぜ、そのようなことを申されるのです?」

深之「………いえ。その…」

響「……………」

 

 知っているだろうともさ。深之殿はワシのお焔を殺めようとしたのだから…

 けれど、何をしてもお焔は死にはしなかった。

そうでしょう、深之殿?

 

深之「…では…。その愛妻が他の男と逢瀬(おうせ)したなら?」

響「…その男を、斬って捨てましょう」

深之「もしも、それが和成様だとしても…?」

響「…和成様? それはナイと存じます」

 

 これが…。

 ワシと深之様の最期に交わした言葉となった。

 何故なら…

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響く炎:13

響「知っているか、京次」

 

 風呂上がり。

息子をあぐらのひざに乗せて、縁側。

 

京次「しらねー」

響「聞いてから言えよ」

 「あのな。魔性の者に出会って、まず一番してはいけないことを知ってるかー?」

京次「しらねー」

響「それは、話をしてしまうこと。目を合わせてしまうことだ」

 「魔性に応えてはならぬ。本物の魔性は、あの手この手を尽くさずとも、的確に心の隙をつく。知らぬ間にだまされて、魂(タマ)までとられちまう。…わかったか、京次?」京次「うん。…ちょっと」

 

 指で“ちょと”を示す。

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響く炎:12

焔「これは己(おれ)宛だ。勝手に読むでないよ」

響「オイオイ、いいじゃねーか。何て書いてあったんだよ?」

焔「己にお前さんから手を引けと。お前では響殿に釣り合わぬから実家に帰れとな」

響「……………」

焔「金子も包まれておったぞ?」

響「何だって!?」

焔「やるな、この色男っ♪ あははははっ」

響「……笑い事かよ」

焔「返事を書こう。下賎の者は、帰る実家もございませんとな」

響「金も返しておけよ」

焔「わかっておる。己は金目に興味はない。光り物なら好きだけど」

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響く炎:11

深之「…ねぇ、そのようなコトよりも響殿…? ここには妻も子もいない。幸い誰も見てはおりませんし…」

 

 周囲を見回して、急に甘えた声を出す。

 

響「…! な…何を…」

 

 寄り掛かられて、ワシはあわてた。

 …そうだ。前々からわかっていたことだ。

 深之殿はワシに恋心を抱いている。

 何年も前から。出会っていくらもしない内から。無理もない状況であったから。

 だがワシと深之殿では立場が違う。

 初めから相入れない。主君と家臣の壁は厚い。

 それより何より…

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響く炎:10

 自分も子を持つ身。

 ワガママで手のかかる子だが、可愛い。

可愛がるから、またワガママを言い出す。

 だが、それが童の姿だろう。

よく笑い、よく泣き、よくかんしゃくを起こす。

 それが。

 もっと年は上とは言っても、10に満たぬ童であるハズの十音裏様は…

 

響「十音裏様、またお一人でございますか?」

十音裏「…十音裏でございます、みゆ…」

響「響でござる。加賀美 響」

十音裏「………………」

響「…………………」

 

 十音裏様は、暗い牢獄から逃げ出そうとしたのか、壁を狂ったようにひっかき、その血で自分に与えられた名を記していた。

 もう、気狂いとしか思えなかった。

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響く炎:9

深之「十音裏、会いにきてやったぞ」

 

 離れにある蔵の鍵を開けると、真っ暗な部屋の中で、壁に名を刻んでいる子供が一人。

 眩しそうに目を細めて振り返る。

 

響「…これが…鬼子…?」

十音裏「……………」

 

 十音裏…様は、陶器でできた儡人形(でくにんぎょう)のようだった。

 色のない顔からは表情が消えうせ、死人のように濁った瞳には希望の一欠けらもない。

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響く炎:8

 ……どうやらワシとアレの子であるらしいソレを、我々は京の次で京次と名付けた。

 本当はワシの子だから、「響次」にしようかと思ったが、「京」の方が華やかだと思い、そうなった。

 だが、ワシはあまり自分の子だとは信じてはいなかった。

 一月(ひとつき)くらいで「ハイ、赤ん坊ができました」って……んな無茶な話があるか。

 浅漬けじゃないんだぞ!?

 しかし、そうと言われたからには、どこかに捨ててくるワケにもいかず、テキトーに育てることになった。

 だが。

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