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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 24-4

 ……その通り。

 

メイディア「お父様に言って一生分の生活を面倒見てさしあげるから、田舎にお帰りなさいよ。お母様の目の前から消えてちょうだい。お母様はお優しいから許可して下さったかもしれませんけどね、ワタクシは違います」

 

 本当にどうしようもない娘であった。残念なことに。

 ただ一つ、救いがあるのだとしたら、母の名誉を守りたい一心だということ。

 とはいえ、それで相手を傷つけていいいわれはないのだが。

 シラーもシラーでわざわざ自分が不利になるように仕向けている節がある。

 放っておけば、初めはシラーに対して同情的だったメイディアなのだから、ここまで騒がなかったものを、だ

 彼女からすれば、悪いのは父と妻がいることを知っていてさらに身分違いだというのに恋をしたシラーの母。

その間にできてしまったシラーに何の落ち度もないことは彼女にもわかっていたのである。

 しかしシラーが自分こそが正当なる後継者で、メイディアとは間違われたのだと噂を広めたものだからさぁ大変。

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レイディ・メイディ 24-3

メイディア「しばらくは知らないということで通しましょう。ええ、それがいいわ。…………考えがまとまるまで」

アン「???」

 

 しかし現実はそう甘くない。好まざるまいと事態は進んでゆくのである。

 教室で食堂で廊下ですれ違うシラーはすでにこのことを承知していて、メイディアと顔を合わせるたびに薄く意味深な笑みを浮かべるのだった。

 第一次シャトー令嬢大戦の勃発である。………?

 

 

 手紙と共に送られてきた新しい娘への資金は、通常では考えられないくらいの額であった。

 それはずっと放置していた伯爵の負い目と伯爵夫人立案の作戦からであった。

 勝手に出て行ったメイディアには資金を援助せず、シラーの方に援助金を出すことでメイディアを精神的に追い込もうというのである。

 娘のメイディアは、自分以外に娘がいた事実とそちらをヒイキにすることで問い詰めに戻ってくるであろうというのが夫人の狙いだ。

 そうでなくとも何不自由なく育った箱入り娘。

 我慢などという芸当がそんなにできるとは思えない。

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レイディ・メイディ 24-2

 そうだ。

まずはそれを確かめねばならなかった。

 確認のため、の手紙を書こうとして手を止める。

 

メイディア『待って、待って? このことをお母様がもし知らなくて、この手紙で知ったとしたら……』

 知らなくていいことを知ることになる。

 

メイディア「んん? けれどお父様が今頃になってワタクシにだけ“姉妹なのだから仲良く”だなんて書いてくるハズがない……。もうお母様は知って、それを甘受していると考えた方が自然ですわ」

 

 となれば、話は別。

 自分は両親の命令で彼女を姉妹と認め、仲良くしてやらなければならない。

 

メイディア「うぐぅ~……」

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レイディ・メイディ 第24話

第24話:姉妹

モーリー「ねーえ、何読んでるのォ?」

シラー「待ってました、お手紙」

 

 のっしりとおぶさってきたモーリーの肉感を背中越しに感じながらシラーは満面の笑みを浮かべた。

 

モーリー「いいな、いいな~。私んトコのママン、手紙よこしてくれたコトないんだよー」

シラー「それは寂しいわね」

モーリー「……なーんて☆ ウチのママは文字の読み書きできないから、無理なの知ってんだけどぉ~。アハハッ♪ 薔薇騎士なれてもなれなくてもとりあえず、家に帰ったら文字でも教えてやろっかな~」

ジェーン「うん、それっていいんじゃない?」

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レイディ・メイディ 23-5

夫人「シラーは手元に置きます。メイディは公爵家で幸せになるの。これの何が悪いというのですか、貴方は」

伯爵「……少し……考えさせてくれ」

 

 伯爵はすっかり冷めてしまった飲みかけの紅茶をそのままに、談話室を後にした。

 まさか15年以上も経ってから自分のもう一人の娘が訪ねてくるだなんて思いもしなかった。

 自室に戻ると身を投げるようにソファーに転がる。

 きっと母親のマルガレーテが死んでどうにもならなくなってここを訪ねてきたに違いない。

 そう思えば確かに可哀想に思える。

 だからといって、この伝統のある血筋を今さらになって現れた不義の娘に一切をくれてやろうというのか?

 

伯爵『しかしメイディは公爵家に……』

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レイディ・メイディ 23-4

 惨たらしい惨劇の跡を目の当たりにして、感情のカケラも見せずに初潮を迎えた少女の気味の悪さといったらなかった。

 事情聴取を受けた彼女だったが、わけのわからないことを繰り返すばかりでどうにもならない。

 結局、犯人を見たのか知っているのかも聞き出されないままに、シャトー家は権力を行使して治安部隊から娘を取り返すことに成功した。

 シャトー家としては、娘がこんな血なまぐさい事件に関与しては絶対にならないのである。

 真相がどうであろうと構わない。

 それよりもメイディアに不吉な娘として噂でもたったら、花嫁として“売れなく”なる。

 そちらの方がずっとずっと一大事なのだ。

 当時の治安部隊は、ショックでメイディアが何も覚えていないのだろうと判断したが、初潮以外に血が服に付着していたことから犯人を目撃したのだろうと見当をつけていた。

 真相を探ろうとメイディアに面会を求めたが、結局シャトー家は捜索を受け付けなかった。

 娘は何も知らないの一点張りで。

 しかし家に連れ戻された彼女は得意げに言う。

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レイディ・メイディ 23-3

母「シラーは良い子よ。始めはそれは私だって疑いました。けどね、彼女は母である私に会いたい一心で門を叩き続けたのですよ。私に追い返されるであろうこともわかっていて、それでも会いに来たかったの。金貨をくれて追っ払おうと思ったら、金貨も断わったのですわ。なんて意地らしいのでしょう!! もちろん、家に住まわせることにも多少の不安はあったけど、何もなくなりはしなかったし、入っては行けない部屋には決して近寄らなかった。とてもよく気が付くし、本当に良い娘さん。今だって私の頼みを聞いて、養成所に入ってメイディの説得にかかってくれているのですからね。毎月ちゃんと決まった日に手紙をよこして……。あんな子が嘘などつくものですか」

父「…………………………」

 

 夫の売り言葉に買い言葉で、夫人はシラーをこれ以上ないほど持ち上げた。

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