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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 24-11

 ローゼリッタの貴族は新しい命が授かると教会で祝福と洗礼を受けることになる。

 そして二人の間の子であることを証明するために、生まれてすぐの赤子の手にインクをつけて指紋を取るのが決まりであった。

 指紋……ここでは手紋と呼んでいるが、それは神が一人一人に与えた命の紋様とされている。

 大きな商人の家でも貴族に真似て同じよなことが行われていたが、一般平民の間ではわざわざしないことだ。

 血筋を何より重んじる貴族ならではの儀式といって差し支えないであろう。

 だからこそ貧民として過ごして来たシラーは知らなかったのだ。

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レイディ・メイディ 24-10

 医務室。

ミハイル「…………………。だからって……」

 

 赤毛のミハイル保健医は盛り上がった一つのベッドを呆れ顔で見つめた。

 

ミハイル「保健室でイジケるなよ…………ナツメ」

 

 ナツメ(菜摘芽)という名を与えられた氷鎖女が布団から顔だけ出して、恨みがましくミハイルを睨む。

 睨んだところで額あてをしているのだから、ミハイルからはわからない。

 

氷鎖女「人間不信とか言う心の病でござる。放っといて下され」

ミハイル「……っていうか、ベッドに入っているときくらい、ソレ取れよ……頭の

氷鎖女「…………嫌だ」

ミハイル「……………………」

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レイディ・メイディ 24-9

 しかしそんな事情は全く知らない教官たちはお気楽なもので、気にした様子がない。

 当然と言えば当然だが、顔を隠している以上、何かあることを察して放っておいて欲しかった。悪ふざけにも程がある、氷鎖女は本気で思っていた。

 今は日中とはいえ室内でそんなに光を浴びなかったから良かったものの、瞳がおかしいと知れれば魔性である疑いがかかり、今すぐにでも捕らえられて裁判にかけられてしまう。

 

ヴァルト「まぁまぁ、悪かった悪かった。それはそうとしてハタチには見えんなぁ。……歳、ごまかしてないか?」

氷鎖女「……悪かったと思っていないでござろう」

ヴァルト「まぁな」

氷鎖女『オイッ』

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レイディ・メイディ 24-8

氷鎖女「…………………………よくわからないが、断る」

ニケ「えいっ☆」

 

 突然、額あてを下に引き下げる。

 

氷鎖女「っ!??」

 

 大きく開けた世界。いつもより多い光が瞳に届く。

 

氷鎖女「……………………」 硬直。

 

 ヒュウ、と口笛を吹くナーダ。

 

氷鎖女「……………………」 瞬き。

ヴァルト「こんな顔だったっけか」 まじまじと覗き込む。

氷鎖女「…………ぎ……」

ニケ「♪」

氷鎖女「ぎゃあぁぁあぁ            っ!!!」

 

 キィィーン

 ものすごい悲鳴が上がる。

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レイディ・メイディ 24-7

 教官・職員室。

 

ナーダ「シャトー家はどーなってんの、まったく」

 

 教官用に配られた昼食に手をつける。

 

ヴァルト「貴族の問題は複雑だからなぁ」

 

 だから貴族のボンボンやお嬢様が入所するのは嫌なんだという含みが言葉の端から伺える。

 

ニケ「氷鎖女のクラスでしょ、何とかならないの?」

 

 スープをスプーンで掻き混ぜる。

 

氷鎖女「拙者が? 何故」

 

 一人で二本の棒……つまりお箸を使ってご飯を食べている。

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レイディ・メイディ 24-6

 身から出た錆び?

 あまりに幼稚で考えのない行動に出たために周囲はほぼシラーの手中。

 立場は悪化する一方だ。
 ……ぶっちゃけ、本人が悪いのだが。

 しばらくするとシラーを表向きは避けつつ、けれど取り入ろうとしている連中にメイディアも少しずつ気づき初めていた。

 

メイディア『何ですの、サイテー、サイテー!』

 

 気づいたら周りは敵だらけ。

広がる陰口。

自分が仕掛けたのを棚に上げて、怒り心頭。

 取り巻きたちにも当たり散らして、人心はさらに離れて行く。

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レイディ・メイディ 24-5

 シラーの悪いところが表ざたにならないとくれば、あとは同情を買うのはお手の物。

 特にメイディアのような隠し事が苦手で何でも思ったことを口にする相手には有効な手段であることを知っている。

 噂話という究極の情報戦にメイディアは初めから敗北していたのである。

 皆の前で大っぴらに姉妹を差別するメイディア。

 さめざめと泣き暮らすシラー。

 軍配の上がる方は目に見えている。

 

レイオット「メイディアッ! シラーに謝りなさい」

メイディア「お断りよ」

レイオット「どうしてそうなの!?」

メイディア「どうしたもこうしたもありません。下賎の者に口を利いてやるいわれはないだけです」

レイオット「コラッ!」

メイディア「フーンッだ」

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