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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 第57話

第57話:東から来た魔法使い
 その異国の女は美しかった。
 おかしな言い方かもしれないが、気味が悪いほど、美しかった。
 その女は口が利けなかった。
 いや、口は利けたが、女が操る言葉はこの大陸では何一つ、通用しなかったのである。
 密航して西の大陸に降り立ったその女は、当時まだ齢は12、3の小娘であったが、それでも充分に男を狂わせるだけの魅力が備わっていた。
 人の美しさを超越した、生まれもっての魔性。
 いくら穢されてもその透明な美しさが損なわれることはなく、また、いつまで経っても可憐な少女のようだったと言われている。
 子を産み、短い生涯を終える間際まで色あせる事なく、その存在はきらめきを放ち続けるのだ。
 言葉が通じず、また守ってくれる者もおらず、当初、彼女は男の間を流されるただ肉人形であった。

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レイディ・メイディ 56-12

メイディア「ダメなのに鍵を渡すなんて………ワタクシを試しましたのね、お人が悪い」
氷鎖女「そうではない。別々にしておくと拙者、忘れてなくしてしまうからでござる」
メイディア「一緒にくっついていたら、退屈だし見たくなってしまいますわ」
氷鎖女「うーむ。別々にして渡せばよかったか」
メイディア「……いえ……渡されてしまいますと別々にしてあっても同じなんですけど……」
氷鎖女「拙者、自分で管理できないもん」
メイディア「…………」
 
 わかる気がする。
 何しろ、大事な試験の知らせも生徒に伝え忘れてしまう困った先生なのだ。
 
メイディア「そもそも、どうして入ってはいけない部屋ですの?」
氷鎖女「さっきのように槍が飛び出す仕掛けになっているから」
メイディア「この部屋は平気でした」
氷鎖女「ここは完成間近のあの人形に悪さされると困るから」
メイディア「しっ、しませんわよ!」

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レイディ・メイディ 56-11

メイディア「んもーっ! んもー、んもー、んもぉっ!!!
 
 地団駄踏む。
 
氷鎖女「ブッフー♪ あんの驚きっぷりったら……プププッ」
メイディア「今日から戻らないとおっしゃってたではありませんかっ!!」
氷鎖女「いやな、この部屋の仕掛けの解除を忘れておった気がしてな」
メイディア「気がしてではありません! 危うく死に至る所でしたわっ!!」
 
 槍を指差す。
 

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レイディ・メイディ 56-10

メイディア「よ、よし……」
 
 上手く行ったことに感謝して、隙間から体を滑り込ませた。
 その瞬間!
 床から天井から数本の槍が勢いよく飛び出して来て、危うく串刺しになる所であった。
 音を鳴らさずになどという考えはすでに吹っ飛んでいた。
 悲鳴が屋敷中に響き渡る。
 
メイディア「きゃああああっ!??」
 
 転がって難を逃れたメイディアは室内にもう一つあったドアに向かって走った。
 物音がしたのと反対側に位置している。
 ドアを開ければ外だ。
 外観を未だ見て回っていないメイディアだったが、ここにドアがあるということは、2階から出入りできる階段がついているのだと見当をつけた。
 
メイディア「早く、早く逃げなきゃ!!」
 

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レイディ・メイディ 56-9

 年越しの晩に、母親に毒を盛られて殺された少女は。
 父親も知っていたはずだ。
 見て見ぬふりをした。
 するとやはりあの兄が氷鎖女ということか。
 それとも全く別の……?
 
メイディア「ううん。確かにこの絵だった……アレ?」
 
 抱いていた絵をよく見てみれば、どの人物も顔が違う。
 いや、絵の中の人物にはどれも顔がなかった。
 髪や影に隠れていて表情が読み取れないようになっている。
 温かく優しい雰囲気は、人物の表情よりも絵の全体から醸し出されているものだったのだ。
 

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レイディ・メイディ 56-8

母「ああ、ああ。こんなに冷たくなって。手も真っ赤」
 
 母親は口をぱくぱくさせて、メイディアの耳に聞き覚えのない言葉を発していたが、何故か意味は正確に伝わってきた。
 娘の赤紫に凍えた手を両手で包んで温める母親の愛にメイディアは胸を打たれた。
 
メイディア「こんなお母様の元で育つのはきっと幸せに違いないわ」
 
 嬉々として声に出したが、誰もこちらを見向きもしなかった。
 メイディアから見えていても、相手のいる場所に存在してはいないのだ。
 
母「今日はな、大晦日だからほら、特別に白いご飯。たんと食べて大きくなり」
 

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レイディ・メイディ 56-7

 ヒトサマの荷物を残虐にも荒らす暴君は、恋心を綴った何かブツを求めて別のものに行き当たった。
 また絵画だ。
 
メイディア「そうね。絵にしている可能性も高いですわね」
 
 謎の多い教官・氷鎖女の秘密を暴く誘惑に夢中になっているつかの間、メイディアは恐怖心を忘れられた。
 無意識に恐しい記憶から逃れようとしているのかもしれなかった。
 ……やっていることは、決して褒められたものではないが。
 絵はやはり他の部屋にあったものと変わらず、クロエらしき人物は見つからない。
 代わりにだまし絵などが登場して注意はあっと言う間にそちらに向いてしまった。
 続けて見つけたのは、
 
メイディア「家族……?」
 

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