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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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203号室 著:加門 七海

 ホラーです。これは当たりでした(^-^)
 大当たりってまではいきませんが、でもちゃんと楽しかったです。
 皆さんのレビューの評価が全体的に低かったので、ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!だったんだけど、自分は楽しかったです(笑)
 評価低い人と高い人では、楽しみ方が異なっていて、自分も評価高い人と同じ楽しみ方だったので、その差かも。
 スプラッタ系ではなく、精神的に怖い系。
 薄くて軽いから、電車で読むのに最適かも。
距離にもよるけど、行き帰りとあとは寝る前のちょっとした時間ですぐに読み終わってしまうのでは、というくらい。
 内容も退屈しないので、あっという間でした。
 というワケでネタバレあらすじ+感想です。

 


▽つづきはこちら

 都会に憧れるヒロイン清美は、東京都内の大学に受かり、春から念願の「都内で一人暮らし」を始めた。
 ただちょっぴり残念なのは、繁華街にあるキレイなマンションに入りたかったけど、家賃が高すぎて叶わず、都心から離れたところにあるアパートになってしまったこと。
 両親に無理をお願いして一人暮らしをさせてもらっているので、さすがにそんなワガママは言っていられない。
 せめて部屋の中だけでも雑誌に載っているようなお洒落な空間にしようと頑張る清美。
 色んな店を渡り歩いて気に入った家具を揃えて、あとは雑誌に載っていたものになるべく似たような初期などを100円ショップで探す。
 この辺、超共感しました!(笑)
 特に100円ショップ!www
 自分だけの城を手に入れたら、中をお洒落にしたいってハリキルよねっ!
 しかもなるべくお金をかけずに!(笑)
 我もきっと同じ行動とるわ~とか思った。

 近くのドラッグストアでバイトをしつつ、大学生活スタート。
 滑り出しは順調……のはずだった。
 ある日ふと、清美は自分の部屋に違和感を覚える。
 ……臭い。
 何かが腐ったような匂いがする。
 けれどどこを確認しても匂いの発生源はわからない。
 しかも時々、床の一部が今まで誰かが座っていたように温かいときがある。
 みしりみしりと誰かが歩いているような音が聞こえるときがある……
 ソファベッドで居眠りしていてふいに違和感を感じ、瞼を上げるとそこには汚れた男の脚が!
 驚いて固まっているとやがてそれは消える。
 電気をつけても誰もいない。
 今のは、夢?
 テーブルの真ん中に乗せてあったはずの物が床に落ちている。
 まさか、誰かが出入りしたと言う可能性はないだろうか?
 それともホームシックになっているから、普段なら気のせいで流してしまうようなことも過敏な反応をしてしまうのだろうか。
 日に増してゆく不安を抱えながらの生活だったが、せっかく手に入れた自分の城を手放したくはなかった。
 なるべく気にしないようにしていたが、それでも容赦なく異変は起こる。
 天井の電気の上辺りに黒い塊を見つける。
 それがもぞもぞ動いていると思ったら、蝿の大群だった!!
 慌てて殺虫剤をまいて蝿を追い払う。
 その跡には、黒い染みが……
 ひょっとして、天井裏で鼠が死んでいて、そこから出た体液が染み出して蝿がたかっていたのでは?
 後日、大学の男友達に頼んで天井裏を見てもらったが、何もない。
 この部屋は過去に何かあったのではないかと周りの住人や管理会社に問い合わせたが、前に住んでいた学生が家賃を滞納して夜逃げしてしまったけれど、殺人や自殺などの事件はなかったとのこと。
 繰り返し起こる不気味な怪異。
 不眠症になり、神経を削られていく清美。
 幽霊を信じると言っていたから思い切って話したのに、男の足が見えたというと欲求不満なんじゃないのかと意中の男友達に言われ、憤る。
 劇団に所属しているバイト先の女の先輩に相談し、もう家にいられない、泊めてくれと泣きつくと霊能者の知り合いがいるから紹介すると劇団メンバーが集まる飲み会に誘われる。
 しかしそこでは彼女の話は酒の肴にされるだけで、真面目に聞いているようには思えない。
 そのうち現場に行きたいと言い出して、ぞろぞろと今日始めて会った人を連れていくことに。
 ドアを開けて清美は息を飲む。
 たった数時間、家を開けただけなのに部屋の中は埃で真っ白。
 誰かが言った「汚い部屋」という声に、さっきまでこんなことはなかったのにと深く傷つく。
 霊能者は「この土地には、江戸時代に珍しい動物を飼ってきては虐待して殺し楽しんでいた裕福な一族がいた。その動物の怨念が悪い物を沢山、呼び寄せている」と語る。
 しかし、清美が不動産屋などに聞いて調べたところによるとこの辺りはつい最近まで田圃だったという。
 反論をすると理屈に合わない理屈で強引に締めくくられてしまう。
 しかも清美の反抗的な態度は、悪霊の影響だと言い放ち、清美がこの霊能力者はダメだと諦めて部屋に積もった埃の掃除を始めると今度は、自分が今、お払いをしたから心が晴れて掃除を始めたのよと自信ありげに言い出す始末。
 これでもう解決とばかりに出て行く面々。
 結局、怪奇現象は目の前で起こらなかった、つまらないという態度を隠さない連中。
 清美は悔しかったが、それでもこんなところに一人残されてはたまらない。
 バイトの先輩に一晩でいいから泊めてくれ。明日にはこの部屋を出るからと懇願する。
 しかしそれまで親切を装っていた先輩は急に迷惑顔で、今は彼氏が泊まりに来ているからダメだと冷たく一蹴。
 しかも去っていく彼等の会話はさらにヒドイ。
 霊能者は霊能者もあそこには何もいなかった。あの女を黙らせるための嘘だったと言って皆で笑い者に。しかも清美を妄想力が強くて目立ちたいだけの、自己顕示欲の塊り扱い。
 バイト先輩はあの女(清美)に取り疲れているんじゃないのと言う男友達の冗談に悪い子じゃないけど、依存心強すぎと述べる。
 取り残された清美は、それを聞いてしまい、心身ともにボロボロ。
 自分も確かに都会に出てきたばかりで寂しさや孤独感もあって、そう親しくないうちから距離を詰めようと必死になっていたかもしれないと反省しつつ、それでも悲しくて悔しくてたまらない。
 腹の立つことに彼等が出て行ってから、待っていましたかのように再び、ポルターガイスト現象。
 埃の上に大きな片方だけの足跡。
 清美はここにはもう一刻たりともいられないとバッグを持って夜逃げ同然に逃げ出す。
 だが、駅についてはたと気がついた。
 財布がない!!
 しかしもうあの部屋には恐ろしくて戻れない。
 そんなところに丁度良く、大学の男友達が通りかかります。
 信じると言いながらも信じてくれていなかった彼にもう期待するのはやめにしていたが、一度だけ。
 財布を取りに行かなくてはならないけれど、怖くて戻れないと頼み込み、一緒にアパートへついてきてもらうことに。
 ところが部屋に入った途端、自分のことを誘っていたんだろうと彼が本性を向き出しに襲ってきた!
 抵抗しているうちにそれが本物の彼ではなく、得たいのしれない怪異だと気付く。
 天井の染みは広がり、カーテンにはあまたの目が清美を監視する。
 叫んでハッと目を覚ますとベッドの上にきちんと寝ていた。
 あれは夢だった?
 しかし彼女の腕には男に握られた跡の痣が残っていた!
 これまで怯えていた清美は怒りに任せて叫ぶ。
 ここは私の部屋だ! 出て行け!!
 すると「お前か、お前だな? 許さない。脅かしやがって」と男の声が返って来る。
 清美の足が何者かにつかまれ、闇の中に引きずり込んでゆく。
 そこで彼女は見た。
 自分を闇に引きずり込もうとする男の後ろにも複数の男女が連なっているのを。
 そして理解した。
 元凶はこの男ではない。
 そこにいる誰でもなかったのだ。
 彼等は、自分と同じようにしてこの部屋の得たいのしれない闇に飲まれて消えて行った学生たちだったのだ!
 このままでは自分も呑まれて死んでしまう。
 どうにか脱出しなければ。
 いや、逃げるのではなく、戦うのだ!

 落ちる感覚と全身を痛みが駆け抜けると同時に視界が明瞭になって、清美は部屋の床に這い蹲って倒れています。
 とりあえず、闇は遠のいて助かったらしい。
だけどまだ決着はついてない。また怪異はくるに違いないと身構えます。
そこへドアが開いて、女が入ってくる。
女は満足そうな笑みを浮かべると倒れている清美を一瞥したようだったが、またいで素知らぬ顔で部屋に踏み込んでくる。
清美はコイツこそが元凶だと悟り、憎しみに駆られて女の首に背後から手をかける。

……こんな風に終わります。
オチを言ってしまうと、闇に呑まれた時点で、清美はたぶん死んでいます。
 死んだというか正体不明の闇に存在が呑まれたというか。
 で、最後に入ってきたのは、新しい入居者なんですよね、人間の。
 すでにここでは清美は幽霊となってて、でもそれに気付いていない。
 清美は夜逃げ(失踪)したことになってて、新しくこの部屋は別の入居者が入ってきた。
 で、物語は最初に戻る、みたいな。

 こういう系の話大好きなので(笑)
 我としては良かったです(´∇`)
 夢か現実か次第に曖昧になっていき、最後には取り込まれて自身が怪異となってしまう。
 よくあるオチといえばそれまでなんですけど、だから自分の中の名作にはいれられませんが、軽く楽しむ程度には、全然OK~♪

 何が良かったって、出てくる人物がいちいちリアルでいるいる! こういうヤツいるー!!って思わず叫びたくなるww
 主人公の清美は、新しい部屋に浮かれて、お洒落にしたいと思い、でもお金がないから100円ショップのモノを駆使してなんとかそれっぽく見せようとする涙ぐましい?!(笑)努力とか、怪異が起きても最初は自分でも半信半疑で信じず、気のせいで済ませようとしていたりとか、その辺で共感できた。
 先輩に泣きついた結果、酷く惨めな気持ちになってしまうところなんか、すごく可哀想でした。
 清美がちょっと気になっていた男子はミステリー小説オタクなんですが、オタク男にありがちな嫌な面とか盛り込まれていて、実際にこういうヤツいるよ~……とか思ってしまった。
 それと女優を目指しているバイトの先輩の、上辺は大袈裟に優しそうに見せかけて、その実、優しい自分に酔っているだけだったり。
 霊能力者もうわ、OOちゃんみたい……と我の中で実名がチラホラ……(笑)
 出てくる人物、全員、その辺にいそうなくらいリアルでしたwww
 清美が霊能力者や先輩に酷い言われようをして傷つき、落ち込む中にも、それは本当のことかもしれないと自分を振り返り反省するところがあるのですが……その考え方にも納得。
 “人間”がしっかり書かれていると人間を見るのが好きな読者には、ありがち内容であれど楽しめるんじゃないかなって思えました。
 怪異が主軸というより、人間の関り方とかそういうところがクローズアップされた作品に思えました。
 これが楽しかったので、この作者の別の本も読んでみることにしました(^-^)

拍手[2回]

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●Thanks Comments

面白い!

コレ、あらすじ読んでるだけでも面白かったです!

でも我としては、最後は闘いに勝ってほしい‼
なんできちんと家賃払ってる無関係な人間が、先住民?に屈さなければならないのか(´Д` )
もうゴキ○○と同等の扱いで、駆除するのみ(笑)

ただ物語的には、清美によってまた繰り返される事になるだろうこの部屋の続きを思わせるラストとか良い…!
是非、次の住人には負の連鎖を断ち切って、なぎはらってほしいヨ(笑)

From 【P】2013.01.08 10:52編集

Re:面白い!

わーい♪ 楽しんでもらえてよかったです(^-^)
頑張ってあらすじ書いた甲斐があった♪

理不尽に過ぎるよね、清美に我もスカッと勝って欲しかった気持ちもありましたよ(笑)
でもお話としては、こっちのがいいけどね。
全員が被害者となると、闇を作り出していたのは何だったんだろうっていうのが残るね。
しかも築6年で古いわけでもない。
不思議を残したままでちょっと気になるのです。

From 【ゼロ】 2013.01.09 12:39

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