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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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渋谷怪談 著:福谷 修(あらすじ)

 合コンキャンプに出かけた大学生男女6人。
 夜になり、お約束の怪談話になる。
 リエカが網に入れて川の中で冷やしていたビールを取りに席を外す。
 そこで微かに赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。
 怖くなって皆の元へ急いで戻る。
 皆に伝えるが、信じてもらえない。
 リエカ本人ももしかしたら気のせいだったかもと思い始めると、良平が懐中電灯で川とは反対側の道路沿いにある地蔵を照らし、あの地蔵は水子供養の物らしいと言うので皆が黙ってしまう。
 その沈黙の中にまた、赤ん坊の泣き声が……
 友人の愛と一緒に耳を澄ませたら、いきなり「ここだぁぁ!!」と圭太郎が地蔵の頭を突き出してきた。
 悲鳴を上げて圭太郎を批難する女の子たち。
 実は驚かせようと落ちていた地蔵の頭を拾ってリュックに隠していたのだと圭太郎が言う。
 これで赤ん坊の声はうやむやになり、そのまま恋バナに突入。
 このときから、リエカは謎の赤ん坊の声に悩まされることになるが、ここでは気のせいで片付いてしまっていた。
 それはあとに変死を遂げる彰彦も同じだった。


▽つづきはこちら

 楽しかったキャンプから戻ると女子は渋谷駅の側にあるコインロッカーに預けていた学校用の荷物を取り出す。
 そこでこのロッカーは幸福のロッカーと呼ばれている事を男子に説明。
 意中の相手に渡すプレゼントを入れておくと両思いになれるというものだった。
 記念に全員で写真を撮って解散。
 キャンプで意気投合した愛と彰彦は、後日二人で会う約束をしていた。
 ところがそれからしばらく。
 愛と彰彦と連絡が途絶えてしまう。
 学校にも出て来ない。
 電話しても通じない。
 不審に思ったリエカが愛のアパートに訪ねるがチャイムを押しても反応がない。
 試しにドアを開けたら、あっさりと開いてしまった。
 途端、鼻をつく悪臭!
 そして夥しい蝿とゴキブリ。(だったかな?)
 布団が丸く盛り上がって、そこから赤ん坊の泣き声?
 恐る恐るめくってみると、ミイラのように痩せこけた全裸の男……彰彦の姿が!
 死んでいるかと思いきや、動いた。
 まだ生きている!
 しかしそこに例の赤ん坊の声が……
 うずくまった彰彦はリエカの方を見るといきなり絶叫。
 視線の先、リエカの足を小さな手がつかんでいた!!
 驚いて尻持ちをつくリエカ。
 彰彦はがくりと気を失ってしまったようだ。

 警察を呼び、リエカは第一発見者として呼ばれる。
 彰彦はショック死してしまい、部屋の主だった愛は行方知れずのまま。
 家族から捜索願が出された。
 落ち込んだリエカを元気付けようとともにキャンプに参加していた友人・夕菜が買い物に誘い出す。
 裏路地にあるブティックで服を選ぶ二人。
 そのうち試着室に入ったリエカが、いつまで経っても出て来ない。
声をかけても返事がなく、夕菜はある噂を思い出す。
裏路地のブティックの試着室には入ってはいけない。
鏡が実はマジックミラーになっており、試着室には行った途端、マフィアに攫われて、手足を切った姿で見世物小屋に売られるというものだ。
嫌な予感がして声をかけながらそっとカーテンを覗くとリエカが元気に顔を出す。
悪ふざけを仕掛けられたのだった。
まったくと怒りながらも、ホッとする夕菜。
 今度は逆に夕菜が試着室に入り、外で待つリエカと会話をする。
いきなり「どん!」という音がしたかと思うと何かを激しく引っ掻く音が続き、そして沈黙。
リエカは不安に襲われながらも、さっきの仕返しだなとカーテンを開けた。
 そこには夕菜の姿はなく、床には無数の引っ掻き傷と……引き千切られた夕菜の爪が!
 しかも中の鏡には、毛布に包まった丸い物が映っていた。
 リエカの後ろにはそんなものはない。
 実体のないその毛布の中から髪の毛がざわざわと這い出し、顔が出てきた。
 赤ん坊だ!
 リエカは無我夢中で店を飛び出し、走って逃げる。
 もう走れないと言うところまで来た時、携帯にメールが入った。
 見ると圭太郎が撮った夕菜の写真が添付されており、しかもそれが目をくり抜かれたミイラと化していた。
 差出人は不明となっていたが、これを撮ったのは圭太郎だ。
 もちろん、撮ったときは一緒にキャンプに行った帰りだから、そのときはマトモな写真だった。
 変な加工をして送りつけてきたに違いない。
 怒りに任せて圭太郎に電話をかけるが、そんなものは送ってないと言う。
 その後、良平に電話をかけ、圭太郎も合わせて三人で例のブティックを見に行くことに。
 ところが試着室には爪はおろか、床の引っかき傷もきれいになくなっている。
 店員にそれとなく聞いても中には何もなかったと言うし、試着室の後ろはコンクリートの壁で側面は棚、反対側は通路に面していた。
 結局、隠し部屋などなさそうだ。
 実は、と良平が自分のところにも今日の昼頃、写真が送られてきたのだと携帯を見せる。
 そこにはリエカが受信したのと同じ写真ともう一つ。
 夕菜が試着室にいるのを頭上から写した物で、しかもそこに小さな手が彼女の足首を捕まえているではないか。
 それから、最近、自分もリエカが言ったように赤ん坊の泣き声が聞こえていたと告白。
 すると圭太郎も実は自分もだったと告白する。
 キャンプに行った一人が変死、二人が行方知れず。
 残り三名が赤ん坊の声を聞いている……。
 そこで彼等は気がついた。
 キャンプ場の首なし地蔵。
 水子の霊に取り疲れてしまったのではないか?!
 その結論にたどり着くと突然、圭太郎が土下座して謝った。
 実はあの地蔵の首をもいだのば自分だったのだと。
 皆を怖がらせるつもりで、軽いつもりの悪ふざけでやってしまったという。
 原因は、きっとそれに違いない。
 三人は急いでキャンプ場へ車を走らせ、捨てた地蔵の頭を探し出し、接着剤で元通りにつけ直し、線香を焚いて祈り、地蔵に謝罪する。
 これできっと大丈夫だと気持ちが軽くなった三人は、ファミレスに入って一息。
 ところが急に圭太郎の頭が振るえ始め、あまりの振動で首の骨を折って死んでしまう。

 それからのち、行方不明になっていた愛が焦点の定まらぬ目をしてフラフラ歩いているところを保護された。
 リエカと良平が会いに行くが、すっかり痩せこけた愛は、一点を見つめて呼びかけに応じてくれない。
 手では何かの鍵を弄んでいる。
 一週間後にまた病院に訪ねていくと、愛は病室のシーツで首を吊って死んでいた。
 その手には、あの日も持っていたキーが。
 見覚えがある。
 これはあのコインロッカーの鍵では?
 医師の指示で廊下に出されたリエカたちの耳に、何かが這って来る音が届く。
 廊下の片隅で布に包まれた塊りが……
 これまでにリエカが何度か目撃しているものと同じだったが、以前よりも明らかに大きくなっている。
 布の中から髪の長い幼女が姿を現した。
たまらず逃げ出す二人。

 二人は愛が自殺したときにも手にしていたコインロッカーの鍵の意味を考える。
 ひょっとしてこれは彼女からのメッセージだったのではないか?
 リエカはあることに思い当たった。
 キャンプの日に利用したロッカー。
 あれが原因なのでは?
 布に包まれていた塊りは見るたびに大きくなっていた。
 ……成長していた。
 あの化け物は、コインロッカーに捨てられた赤ん坊の霊なのではないか?
 このままでは自分たちも殺されてしまう。
 どうにかしないと。
 ヒントを期待してコインロッカーに向かう二人。
 007のロッカーを開くと、中から大量の髪の毛が出現し、慌てて閉じる。
 すると中から、コンコンとノックするような音。
 すぐにドンと激しくぶつかる音に変わり、扉が開いてしまう。
 中から出てきた幼女の腕がリエカを中へ引きずり込もうとする。
 抵抗する中であるビジョンが頭に入ってきた。
 女子高生が男に強姦され、妊娠。
 自室のベッドで密かに出産し、生まれたての赤ん坊をコインロッカーに入れて、その鍵を捨ててしまう。
 しかし鍵はいつの間にか女子高生の机やポケットに戻ってきており、女子高生は気が触れて死んでしまう。
 警察がコインロッカーの赤ん坊を見つけたときには、すでにゴキブリに食われて腐乱していた。
 ロッカーに吸い込まれそうになっているリエカを良平が助け、幻から覚める。
 リエカは無事脱したが、代わりに良平が捕まってロッカーの中に引きずり込まれてしまった。
 あわててロッカーへ近付くが、もうそこには何もなくなっていた。
 そのとき、携帯が鳴り、出てみると「もしもし あたし すぐ ちかく」と。
 振り向けばすぐそこにあの幼女がいた。
 恐怖に慄いたが、この子の過去を観てしまったリエカは覚悟を決めて幼女を優しく受け入れることにした。
 望まれずに生まれてくる子なんていないんだよ。
 かわいそうに。
 そうして慈愛の眼差しで見つめ、優しく抱きしめると幼女は消え去った。

 これで全て終わったと安堵したのも束の間。
 リエカは突然の疲労でがくりと崩れてしまう。
 四つんばいになるのがやっと。
 そのうちに意識が遠のいていく。

 場面は変わり、リエカがアルバイトで家庭教師を担当していた女子中学生の綾乃、登場。(本当は最初から登場してますが、本編に深く関るのがここからなので省きました)
 母がいないくて、父も海外で仕事をしていてなかなか会えない綾乃は、リエカのことを母のような姉のような存在として慕っていた。
そんなリエカが運び込まれた病院に綾乃は足しげく見舞いに通っていた。
高校受験、合格したことを告げたその日、いつもは話しかけても反応がなかったが、今日に限っては綾乃の手を握ってきた。
それを最後にリエカの命は燃え尽きる。
綾乃の手には、リエカが渡してきた鍵があった。

三週間後、良平が精神に異常をきたしてフラフラ歩いているところを保護されたが、保護されると同時に何かに怯えたようにショック死してしまった。
これで6人全員死んだことになる。
愛、リエカを看取った病院の先生は警察にウィルスではないか原因を突き止めてくれと頼まれる。
しかし皆目見当がつかない。
同グループの6人が全て変死なのは確かにおかしいのだが……

 その頃、綾乃はリエカが渡してくれたキーの意味を考えていた。
 そして幸福のコインロッカーのことを二人で話したことを思い出し、そこにリエカの大切なものが入っているのではないかと思い当たった。
 渋谷と書いてあったが、それ以上は読めない。
 渋谷駅周辺のコインロッカーを探し回ってようやく見つけた。
 扉を開いてみたが、中には何もない。
 拍子抜けしていたところに見知らぬ女子高生二人がやってくる。
このロッカーを使いたそうだったので、場所を譲って帰ることにした。
交差点に差しかかった時、救急車が通り過ぎた。
サイレンの音に被せて、「あああああまああまああああぁぁ」などという異様な叫びが聞こえた。
今のは何だったのだろう?
 思っていると足首を誰かにつかまれた気がしてハッとなる。
 足元を見ても何もない。
 得たいの知れない不安がざわざわと体中に広がっていく。

 その後もロッカーを「幸運のロッカー」と信じ込んでいる女子高生たちが次々と呪いのロッカーを使用し、小さな手に引きこまれて無残に死んでゆく。
 とうとう綾乃の親友も目の前で消えてしまう。
 綾乃はリエカが入院していた病院の看護師・恵と仲良くなっており、助けを求めるため、携帯に連絡をしてみた。
 が、底から聞こえてきたのは、“サッちゃん”と名乗る気の触れたような幼女の笑い声。
 そして、恵の絶叫……
 綾乃はコインロッカーに向かった。
 先生、私に力を貸して下さい、と心の中で祈りながら。
 ロッカーのある場所には、恵と共にロッカーを見に来ていた医者の掛沢がいた。
 恵の姿はない。
 ゴルフクラブでロッカーを壊そうとしている掛沢を綾乃が止める。
 あの女の子はきっとこのロッカーで死んだ赤ちゃんの霊で、未練と憎悪から成長したんだと思う。と綾乃は言い、ロッカーの前で不幸な赤ん坊に祈りを捧げる。
 リエカ先生は言っていた。
 この世に望まれずに生まれてくる命はないのだと。
 祈る綾乃とそれを身守る掛沢の側に“サッちゃん”が現れた。
 掛沢は慄然とし、それでも綾乃は祈った。
 もう、こんなことはやめよう。
 掛沢がサッちゃんの素顔を見た。
 そして綾乃の腕をつかんで走り出し、その場から逃げおおせる。
 アレは、君(綾乃)が思っているようなモノじゃない!
 あの顔、あの目を見れば解る。
 これは医者の直感だ。あそこにいれば、間違いなく我々は殺されていた。
 掛沢は綾乃に言った。
 そのとき、サッちゃんが道路の反対側に見えた。
 次はお前たちの番だと言わんばかりに指をつきつけて。
 再び綾乃を連れて走り出す掛沢。
 だが、その背後に現れたサッちゃんが彼の背中を押した。
 道路の真ん中に飛び出してしまった掛沢の前に迫るトラック。
 手をつながれたままだった綾乃にも同時に危機が迫る。
 もうダメだ。
 思った瞬間、誰かが綾乃を反対側に引っ張った。
 掛沢が目の前でトラックに頭を潰され、綾乃は意識を失う。

 目覚めるとそこは病院のベッドの上。
 掛沢とつながった右と逆の手を誰かがつかんで引っ張り、私を助けてくれた。
 あれは……サッちゃん?
 サッちゃんが助けてくれたんだ。
 終わった。
 きっとこれで終わったのだ。
 安堵した綾乃だったが、徐々にぼんやりしていた頭が覚醒するに従って記憶が蘇ってきた。
 違う。
 あの手はサッちゃんじゃない。
 引っ張られた瞬間、顔を見た。
 先生だ。
 リエカ先生が助けてくれたのだ。
 綾乃は愕然とした。
 それではサッちゃんは……
 気付けば、また少し成長して、8歳くらいになったサッちゃんがベッドのすぐ側に立っている。
 そして一言。
 「死ねばよかったのに」

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