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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 第67話

第67話:誤解は続くよ、どこまでも。
アン「きっ……きっ……! きゃああああぁぁあぁああぁ!!!!!」
ミハイル「……わいせつ物陳列罪で、リク=フリーデルス、逮捕」
リク「チガイマス、違うんですー!! 鎮からもなんか言ってー!?」
鎮「……逮捕」
リク「マジですか!?」
 
 リク、今世紀最大の、がびん。
 
アン「サイテー……」
 
 ぽそっ。
 
リク「………え………」
アン「サイテー!!!!」

▽つづきはこちら

リク「ちょっ……」
アン「酷いわ、あんまりよっ!!」
 
 涙を流しながら、走り去るアン。
 
リク「待って、アン! 違うんだ、コレは……っ!」
 
 鎮とアンを見比べてオロオロ。
 いつもの落ち着きはどこへやら。
 こんな場合に冷静でいられても可愛げがないというものだが、それにしても。
 
リク「鎮、ちょっと待ってて。すぐ戻るから! 話はその後で!」
鎮「ダメッ! 待って!!」
 
 アンを追いかけて駆け出そうとするリクの足を鎮がつかんで止めた。
 
リク「し、鎮……」
鎮「行ってはならぬ!」
リク「だけど、アンが……」
鎮「その姿で女子を追っては真の変態王選手権王者に君臨ぞ!!」
 
 立ち上がったためにはらりと落ちてしまった毛布を突き出す。
 
リク「        ッ!!!」
 
 くわっ! リクの目が見開く。
 そうだった。また失念していた。……自分が裸体であることを。
 いそいそ。
しばらくお待ち下さい。
腰に巻きつける。
 
ミハイル「どこまでアフォなんだよ」
 
 肩を落としたミハイルが頭痛のために額に手を当てた。
 
鎮「っていうか、今から追いかけてもたぶんダメだし、いくら毛布巻いてもやっぱりその姿で追えば犯罪必死になると思うがどうだろう」
 
 他人の大失態を前に冷静を取り戻した鎮は、吹き飛んだ額当てを拾うために手を伸ばしてハッとなった。
 ミハイルが来た方向と逆側にレヴィアスが立っていたからだ。
 レヴィアスの神経質な細い眉が釣りあがる。
 
鎮「…………怒っちゃ………………いやん」
 
 引きつった笑みを浮かべるも……
 
 
 リク、3日間の謹慎処分。
 鎮、1週間の謹慎処分の上、1ヶ月の減俸。
 これだけで済んだのはひとえに間に入って事情を説明してくれた保健医ミハイルのお陰だった。
 どう見てもこちらの方が悪いのに、鎮の方が処分期間が長いと謹慎明けのリクは早速ミハイルの元を尋ねて詰め寄った。
 
ミハイル「うるせーぞ、マセガキ」
リク「マッ!? ち、ちがっ」
 
 事情を聞いて知っていながら、なおかつ相手を真顔でからかうミハイルは椅子の上で足を組んだ。
 
ミハイル「不祥事が起これば上の者が責任を取らされるに決まっているだろ」
リク「そんなのないですよ。悪いのは俺です、全面的に」
ミハイル「だから口利いてやったろ。それでこの処分で済んだんだ。ありがたく思えよ、エロガキ」
リク「エロガキじゃないぃ~」 シクシク。
 
 3日前の晩は酷い目に遭った。
 雨に濡れて服を乾かしていたリクは鎮の部屋で毛布1枚借りた姿だった。
 部屋を出て行こうとした鎮を引きとめようとした彼は毛布を踏んづけバランスを崩し、回転扉を背にした相手ごと廊下に飛び出てしまったという流れである。
 毛布は宙を舞ってもう一度リクの身の上に戻ってきてくれはしたけれど、下半身を申し訳程度に隠す効果しかなく、傍から見ればどう言い逃れしたところで変態そのものだった。
 アンは悲鳴を上げて泣いて走り去ってしまうし、品行方正なリクとしてはあってはならないハプニングだ。
 もちろん、学年主任に捕まって延々と説教を受けたが、成績もよく普段の態度も良好であるため先生方に特別目をかけられていたリクはそれでも軽く済んだ。
 担任が処分を受けている間、授業はレヴィアスが受け持っているとルームメイトのクレスから聞いた。
 処分開けの1日目の1時間目。
黒魔法の授業ではなく学科だったためにリクはサボッて図書館の隅に逃げ込んだ。
多少、授業を受けなくても彼の頭脳は後れを取ったりはしない。
それどころか授業よりもずっと先に進んでいて退屈なくらいだ。
そんな天才的頭脳を悩ませているのは、授業内容でも迫る試験日でもなく3日前の大惨事についてである。
鎮に迷惑をかけるわ、怒らせるわ、怯えさせるわ。
アンを傷つけるわ、カンチガイを生んで悲鳴を上げられるわ、逃げられるわ。
散々である。
 
リク『全部俺が悪いんだけど……』
  「ハァ」
 
 鎮を救ってやりたいと思ったのは傲慢だったのかもしれない。
 
リク『俺には荷が重いってことかな……』
 
机に伏せて独り反省会を開催していると相席を依頼する声が頭上から聞こえてきたので、適当に返事をしてしまった。
 了解の意を示してからすぐに、こんなにがらんと空きの多い午前中の図書室で相席を求めるなんておかしいと思い直し、相手を改めて確認すれば、やっぱり知った顔。
 
リク「クロエ……授業は?」
クロエ「サボッちゃった」
 
 肩をすくめてイタズラっぽく微笑む。
 ああ、やっぱり似ているな。妹に。
 そこまで考えてリクは頭を振った。
 先日もこういう擬似家族に当てはめて鎮に嫌われたのではなかったか。
 ずっと無意識だったけど、確かに相手に対してどれだけ失礼だったか計り知れない。
 リクは心の中でそっとクロエに謝罪した。

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●Thanks Comments

あらら...。

アンはまたとんでもない思考に走ったのでは?(笑)
リク、この場においても、やっぱりどこか呑気なキャラ。(笑)でも、それも彼の良いところかな♪
おっ、クロエの登場だ☆ また続きが楽しみなのです。o(^-^)o

From 【あっぴ】2008.10.15 00:16編集

アンの爆走は続きます。

アン脳内では大変な展開に!
リクが振り回されっぱなしです;

From 【ゼロ】2008.10.15 00:21編集

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