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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 62-5

 5を数え終わった。
 しかし出てくる気配はなく、子供がすすり泣いているだけだ。
 
声「ごめんなさい、ごめんなさい……ごめんなさい……」
メイディア「…………仕方ありませんわねぇ。本当にアナタだけなのね?」
声「暗い、怖い……おうちに帰りたい……」
メイディア「はいはいはい。泣かないで。今、出して差し上げますわよ」
 
 ドアノブに手をかけてはたと止まった。
 ここは札が無数に貼られているのだ。
 
メイディア『剥がして……いいものかしら?』
 
 心の中がざわりと波打った。
 

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レイディ・メイディ 62-4

 一つ一つ部屋を確かめてみないとならないだろうか?
 いつかもこんなことをして最後にカラクリ部屋でひどい目に遭ったんだっけと結末を思い出す。
 あのときは先生の子供っぽいイタズラだったからよかったけれど。
 迷っているとまた音がした。
 すり歩くような音と……
 ドアを叩く音?
 
メイディア「……ゔ……」
     『ちょっと……今……?』
 
 例の開かずの扉からである。

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レイディ・メイディ 62-3

 いや。
 クレスやリクだったら結婚してあげてもいいかな、などと軽い気持ちで考える。
 ダレスは×。レクは○。カイルは×。ミハイルは○。ヴァルト○。ガーネット○、ジャック×、レイオット、○。フェイト……×。
 相手の気持ちはさておき、思い浮かべる面々に○×をつけてゆく。
 そこにレイオットが何故か含まれているのを当人が知ったら相当、嘆くことだろう。
 
メイディア「……ハァ、ごちそうさま」
 
 誰に言うとなく感謝の言葉を口にして、食器を重ねて流しに持ってゆく。
 

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レイディ・メイディ 62-2

 しかしお付き合いするつもりは毛頭ない。
 嫁入り先で酷い目に遭ってからというもの、男の人は大の苦手である。
 教官はメイディアにとって男でも女でもないからよいのだが、こちらを異性として扱ってくる男性には警戒心が先立ってしまう。
 
チャーリー「付き合ってる人がいないなら、いいじゃないですか」
メイディア「いなくてもお断りさせていただきたいのです」
チャーリー「どうしてだい?」
メイディア「どうしてもですわ」
チャーリー「心に決めた人でも?」
メイディア「……いいえ」
チャーリー「だったら……」
 

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レイディ・メイディ 第62話

第62話:青髭屋敷、その弐……
 養成所から目と鼻の先にある小さな町の外れにそのお化け屋敷はあった。
 お化け屋敷に引っ越してきたと思われる黒髪の少女は明るく品があってどうやらどこかのお嬢様らしい。
 一人で町に買い物に出かけてパン屋や市場などで気さくに料理の話を聞き、メモをしている。
 ややつり目がちの、青い目をくりくりとさせた愛らしい少女があの家はお化け屋敷ではないと言って歩くから、だいぶ疑惑も晴れてきたところだ。
 彼女はわけあって親戚の家にやっかいになっているのだそう。
 
店のおばさん「その割りに親戚さんは見かけないねぇ」
リディア「おじさまは人嫌いであまり外に出ないの。ちょっと変わり者でして」
 
 少女は物怖じせずに何でも聞いてくるから、行きつけの店では評判がよく、可愛がられている。
 

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