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レイディ・メイディ 61-6
2008.08.20 |Category …レイメイ 61話
リク「……アンはいい子だし……彼女となら、上手くやって行けるんじゃないかと思ったんだ」
カイル「そりゃあ、性格は良さそうだけど。おとなしそうだし。ま、あのメイディア嬢に比べれば、世の中の人間、全員いい子ちゃんか」
リク「どうして……そこでメイディアが出てくるかな」
クレス「死んだ人間のこと、悪く言うなよ」
カイル「……だって。なんかさー。いいのかなー……みたいな」
クレス「なんだよ」
リク「…………」
思いに沈んだ顔付きになって黙っていたリクにアンを連れたジェーンが走り寄って来た。
ジェーン「同じ授業なんだから、一緒に行けばいいじゃない」
リク「あ、そうだったね」
ジェーン「ホラ、アン」
アン「あ、うん…」
ジェーン「も~、しょうがないなぁ」
リクの後ろをついて歩くアンの背中を見つめて息をつく。
▽つづきはこちら
ジェーン「せっかくカレカノになったんだから、腕でも組んで歩けばいいのにね」
クレスとカイルに振る。
クレス「……さぁ」
カイル「ホントに」
ジェーン「私たちもラブラブしようよ、クレスくんっ♪」
言ってちゃっかり腕を組む。
クレス「えっ!? えっ!?」
カイル「うっわ、俺、すんごい仲間外れ!!」
ジェーン「アハハー。お呼びでないのよ、カイル君は」
カイル「ちぇー」
クレス「……~ッ」
好意を寄せられているとわかっている女の子からくっつかれて、クレスはゆでタコみたいになってうつむいた。
ジェーンは積極的なのか照れ屋なのかよくわからない。
いつもゴロゴロ人懐っこく擦り寄ってくるかと思えば、告白を取り消そうとして無茶をするし。
まったくもって女の子はわからないと思うクレスなのであった。
しかし女の子であるジェーンの中でそれらの行動は矛盾していない。
彼女の積極性はジョークにくるんであるからできることなのだ。
直接的な感情を表に出すのは大の苦手。
けれど冗談を交えれば、気軽になれる。
真面目な雰囲気が得意でない彼女の、一番楽な方法なのだ。
あっぴろげに見えて実はシャイ。
それがジェーン=アイラという少女だった。
黒薔薇の授業。
今日からは皆のリクエストどおり、新しい魔法が教えられるというのにアンは上の空。
想い続けた恋人のことで頭がいっぱいである。
夢見心地といったらいいだろうか。
もう魔法なんかどうでもいい。
騎士になれなくたっていい。
それどころか今は授業が邪魔な時間に思えて仕方がない。
今すぐにでも側に行きたい。
王子様の愛に包まれたい。
ちらりちらりと何度も視線を送ったけれど、愛しの王子様はちっともこちらを見やしない。
授業に真剣そのものだ。
そんな横顔を見るのも悪くはないけれど……
アンは本日、何十回目の切ないため息をついた。
温度差といおうか、リクの方では今、初めての恋人のことなど頭の片隅にもなかった。
新しい魔法に好きな先生の授業に夢中なのだ。
それともう一つ。
先生の兄と言う人が気になって仕方がない。
他の生徒たちも同じところが気になっているようで、視線は「お兄さん」に集中だ。
黒板に図式を書いてお経のようなテンションの低い説明しているヒサメ先生の背後に回って、髪の毛をいじりたおしている。
いつものポニーテールをくずしてツインテールにしてみたり、ツインどころかトリプルテールだったり、カルテット、クインテットとどんどん増えていく。
それをまた三つ編みしてみたり、頭のてっぺんで結んでパイナップルにしてみたりやりたい放題。
初めはおとなしく椅子に座って足を組んでいたわけだから、要するに飽きて退屈になってきたのだ。
そこまでされておきながら、弟さんは冷徹なまでに一切の無視を決め込んでいる。
くすりともせずに淡々と授業を進めるものだから、見ている方はおかしくてたまらない。
とうとう兄がクニャクニャ意味不明の踊りを始めたとき、ようやく弟が口を閉じた。
鎮「……あにさま」
偲「?」
鎮「少し、おとなしゅうできませぬか? シズは気が散って気が散って…………あにさまを殺害してどこか山に埋めたくなってしまいまする」
偲「…………」
うるさくなどしていないとばかりに首を横に振る。
鎮「視界の端でチョロンチョロンと行動がうるさいのでござる。あーもー。すんごいウザイ」
偲「…………」
鎮「そんな顔をしてもダメでござる」
生徒たち『そんな顔って……どんな顔?』
無表情で突っ立っているだけの兄だが、弟にはどうやらなんらかの表情を示しているように見えているようである。
偲「…………」
鎮「スネないで下され。招かざる客なのにのうのうとここに居られるだけで良いとお思い下さりませ」
やっぱり何かしら、謎の電波?で会話をしている。……らしい。
双子とはそういうものなのか。などと言ってみたら、双子の兄を持つレクは絶対に違うと否定するだろう。
釣れない弟のご機嫌を取ろうとしているのか、それとも逆なでしようとしているのか。単に相手をして欲しいのか。
真意はわからないが、無口な彼は無表情のまま、ウインクばっちん☆
やっぱりよくわからないポーズをとって制止した。
パイナップルヘアーの鎮、爆発まであと4秒。
1、2、3……
スラリと刃が抜き放たれた。
生徒たちの悲鳴が上がる。
偲が逃げる。
鎮が追う。
教室、大混乱。
…………しばらくお待ち下さい。
2分後。
パイナップルヘアーのまま、授業再開。
お兄さんは可哀想に。
縄でぐるぐる巻きにされて床に転がされている。
頭には刀の背で打たれたタンコブが2つ3つ……。
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●Thanks Comments
ジェーンが可愛すぎ(笑)
アンよかったね(^-^)リクの彼女になれて。でも、なんでだろう....少し複雑。
ジェーンが可愛すぎるほど乙女だっ☆(笑)クレスとこのまま上手くいけばいいね(^-^)
ヒサメ先生の兄上も笑える(笑)さすがは双子☆(大笑)←レクに言ったら否定されそ。(^-^)
そういえば偲が持ってる人形が喋ってるのは兄上の言葉?
そうだとしたらこの兄弟マジで笑える☆
乙女ですから。
ジェーンはアンの応援して背中を押すけど、自分は押されたくない小心者乙女です(笑)
エ? アンとリク複雑? どういう意味ででしょう?
教えてもらえるとありがたいです。
氷鎖女兄弟、アフォの見本です。ええ、それはもう。
フレグリット兄弟(レクたち)とえらい違いだ……(爆)
アンとリク
リクに憧れてる人多いだろうからアンがいじめられるのでは?という意味です(^-^)大丈夫かなぁ...。あと、リクが本気になってくれるのかも心配。今までヒサメ先生追いかけまわしてたから....(^_^;)
鋭いです!(笑)
当然、そうなりますよ。
リクは人気者ですから。
でも大丈夫。
ジェーンとモーリーがついていますからね☆
理由、そういう意味だったんだね。ありまとうございました(^-^)
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