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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 31-7

 試験が終了し、疲れを取るための試験後休暇も終了。

 2度のチーム制試験を通して、組んだ者たちの間に確かな絆が生まれていた。

 専攻が別だと知り合いになる機会も少ないが、仲間同士として共に困難を乗り切ることによって親しくなり、友人の友人などともつながって、輪は広がってゆく。

 もちろん、逆にチーム制だったために修復不可能な関係にまで落ち込む者もいたが。

 とるもとりあえず、一大イベントが終わり、日常が戻ってきた。

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レイディ・メイディ 31-6

クレス「ウソ、そんなバカな!?」

 

 辺りを見回しているとつい先程、医務室から逃げてきたチェリーが足元に擦り寄って来た。

 

クレス「チェ……チェリー?」

…………………ま……まさか……いやそんなハズ……ないよ……ね?

氷鎖女『……?』

クレス「でもいきなり消えてチェリーが出てきて……まさかとは思うけど、君……」

チェリー「にゃーん?」

クレス「本当にナツメじゃないんだろうっ!?」

 

 抱き上げて叫ぶ。

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レイディ・メイディ 31-5

氷鎖女「お戯れを、お殿様……訳:テメェ、ぶち殺すぞ。)」

 

 足をばたつかせるが、持ち上げられて空しく空を蹴るだけだ。

 

ダンラック「どうかね? 騎士など目指すのをやめて、私のところへ来なさい。宝石も服も思いのままですよ~? ムフッ」

 

 肉に中身が埋まったような、大きい顔を寄せる。

 ……もう我慢の限界だった。

 氷鎖女が憎々しげに睨みつけると瞳が縦に割れた。

 

ダンラック「!?」

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レイディ・メイディ 31-4

 あんなにモタついて……。

の様子では生徒たちにナメられているというのもうなづける。

 戦場で相手の手の内を読んだりすることが得意なクセに通常の会話などに機転の利かない氷鎖女

彼は子供の頃から人とのかかわりがあまりにも希薄過ぎたのだ。

 コミニュケーション不足、というやつだ。

 慣れた相手ならまだいいのだが、初対面の人間にはとことん弱い。

それも困ったことになるとあわててしまって切り返しもとっさに出て来ないというありさま

いつも一杯一杯のしどろもどろだ。

 本当の意味でにっちもさっちもいかなくなると思わずリクを引っ掻いてしまったように、とっさに手が出てしまうこともある。

 言葉で上手く相手に伝えられないときに行き場のない感情が破壊行動や拒否反応に転化する、これは一種の幼児性で、氷鎖女はそれを持ったまま成長してしまった未熟な人間である。

 普段はもちろん良識もある大人なので、そうそう幼い一面が表面化して他人を傷つけるようなことはないが、彼にとっては苦痛でしかない、見つめられるという恐怖に取り憑かれたとき、心の片隅で何かを恐れていつもひざを抱えて震えている子供の彼が頭をもたげるのだった。

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レイディ・メイディ 31-3

ミハイル『う。猫が……』

 

 養成所の医務室に猫なんてふざけた存在は非常にマズイ。

 それも視察目的で滞在しているお偉いさんの治療をするのに動物がいたのでは、どうなっているんだこの医務室は!ということになってしまう。

 

ダンラック「今、ニャンちゃんを持ってましたね?」

ミハイル・氷鎖女『ギク』

ダンラック「こっちにきなさい。私はニャンちゃんが大ちゅきなんですよぉ~。フォーフォーフォー」

 

 全身の脂肪を揺らして笑い、ぽっちゃりした短い手で招いた

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レイディ・メイディ 31-2

ミハイル「いいからっ! 猫を連れてってくれるために来たんだろっ! 早く引き取ってくれ」

氷鎖女「いやいや。猫殿はクレスが連れてくでござるよ。拙者、ごぉるでんの結果報告に来たまで。拙者が約束取り付けて本当に1番だったら洒落にならなかったが、とりあえず首の皮一枚つながったと思うて。ではこれにて」

 

 抱いていたチェリーを床に降ろそうとする。

 

ミハイル「待て! 帰るならそこの外扉を開けてそいつも外へ出してくれ」

 

 医務室に入れるつもりなど毛頭なかったのだが、どうしてもエサをやるためには扉を開かなくてはならず、開けてしまうとチェリーはしたり顔で侵入してきてしまう。

 毎日格闘しながら最終的には追い出しているものの、翌日にはまた同じ構図だ。

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レイディ・メイディ 第31話

第31話:試験終了、そして。
 場面変わって、医務室。

 

氷鎖女「ふーう。ひどい目にあった。全くリクの奴が一番心臓に悪い。あげくの果てには豆大福扱いとは。おのれー……

 

 ナツメでなくてもよくなった氷鎖女が地を出して、椅子にどっかと腰を下ろした。

 

ミハイル「奇遇だな。こっちもだ。……そして足を開いて座るな」

 

 そういうミハイルも目の下にものすごいクマ。

疲労感たっぷりだ。

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