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レイディ・メイディ 49-5
2008.07.12 |Category …レイメイ 49-51話
メイディア「ワタクシがお嫌いですか!?」
氷鎖女「じゃあ逆に質問するけど、ワタクシがお好きですか?」
布団からチョイと出した手で自分を指さす。
メイディア「……う。それは……その……まぁ……嫌いではありませんけど。背が低くてちょっと……顔分からないし……うーんうーん」
失礼にも悩み始める。
氷鎖女から言わせれば、「まぁ、こんなもんだろう」。
とにかくこのダーリン事件については本当に恋などしてはいないのだから。
それは唐突に始まるのである。悪い病気として。
レイディ・メイディ 49-4
2008.07.12 |Category …レイメイ 49-51話
メイディア「ヒサメ先生っ!」
ゆっさゆっさ。容赦なく揺さぶる。
氷鎖女「はい」
メイディア「今すぐ、ワタクシをさらってローゼリッタからお逃げ下さい!」
氷鎖女「……は……エ…?」
適当にはいと答えかけて、はたと止まる。
メイディア「遠い東海の果ての異国へ連れて行って!」
唐突に何を言い出すかと思えば。
寝ぼけているのと違うだろうか。
氷鎖女「…………………頭の病なら、ミハイル殿に診ていただけ」
たぶん診る前からサジを投げられると思うけれど。
レイディ・メイディ 49-3
2008.07.12 |Category …レイメイ 49-51話
アン『またレイ様はメイディばっかし……』
この騒ぎでまだ挨拶ももらえていないとすねたアンは、自分の実家からの贈り物を開いている。
アン『あーあ。またお母さんの古着を送ってきて……娘がこんなに頑張っているんだから、新しくてお洒落な……都会でも通用する服の一着でも送ってくれたらいいのに』
いつまで自分は可哀想なシンデレラでいなくてはならないのだろうとため息がこぼれた。
アンが嘆いている間に、この変態がダンラック公爵とは知らない平民レンジャー・レイオットは恐れ多いことに額から絵を取り出して、破ってしまっていた。
レイオット「成敗! これで大丈夫よ、メイディ」 にこっ。
クロエ「私も踏ん付けてあげたわ、メイディ」 にこっ。
レイオット「私だって踏ん付けるわ」
クロエ「私なんかもっと踏ん付けるわ」
レイオット「私だって」
クロエ「私なんかこうやってこう……」
レイオット「負けるものですか、このっ、このっ」
レイディ・メイディ 49-2
2008.07.11 |Category …レイメイ 49-51話
夫人「……あの子は、恋を一度でも経験できたのでしょうか」
ばあや「ええ、きっと」
夫人「人を想う幸せとそのために起こる胸の痛みも一度くらいは知っていて欲しい」
夫人は遠い在りし日のことを思い出しているようだった。
自分が娘と同じくらいの頃に。
嫁ぐ前の日に。
自分よりも身分の低い少年と恋に落ちてかけおちをしたこと。
ただの1日で見つかって引き離されてしまったけれど、あの愛は永遠だったと今も信じている。
世界中のいかな宝石よりもなお輝きを放つ、清らかな恋。
何があったと言えば、一度きり、唇に軽く触れただけだった。
けれど、だからこそ色あせない。
そうして彼女は親の決めた縁談に従ってシャトー家の花嫁となり、それまで会ったこともなかった男性との間に娘を一人もうけた。
残された恋の相手はかけおちのあと、ほどなくして若い命を神に捧げた。
元から病弱な身体だったのである。
レイディ・メイディ 第49話
2008.07.11 |Category …レイメイ 49-51話
第49話:またまたまたまた恋の予感?!
所変わって、しばらく前のシャトー伯爵家。
16になった一人娘の連れ合いとなる公爵から、肖像画が届いた。
軍服に身を包んだ肉……ではなく、公爵の絵だ。
伯爵「公爵様の肖像画か。これはロビーに飾って家宝にせねばなるまいな。我がシャトー家の栄光の御印だ。まさか我が家に白羽の矢が当たるとは」
シャトー伯爵は満足げに眺めている。
しかし伯爵夫人の表情は曇りがちだ。
伯爵「どうしたね?」
夫人「この公爵様のなんと醜いこと、醜いこと」
細い眉を寄せて、扇で顔を被う。
レイディ・メイディ 48-12
2008.07.11 |Category …レイメイ 46-48話
フェイト「だいたい、メイディアがどうした変だのって毎日うるさく言ってたのは、君の方じゃないか。俺は別に……」
ダレス「俺はほれ。お前さんの代弁よ」
親指を立てて誇らしげに厚みのある胸を張る。
フェイト「頼んでない」
レク「まぁまぁまぁ」
あわててレクが間を取り持つ。
いつもこんな役割だ。