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みやまよめな:13
2008.05.21 |Category …みやまよめな
相手は16人。
こちらは齢(よわい)15の小童(こわっぱ)唯一人。
結果は火を見るより明らか。
……の、ハズ……だったのだが……
都が両手を顔に当ててうずくまっているたった5分間の間に、事は済んでしまっていた。
ほんの少し前まで森を騒がせていた、剣の激突する音や足音、悲鳴…………。
それらは跡形もなく消えうせている。
恐る恐る指の隙間から、周囲を見渡す都。
都「……ひっ!!」
辺り一面に広がった血の海を目の端に捕らえ、
都「は、ああ~…………」
目を回し、気を失ってしまう。
アゴ特集☆
2008.05.21 |Category …レイメイ舞台裏
ダン様祭り☆
2008.05.21 |Category …レイメイ舞台裏
みやまよめな:12
2008.05.20 |Category …みやまよめな
社「仕方ありませんね」
都「何が仕方がないものですか」 ふんっ。
社「そのようにムクれないで下さい。まるで子供のようですよ」
クスクスと笑う。
都、余計に怒ってそれにも答えない。
社「さ、ではしばらくは私がおぶって行きましょう」
目の前にしゃがむ。
都「……でも」
社「大丈夫です。……さぁ」
都「重いですよ?」
言いながらも、その背におぶさった。
社「何の何の」
姉を背負ったまま、山道を黙々と歩く社。吹き出す汗は、都がそっと拭ってやる。
みやまよめな:11
2008.05.20 |Category …みやまよめな
都「部屋にお帰りなさい。いくら姉、弟といえど、このような夜更けに女子の部屋を訪れるものではありません」
社「姉上」
都「……ん?」
社「姉上が合意して下さらなくとも、社は………」
持って来ていた真剣をスラリと抜き放つ。
都「!!」
社「社は貴女様をお連れ申す」 目を薄く開く。
刀は月明かりに冷たい光を放った。
都「……ひゃっ!?」
切っ先を目の前に突き付けられて、思わず小さく悲鳴を上げる。
みやまよめな:10
2008.05.20 |Category …みやまよめな
都『………嫌…………あんな………』
吐き気と目眩に襲われてよろめく。
父「2、3日中にここを出て行けよ」
都「2……2、3日中っ!!? それはあまりに急な……」
驚いて顔を上げる。
父「善は急げじゃ。この父の親心、無駄にするでないぞ」
都「…………………………」
父「どうじゃ、嬉しかろう? どうした、もっと嬉しい顔をせぬか。女子(おなご)の悦びは嫁ぐことであろうが」
今日は珍しく上機嫌。
恐らく、前から狙っていた権力が手に入ると思っているに違いない。
都「……はい……」
消え入りそうな声で返事をし、頭を下げてから退室。
部屋の前で待っていた社が駆け寄ってくるが、何も言わず、うつむいたまま自室へ行く。
社「……………………………」
それを目で追う社。
みやまよめな:9
2008.05.20 |Category …みやまよめな
社「……………………」
都「父様は心が病んでおいでなのです。あれ程、愛された母様に先立たれてしまってきっとお寂しいのでしょう。許しておあげなさい」
社「だからと言って、姉上に当たっていいという道理はございません!! 当たられるのならば、この社にすればよいのです!! 社は男子(だんし)ですし、まま受け入れるようなことは致しませぬ。父上をぐぅの音も出ない程に言い返してやりますに」
都「社……」
社「一番寂しい想いをしているのは姉上の方ではございませぬか」
『毎日……、泣いてばかり……』
都「……………………」
その言葉を聞き、不意に立ち止まり、振り返る。
社「ん?」
一緒に足を止める。