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レイディ・メイディ 46―2
2008.07.01 |Category …レイメイ 46-48話
訓練を実施している最中も氷鎖女は、視線を感じていた。
ムカデの魔物と戦ったときと同じ種類のモノだ。
しかも全体ではなく、リクを追っているときに限り。
氷鎖女『リクか? 狙われておるは……』
最後にリクと争った現場で、氷鎖女は蛙をクナイで串刺しにしていた。
以前、森の中央で仕留めたクナイは、後日確認してみるとヤモリを貫いて木の幹に深々と刺さっていた。
ヤモリにカエル。だから、気配が小さかったのだ。
使い魔を使用して、誰かが見ている。
それも訓練のたびに毎日。
……誰が何の目的で?
氷鎖女「次はひとつ……仕掛けてみよか」
クナイを引き抜いて、汚れをふき取る。
やがて生徒たちが迎えに来たので、何もなかった風を装って合流した。
氷鎖女『リクが狙われるとしたら…………可能性は……』
『……………食い逃げ……かな?』
第46話:魔法の使えない魔法使い
2008.07.01 |Category …レイメイ 46-48話
かかさまは、手をつないでは下さらない。
ととさまと真ん中にあにさま、となりにかかさま。
少し離れて後ろを追うのが、―。
―も、かかさまと手がつなぎたくて、後ろからそっと触れようと手を伸ばしてみたけど、払われたらどうしようと思ったら、急に怖くなって引っ込めた。
気づいて、振り向いて、「どうしたの、―。お前もおいで」そう言って、手を引いてくれたらいいのになと思いながら、その背中を見上げた。
落ち葉を巻き上げ、森の中を走る。
魔法が飛び交う。
小さく、的確に。
時に大きく、フェイントを織り混ぜながら。
ヒサメクラスの生徒達はくる日もくる日も、実戦訓練に明け暮れていた。
2時間の間、氷鎖女に追われ、生徒が逃げるというアレだ。
動きながら、神経を張り詰めながら、魔力を練り上げて魔法に結び付けるのは容易ではなく、不発も多出した。