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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 4-3

 かくして少年は、引きずられて教官室に連行されることになったが、担当の氷鎖女(ひさめ)が少年からだいたいの事情を聞き、事なきを得たのである。

 

レク『さっきのコ…なんかちょっと可愛かった…かな?』

 

 見事な巻き毛の金髪。

肌の色はまるでいままで日の光に当たったことのないような白。

 顔を両手でおおっていたが、その前に見た目は大きくて色素の薄い青が印象的だった。

 触れたら折れてしまうのではないかという弱々しさ。

 

レク「可憐っていうのかな…ああいうの…」 ぼんやりしてため息をつく。

フェイト「…ハ?」

 

 レクは貴族の姫君を見るのは初めてだったから仕方がなかったかもしれない。

 しかし外見にだまされるなかれ。

 中身が悪魔だと落胆するのは、ほんの少し先のことになる。

 そして、レイオットの話にたびたび上がるあの「メイディア=エマリィ=シャトー」だということも。

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レイディ・メイディ 4-2

クレス「?」

 

 一度、振り向いたが関係ないと思い直し、そのまま走り続ける。

 イジケたかな? そんなコトを思っていると…。

 

メイディア「思い知りなさいっ!」

 

 なんと、先を行く連中に向かって石を投げ付けた。

 

クレス「げ」

 

 あわてて避ける。

首だけねじ曲げて、自分は関係ないだろとお嬢様をニラみつける。

 が、本人はからかった連中にそれぞれ命中させて高笑いの最中。

 クレスなどに見向きもしない。

 どうやらしゃがみ込んだのはイジケたのではなく、単に石を拾っていただけのようだ。

…恐るべし。

 

メイディア「ホーッホッホッホ! 何て愚鈍な方々! そんなコトでは一生姫君に振り向いていただけませんことよ」

 

 後頭部に石を当てられて先頭の一人が転び、それに突っ掛かって次々と上に倒れ込む少年たち。

 その上をわざわ~ざ踏み越えて、気を良くしたメイディアが走り抜ける。

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レイディ・メイディ 第4話

第4話:恋は刹那、砕けて一瞬

 本格的な訓練が始まって1カ月。

 剣を基本に戦場の最前線に立たされることを前提とした赤・青、両薔薇騎士見習いたちは今日も早朝から汗を飛び散らせ、剣を振っている。

 レイオットも男性陣に混ざって剣を無心に振っている。

 隣にはこの一カ月で仲良くなった少年レクもいた。

 一見、無類の美少年に見える彼女は、正真正銘男性であるレクと並んでもさらに背丈があり、残念ながら男前だった。

上で結い上げた長い髪が彼女の動きに合わせるように踊っている。

 汗さえもキラキラと朝の光に輝きより一層美しさを際立たせているようだった。

 

メイディア「ほげぇ~…あ~ぢぃ~ですわぁぁあ~…」

 

 中庭で同室のレイオットが華麗に剣を振っているその頃。

 黒薔薇見習いのメイディアは外周マラソンをさせられていた。

 後ろから数えた方が良いような順位で。

 こちらはお世辞にも美しいとは言えない姿勢でダラダラと走っている。

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