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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 第2話

第2話:ルームメイト

 薔薇の騎士団。

 それはここローゼリッタ王国を代表する最強のエリート騎士団。

 正騎士になることができれば元の身分に関係なく、正式に騎士の称号と身分を保証される。

 それを夢見て国内全域から多数の希望者が殺到するこの養成所は、入学するだけでもすでに狭き門となっている。

 まず始めに様々な適性試験が行われ、養成所に残ることができるのは10分の1に満たない。

 多少、剣術の心得、または魔術の心得があっても落ちる者は落とされるし、何の知識も持たなくとも残る者は残るのだ。

 面接、体力測定、健康診断などわかりやすいものはいいとして、受ける側からするとどんな意味があるのかと首をかしげたくなるような試験も多く混ざっており、第1関門を突破するだけでも大変なコトなのだ。

 そんなところへ蝶よ花よと育てられた貴族の温室娘が、まかり間違って受かってしまったのだから、さぁ大変。

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レイディ・メイディ 第1話

第1話:なんか変なのがやってきた。
 ダンッ!

 前触れもなく机の上に飛び乗って、両腕を高々とかかげる少女が叫ぶ。


 
メイディア「ワタクシはメイディ! メイディア=エマリィ=シャトー!」

 

 教室にいる全員の視線が注がれ

 

学徒たち「エマリィ=シャトーだって?」

     「名門貴族じゃないか」

     「そんなところのお嬢様が何で薔薇の騎士団養成所なんかに…」

 

 ヒソヒソと交わされる会話。

 彼女の思惑どおり、まさに注目の的。

 

メイディア『フフ…見てる…皆、知っているのだわ。ま、当然ね。エマリィ=シャトー家を知らないお馬鹿さんなんているハズがないもの』

 

 フンと軽く鼻を鳴らして、誇らしげに笑う。

 

メイディア「ワタクシとこうして同じ屋根の下で学べることを光栄に思いなさいっ! オーッホッホッホ♪」

 

 小指を立てた手を口元にあてて高笑いするのは王家の遠い親戚にあたる名家の令嬢メイディア。

 

?「そこの立派なごーるでん巻ぐそ。文机から降りるでござるよ」

 大勢の驚きの視線を一身に受けていた彼女にサックリ突き刺さる声。

 同時にあっけにとられて彼女を見ていた人々の目もそちらを向いてしまう。

 

メイディア「ゴッ…ゴールデン巻…」


 縦にクルクルと巻かれた金色の髪に手を
添える


メイディア「ゴールデン…なんですって?」

 

 ぐぎぎ…。ぎこちなく首を回した先には黒ずくめの少年がドアの前に立っていた。

 

少年?「“ごぉるでん巻きグソ”」

メイディア「……!!」

 

 カッチーン☆ 怒りに体を震わせる。

 ここで黄金の巻…ナントカと揶揄されるのは、自分の縦に巻かれた自慢の金髪…通称・縦ロールしかないではないか!

 

メイディア「無礼なっ! お前はクビっ! 今すぐクビよっ!! 出て行きなさい」

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